こんにちは、発達支援Laboランプです。
ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信をしています。
今回のテーマは「スケジュールを立てることの意味を振り返る」です。
療育支援で過ごす子どもたちの時間は、多くの場合、細かくスケジュールされています。この習慣は、子どもたちにとって予測可能性と安定性をもたらし、保護者や支援者にも計画的に活動を進めるための枠組みを提供してくれます。しかし、スケジュールに厳密に従うことが過剰に「善」とされることには、いくつかの疑問があります。
1,子どもそれぞれのペース
当然のことですが、すべての子どもが同じペースで活動を進められるわけではありません。発達の個々の違いにより、さらには一人ひとりのニーズやペースも異なるため、時にはスケジュールの柔軟性が求められることがあります。固定されたスケジュールは、一部の子どもにとっては過剰なストレスとなり、その発達を妨げる可能性も無視できません。
2,「スケジュール」への依存
スケジュールに依存することで、予期せぬ出来事や状況の変化に対する対応力が養われにくいということが問題として挙げられると考えます。実際の支援場面においては、臨機応変な対応が求められる場面が頻繁にあります。スケジュール通りに事が進まない時、それを乗り越える力は、子どもたちの自立心や問題解決能力を育てる上で非常に重要であると考えます。
このため、スケジュールはあくまで一つのガイドとして捉え、その中で臨機応変に対応を加える柔軟性が求められます。子どもたち一人ひとりその日の様子や気持ちをしっかりと見極め、スケジュールを調整することが、より質の高い支援につながるのではないかと考えています。
3,子どものスケジューリングの尊重
もちろん子どもの年齢や発達段階に依ることではありますが、スケジュールを立てる際には、子どもたち自身が参加する機会を持たせることも非常に重要であると考えます。子どもたちが自分たちの活動について話し合い、選択する過程は、自己決定能力の向上に寄与します。これにより、スケジュールは単なる指示ではなく、子どもたちの意志を反映した支援の道具となり得るのではないでしょうか。
支援におけるスケジュール作りは、確かに重要な役割を担いますが、それに縛られ過ぎることなく、各個人の成長を最大限に支援するための柔軟性と創造性を持つことが求められるのではないでしょうか。スケジュールはあくまで支援の枠組みの一環であり、目的は子どもたち一人ひとりの可能性を最大限引き出すことにあると忘れずにいたいですね。
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第23回「スケジュールを立てることの意味を振り返る」
支援の背景
24/08/02 18:14