アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は治療できる?
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は、何らかの先天的な脳機能の障害によって引き起こされていると考えられていますが、根本的な治療方法は今のところありません。しかし、その特性による症状を和らげるために、療育や薬物療法が用いられています。
療育
療育とは、障害を持つ子どもの発達の特性に合わせて社会的に自立するためのスキルの習得を支援する取り組みです。症状を緩和させ、困りごとの軽減を図るだけでなく、得意を伸ばせることもあります。
発達障害を専門とする病院や児童発達支援事業所などで行われることが多く、目的や分野によってさまざまな種類があります。例えば、次のようなものがあります。
■TEACCH(ティーチ、Treatment and Education for Autistic and related Communication handicapped Children)
ASD(自閉スペクトラム症)の当事者とその家族を対象とした生涯支援プログラム。活動と場所を結びつける「物理的構造化」や、指示などの際にイラストや写真を用いる「視覚的構造化」などにより特性による困難への支援を図る方法です。
発達障害を専門とする病院や児童発達支援事業所などで行われることが多く、目的や分野によってさまざまな種類があります。例えば、次のようなものがあります。
■TEACCH(ティーチ、Treatment and Education for Autistic and related Communication handicapped Children)
ASD(自閉スペクトラム症)の当事者とその家族を対象とした生涯支援プログラム。活動と場所を結びつける「物理的構造化」や、指示などの際にイラストや写真を用いる「視覚的構造化」などにより特性による困難への支援を図る方法です。
TEACCH(ティーチ)プログラムとは?ASD支援の「構造化」の具体例と家庭での実践【専門家監修】
■応用行動分析学、ABA(エービーエー、Applied Behavior Analysis)
人間の行動を個人と環境の相互作用の枠組みの中で分析し、問題の解決に応用していくアプローチ。教育や福祉、スポーツ分野などでも用いられています。
人間の行動を個人と環境の相互作用の枠組みの中で分析し、問題の解決に応用していくアプローチ。教育や福祉、スポーツ分野などでも用いられています。
【専門家解説】ABA(応用行動分析)の基本は?ABC分析、事例を基にした実践例、家庭でできること
■SST(エスエスティー、ソーシャルスキルトレーニング、Social Skills Training)
ゲームやロールプレイ、絵カードなどによって、対人コミュニケーションなど社会生活技能や、自分の特性を理解して自己管理を学ぶトレーニングです。
ゲームやロールプレイ、絵カードなどによって、対人コミュニケーションなど社会生活技能や、自分の特性を理解して自己管理を学ぶトレーニングです。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは?支援の対象、方法、気をつけたいポイントについて【専門家監修】
これらのほかにも、さまざまなプログラムがあります。
薬物療法
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特性による症状の緩和、また、てんかんや併存する別の精神疾患に対し、薬が処方される場合もあります。
しかし、薬には副作用もあり、人によって合う・合わないがあります。主治医の先生と信頼関係を築き、よく相談した上で納得して治療を進めるとよいでしょう。また、適切な用法や用量を守ることが大切です。
しかし、薬には副作用もあり、人によって合う・合わないがあります。主治医の先生と信頼関係を築き、よく相談した上で納得して治療を進めるとよいでしょう。また、適切な用法や用量を守ることが大切です。
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)がある人への接し方
アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)がある子どもは、人とのコミュニケーションが苦手、こだわりが強いなどの特性がありますが、適切な声かけや環境調整などによって困りごとを軽減し、長所や強みを伸ばすことができる場合もあります。
具体的な接し方を5つのポイントにまとめて見ていきましょう。
1.まずは特性を理解する
対人関係が苦手であること、また、人や物に対する興味の偏りや強いこだわりがあるなどの特性を、周りの人が正しく理解することが大切です。苦手なことは療育や周囲の支援によって緩和されることもあり、逆に特性を生かして優れた集中力や記憶力を発揮できることもあります。
2.相手の感情を理解できるようにサポートする
人の気持ちを理解することが苦手なことも多く、思ったことを悪気なく口に出してしまい、相手を傷つけてしまうことがあります。そうした時は、ただ叱るのではなく、「○○と言われると悲しい気持ちになるんだよ」「●●ちゃんは傷つくんじゃないかな?」など相手の感情を説明したうえで、「●●ちゃんに○○のことは言わないでね」と、はっきり具体的に伝えると理解しやすいこともあります。
3.ネガティブな気持ちを受け止めながら励ます
自身の特性が周囲に理解されないことで、悩んだり落ち込んだりしてしまうこともあります。そんな時は「うまくいかなくてつらいんだね」とネガティブな気持ちをそのまま受け止めましょう。そして「自分は何があってもあなたを愛しているし、あなたが大好き」と肯定し、励ましてあげてください。
4.伝え方を工夫する
比喩や遠回しな表現を理解したり、相手の表情を読み取ったりするのが苦手なことが多いため、その子にとって分かりやすい方法で伝えましょう。
■指示は分かりやすくはっきりと
分かりやすく短い言葉で具体的に指示を出しましょう。「椅子に座ろうね」「電気を消してね」など、一つずつ指示することも大切です。
■言葉は省略せずに伝える
「履いて」ではなく「青い色の靴を履いてね」などと省略せずに指示を出すことも効果的です。「あれ」「そっち」などの指示語の使用もできるだけ避けましょう。
■視覚的にも分かりやすい方法で伝える
言葉での指示だけでは理解が難しい場合もあるため、ジェスチャーや写真、イラストなどを使って、視覚的にも分かりやすい方法で伝えるとよいでしょう。手づくりカードを持ち歩けば、場所や環境が違っても落ち着いて行動することができるかもしれません。
■「いつもと違う」は事前に伝える
急な予定の変更に対応するのが難しいことも多いため、予定はあらかじめ伝えるようにしましょう。
5.「叱る」のではなく「教える」ように努める
誰かを傷つけるような言動を取った時、ただ叱るだけでは「なぜだめなのか」が伝わりづらく、「叱られた」というネガティブな気持ちだけが残りがちです。叱るのではなく、教えるというスタンスのもと、「なぜだめなのか」「代わりにどのような行動を取ればよいのか」などを具体的に教えるとよいでしょう。
一度にいくつかの物事に取り組むのではなく、一つひとつこなしていけるように課題を提示しましょう。その際、あいまいな表現は避け、短い言葉で指示を出しましょう。
また、「ダメ」「○○しなさい」など否定形や命令形の言葉を使うと、本人は、怒られているのではないかと感じてしまうこともあるため、避けるようにしましょう。
子どもの特性を正しく理解し、何に困っているのかを把握した上でサポートすることが大切です。悩んだり困ったりした時は一人で抱え込まずに専門機関に相談し、子どもの特性や成長に向き合いながら接していきましょう。
具体的な接し方を5つのポイントにまとめて見ていきましょう。
1.まずは特性を理解する
対人関係が苦手であること、また、人や物に対する興味の偏りや強いこだわりがあるなどの特性を、周りの人が正しく理解することが大切です。苦手なことは療育や周囲の支援によって緩和されることもあり、逆に特性を生かして優れた集中力や記憶力を発揮できることもあります。
2.相手の感情を理解できるようにサポートする
人の気持ちを理解することが苦手なことも多く、思ったことを悪気なく口に出してしまい、相手を傷つけてしまうことがあります。そうした時は、ただ叱るのではなく、「○○と言われると悲しい気持ちになるんだよ」「●●ちゃんは傷つくんじゃないかな?」など相手の感情を説明したうえで、「●●ちゃんに○○のことは言わないでね」と、はっきり具体的に伝えると理解しやすいこともあります。
3.ネガティブな気持ちを受け止めながら励ます
自身の特性が周囲に理解されないことで、悩んだり落ち込んだりしてしまうこともあります。そんな時は「うまくいかなくてつらいんだね」とネガティブな気持ちをそのまま受け止めましょう。そして「自分は何があってもあなたを愛しているし、あなたが大好き」と肯定し、励ましてあげてください。
4.伝え方を工夫する
比喩や遠回しな表現を理解したり、相手の表情を読み取ったりするのが苦手なことが多いため、その子にとって分かりやすい方法で伝えましょう。
■指示は分かりやすくはっきりと
分かりやすく短い言葉で具体的に指示を出しましょう。「椅子に座ろうね」「電気を消してね」など、一つずつ指示することも大切です。
■言葉は省略せずに伝える
「履いて」ではなく「青い色の靴を履いてね」などと省略せずに指示を出すことも効果的です。「あれ」「そっち」などの指示語の使用もできるだけ避けましょう。
■視覚的にも分かりやすい方法で伝える
言葉での指示だけでは理解が難しい場合もあるため、ジェスチャーや写真、イラストなどを使って、視覚的にも分かりやすい方法で伝えるとよいでしょう。手づくりカードを持ち歩けば、場所や環境が違っても落ち着いて行動することができるかもしれません。
■「いつもと違う」は事前に伝える
急な予定の変更に対応するのが難しいことも多いため、予定はあらかじめ伝えるようにしましょう。
5.「叱る」のではなく「教える」ように努める
誰かを傷つけるような言動を取った時、ただ叱るだけでは「なぜだめなのか」が伝わりづらく、「叱られた」というネガティブな気持ちだけが残りがちです。叱るのではなく、教えるというスタンスのもと、「なぜだめなのか」「代わりにどのような行動を取ればよいのか」などを具体的に教えるとよいでしょう。
一度にいくつかの物事に取り組むのではなく、一つひとつこなしていけるように課題を提示しましょう。その際、あいまいな表現は避け、短い言葉で指示を出しましょう。
また、「ダメ」「○○しなさい」など否定形や命令形の言葉を使うと、本人は、怒られているのではないかと感じてしまうこともあるため、避けるようにしましょう。
子どもの特性を正しく理解し、何に困っているのかを把握した上でサポートすることが大切です。悩んだり困ったりした時は一人で抱え込まずに専門機関に相談し、子どもの特性や成長に向き合いながら接していきましょう。
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アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人が受けられる支援とは?
障害者手帳がなくても、申請して必要性が認められれば受けられるサービスも存在します。
「児童発達支援」「放課後等デイサービス」では、発達が気になる子や障害のある子に適したサービス・支援を受けることができます。
また、障害者総合支援法に規定されている「自立支援給付」を受けることができ、障害福祉サービスや自立支援医療などの給付を受けることが可能です。
「児童発達支援」「放課後等デイサービス」では、発達が気になる子や障害のある子に適したサービス・支援を受けることができます。
また、障害者総合支援法に規定されている「自立支援給付」を受けることができ、障害福祉サービスや自立支援医療などの給付を受けることが可能です。
障害者手帳は取得できる?
障害者手帳には「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3つがあります。
このうち、「精神障害者保健福祉手帳」は、身体障害や知的障害がなく、精神疾患(てんかん、発達障害を含む)により、長い間、日常生活または社会生活への制約がある人を対象としたものです。アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人はこちらを申請することができます。
障害者手帳を保持していると、手帳の級数によっても異なりますが、さまざまな福祉サービスを受けられます。
このうち、「精神障害者保健福祉手帳」は、身体障害や知的障害がなく、精神疾患(てんかん、発達障害を含む)により、長い間、日常生活または社会生活への制約がある人を対象としたものです。アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の人はこちらを申請することができます。
障害者手帳を保持していると、手帳の級数によっても異なりますが、さまざまな福祉サービスを受けられます。
障害者手帳とは?種類ごとの申請方法と受けられるサービスを一挙にご紹介
手帳がなくても受けられるサービスは?
障害者手帳がなくても、申請して必要性が認められれば受けられるサービスも存在します。
例えば、「児童発達支援」「放課後等デイサービス」では、発達が気になる子や障害のある子に適したサービス・支援を受けることができます。
また、障害者総合支援法に規定されている「自立支援給付」を受けることができ、障害福祉サービスや自立支援医療などの給付を受けることが可能です。
例えば、「児童発達支援」「放課後等デイサービス」では、発達が気になる子や障害のある子に適したサービス・支援を受けることができます。
また、障害者総合支援法に規定されている「自立支援給付」を受けることができ、障害福祉サービスや自立支援医療などの給付を受けることが可能です。
障害者手帳がなくても受けられるサービスを一挙にご紹介
発達が気になる子・障害のある子が支援を受けられる場所って?放課後等デイ・児童発達支援の利用方法を解説!