何度言っても子どもに伝わらないのはなぜ?大人が意識したい3つのポイント

どうして言うことを聞いてくれないの?なぜ、伝わらないのだろう?そんな風に考えてしまうことは、ありませんか?

親子のヒント
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何度言っても伝わらない… 「早くご飯食べなさい」
「そろそろ学校行く時間だよ、テレビはおしまい」


きちんと伝えているのに、子どもはなかなか言うことを聞いてくれない、行動が変わらない…

そんな経験をした事はありませんか?

ここでは、お子さんの行動が変わりやすくなる伝え方について、大人が意識したい3つのことをご紹介します。
■1 とり組む環境を見なおしてみよう
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なかなか勉強に集中しない、朝の支度がとにかく遅い…

そんなときは、ぐるっとお子さんの周辺を見てみましょう。

勉強している机から、つい手にとりたくなる漫画や本が見えていませんか?

朝の支度をしているとき、リビングにテレビがついていて、ついついお子さんの手が止まっていませんか?

お子さんが、「気が散ってしまう理由」が周囲に無いか、確認してみましょう。

・勉強机は、テレビや本棚に背を向ける配置にする
・朝の支度のときは、テレビはつけずにラジオにする

など、お子さんの「気が散ってしまう理由」をとり除いてあげましょう。
■2 伝え方を考えてみよう
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何度も注意をしても、何度も説明しても、お子さんの行動があまり改善されない…

そんなときは、大人の伝え方を変えてみましょう。

例えば、お片づけ。

私たち大人が「片付けてね」と言うときは、床にあるおもちゃは箱にしまって、その箱はきちんと蓋が閉まっており、そして箱は然るべき場所に戻されている。一番綺麗な状態を思い浮かべますよね。

でも、お子さんからすると、

床のおもちゃを箱に入れただけでも「片付けをした」と同じことだと思っているかもしれません。
もっと言うと、今遊んでいるおもちゃだけ片付けて、さっきまで使っていた絵本はそのまま出しっぱなしでも、「片付けをした」と思っているかもしれません。

それを「ちゃんと片付けなさい!」と言うのでは、お子さんからするとなぜ怒られているのかわからない、どうすれば良いのかわからない状態になってしまいます。

お子さんに伝えるときは、具体的に

・「床にあるおもちゃ、全部この箱にしまってね」
・「箱は蓋をして、ココに戻しておいてね」
・「遊ぶ前とおんなじくらい綺麗になったら、お片づけおしまいだよ」

など、言葉にして伝えてみると良いでしょう。
■3 褒め方を考えてみよう
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お子さんが、朝の支度を頑張って早く取り組めたとき、苦手なお片づけに挑戦できたとき、きっと大人は「えらいね!」「上手にできたね!」と褒めることが多いでしょう。

しかし、大切なのは「褒めた」という事実ではありません。

きちんと褒めたはずなのに、翌日は朝の支度は元通りダラダラ…

ちゃんと褒めたはずなのに、お片づけはなかなか1人では頑張れない…

お子さんの行動に、あまり変化を感じないときは、「褒めた内容」を振り返ってみましょう。

例えば、朝の支度なら

終わった後に「えらいね!できたね!」と褒めるだけでなく、

お子さんが着替えに取り掛かったその瞬間に「すごい!自分から着替えをはじめて、とってもえらいね!頑張って!」

と、ちょっとした声かけをしてみましょう。

大人は「完璧だったこと」を褒めるのではなく、取り組む過程でも細かく声をかけてあげるのも良いでしょう。

取り掛かりが苦手な場合は、
・「自分から取り組んで、すごいね!」
・「お片づけをすぐはじめてくれて、嬉しいよ」

と、取り掛かったときに声をかけてあげる、

完了まで持続することが苦手な場合は
・「ボタンが上手にとめられているね!」
・「お!絵本が綺麗に並んでる!」
と途中で声をかけてあげる、

など、お子さんの具体的な行動をとりあげ、肯定的に声をかけてあげるのも良いでしょう。

そして、お子さんが着替えを完了したときに「こんなに早く着替えが終ったの!すごい!」など、良かったところを具体的にたくさん褒めてあげましょう。

お子さん自身に達成感を持ってもらえるような工夫も「親子のヒント」の中にいくつかありますので参考にしてみてください。

また、「今日は早く着替えができたね!いつもこうならいいのに…」など褒め言葉に次のアドバイスを添えてしまうのは控えてみましょう。

完璧だから褒める、のではなく、努力を認めて声をかけてみましょう。
3つのポイントを意識しながら ここまで

1 とり組む環境を整えること
2 伝え方を工夫すること
3 褒め方を工夫すること

と3つのポイントをご紹介しました。

ですが、大人も常に良い言葉かけをし続けられるとは限りません。
あまり「上手に伝えなきゃ!ちゃんと褒めないと!」と、無理をすると、大人も疲れてしまいますよね。

まずは、「これは直してほしいな」と思うこと1つだけに絞って、3つのポイントから何かひとつ、取り入れてみてはいかがでしょうか。
※記事中の画像はイメージです
監修者
井上 雅彦 先生
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授 公認心理師 専門行動療法士 自閉症支援士エキスパート LITALICO研究所 客員研究員
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