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子どもが上手に文字が書けないのは、なぜ?「書字」を支える力とは
鏡文字になってしまう、マスに文字が収まらない、板書が苦手…そんな書字に関する悩み、ありますよね。
そもそも、「書字」とはどんな発達段階を経て、出来るよになるのでしょうか?
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「文字が正しく覚えられない」「鏡文字になる」
「書き順が一定しない」
そんな姿をみかけたときは、「書けないから繰り返し書く練習をする」のではなく、「なぜ書けないのか?」を理解することがお子さんの成長の第一歩となります。
まずは「書く力」に必要な要素を知り、お子さんは一体何につまづいているのか一緒に考えてみましょう。 書字には、
・手で鉛筆を持って動かす「手の操作」
・鉛筆の先端や、枠のスペースを見る「視覚」
・基盤には安定した「姿勢」
が必要といわれています。
これらの要素が一つでも欠けると、たちまち書くことが難しくなってしまいます。
書字に必要な要素の中でも、普段の生活では意識しにくい手の操作、「運動の感覚」についてご紹介します。 例えば、タブレットにタッチペンで書くことを思い浮かべて下さい。
おそらく、紙に文字を書くときよりも、文字が乱雑になる人が多いと思います。
なぜでしょうか?
これは、「しっかり書けている」という感覚にヒントがあります。
紙に文字を書く時は、紙と鉛筆の間の摩擦抵抗により「ちゃんと動かせているな」という運動の感覚が手に加わります。
これを感じることで、私たちは「文字がしっかり書けているか」を無意識に判断し、微調整しています。
一方、タブレットにタッチペンで書く時は、この運動の感覚が分かりにくいため、微調整ができず、
書き上げてみるとどこか形が崩れている…
思ったより上手に書けなかった…
普段の文字より崩れている…
といった現象がおこりやすいのです。
書字が苦手なお子さんの中には、「運動の感覚」を捉えにくく、紙の上に鉛筆を使って書いたときにも、タブレットにタッチペンで書いたときのような感覚でいる場合もあります。
その結果、文字が整わなかったり、乱雑な文字になりやすい、ということが考えられます。
もし、この運動の感覚が捉えにくいことが原因であれば、何度も繰り返し練習させるよりも「運動の感覚を分かりやすくする工夫」が大切になってきます。 「書いている」という運動の感覚を、お子さんが捉えやすくするために、「 紙ヤスリ下敷き」というアイデアがあります。
普通の下敷きに紙ヤスリを貼付け、抵抗感のある下敷きを作ります。
この下敷きの上で書くことで、「書いている感じ」が、よりわかりやすくなり、文字の乱雑さが軽減されることがあります。
下敷きはアイデアの一例ですが、
大切なことは、「ちゃんと書きなさい」「繰り返し練習しなさい」ではなく、「なぜ書けないか?」という理由を理解し、その理由に即した練習やサポートのアイデアを模索することです。
※記事中の画像はイメージです
監修者
高畑 脩平
先生
白鳳短期大学 リハビリテーション学専攻 作業療法学課程 講師
奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員
奈良県障害者総合支援センター
作業療法士
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