解離性障害かなと思ったら
解離性障害は早期治療が重要であることから、おかしいかな?あてはまるかな?と思ったら精神科や心療内科を専門とする医療機関で相談しましょう。どこに行けばいいかわからない時は、かかりつけの医師や、地元の保健所、精神保健福祉センターの相談窓口を利用するなどしましょう。
まわりが気づく、様々なサイン
下記のような症状は、解離性障害かなと周りの人が気づくためのサインです。
ぼーっとして無表情、話しかけても応答がない⇒混迷
特定の出来事をどうしても思い出せない、特定の人との約束や会話を何気なく忘れてしまう⇒健忘
突然失踪のように行方をくらます。気が付いたら別の場所にいたという。⇒遁走
現実感がなくなり世の中が芝居のセットのように思え、「自分が自分でない」「ロボットのようだ」と感じてしまい、それに苦しむ。⇒離人症
本人の様子が突然変わるが、その間の記憶がない。⇒多重人格
心の病気ミニ時典解離性障害|都立松沢病院
解離性障害の診断
『ICD-10 精神科診断ガイドブック』での解離性障害の診断のポイントは、3つあります。
1.記憶・同一性の創出(解離)や運動・感覚のコントロールの喪失(転換)が存在
2.心理的ストレスとの関連を有しており
3.それを説明するような身体疾患がない
1.記憶・同一性の創出(解離)や運動・感覚のコントロールの喪失(転換)が存在
2.心理的ストレスとの関連を有しており
3.それを説明するような身体疾患がない
これらのポイントに基づき、まずはあらわれている症状が他の病気が原因で起きていないかを確認します。例えば、てんかん発作があらわれた場合には、脳波検査やMRI検査などが行われます。
解離性障害であらわれる症状はさまざまです。似ている疾患もあることから、診断にあたっては専門医が詳しく診察を行ったうえで判断します。
なお、解離性障害の診断には質問票が利用されることがあります。大人の質問票には、解離性同一性障害をおもに判断するための解離体験尺度(DES)や、子どもでは子ども版解離評価表(CDC)などの質問票があります。
解離性障害であらわれる症状はさまざまです。似ている疾患もあることから、診断にあたっては専門医が詳しく診察を行ったうえで判断します。
なお、解離性障害の診断には質問票が利用されることがあります。大人の質問票には、解離性同一性障害をおもに判断するための解離体験尺度(DES)や、子どもでは子ども版解離評価表(CDC)などの質問票があります。
解離性障害の治療はどんなことをするの?
解離性障害の一般的な治療
解離性障害の治療は、精神療法が特に重要となります。その際に大切なことは、主治医との信頼関係を構築することです。患者さんは、対人関係などで心に深い傷を負っていることが多いため、対人恐怖や不信感に悩んでいることもあるからです。
一方、患者さんが強いストレスにあるような環境にいる場合には、精神療法とともに安心できる環境に整えることも行われます。そのうえで、患者さんの精神的つらさが軽くなるように症状の自然経過を見守ることが重要です。
なお、精神療法のほかに、必要に応じて薬物治療を併用することもあります。さらに、症状によっては入院治療を選択することもあるようです。
一方、患者さんが強いストレスにあるような環境にいる場合には、精神療法とともに安心できる環境に整えることも行われます。そのうえで、患者さんの精神的つらさが軽くなるように症状の自然経過を見守ることが重要です。
なお、精神療法のほかに、必要に応じて薬物治療を併用することもあります。さらに、症状によっては入院治療を選択することもあるようです。
治療は患者さんが生きやすくするために行われます
治療の目的は、患者さんが安定した毎日を暮らせるようになることです。
治療中に、解離性障害で記憶を失ったつらい体験を思い出す機会も出てくるかもしれません。もし、つらい体験を忘れたままの方が患者さんにとって暮らしやすく安定した毎日を過ごせるのであれば、思い出させるような治療をしないこともあるようです。
ひとりの心の中に2人以上の人格が存在する解離性同一性障害の治療を例にとりご紹介します。解離性同一性障害は、かつては人格を統合することが治療の最終目標とされていました。
しかし、交代人格は患者さんがなんとか生き抜くために生じたものであるため、無理やり人格を統合させる治療をおこなうと、患者さんが動揺してしまうことがあります。
このため、近年では複数の人格をまとめてひとつのシステムと捉え、存在する人格が複数であってもシステム全体が安定していればよいという考え方に変わりました。
患者さんのストレスを改善させて安定をはかりながら、それぞれの人格がどのような役割をになっているのかを理解する治療が行われます。
分かれている人格の記憶や体験をつなげていく作業を続けて、人格同士の関係をよくすることで、患者さんが生きやすいように治療していくのです。その結果として、心が安定して人格をまとめていくイメージをもてるようになると考えられています。
治療中に、解離性障害で記憶を失ったつらい体験を思い出す機会も出てくるかもしれません。もし、つらい体験を忘れたままの方が患者さんにとって暮らしやすく安定した毎日を過ごせるのであれば、思い出させるような治療をしないこともあるようです。
ひとりの心の中に2人以上の人格が存在する解離性同一性障害の治療を例にとりご紹介します。解離性同一性障害は、かつては人格を統合することが治療の最終目標とされていました。
しかし、交代人格は患者さんがなんとか生き抜くために生じたものであるため、無理やり人格を統合させる治療をおこなうと、患者さんが動揺してしまうことがあります。
このため、近年では複数の人格をまとめてひとつのシステムと捉え、存在する人格が複数であってもシステム全体が安定していればよいという考え方に変わりました。
患者さんのストレスを改善させて安定をはかりながら、それぞれの人格がどのような役割をになっているのかを理解する治療が行われます。
分かれている人格の記憶や体験をつなげていく作業を続けて、人格同士の関係をよくすることで、患者さんが生きやすいように治療していくのです。その結果として、心が安定して人格をまとめていくイメージをもてるようになると考えられています。
子どもの治療
子どもの精神療法で中心的なものは、遊戯療法(プレイセラピー)とよばれるものです。遊びを通じて、子どもが抱える苦しみを克服し、心の成長を促すものです。
遊戯療法では、遊戯室のなかに「安全」と「自由」が確保されます。治療する側は、子どもと同じ目線で遊び心と中立性を保ちながら遊びを見守ります。また、遊びは子どもが主導し、治療する側は子どもに受け入れられる方法で遊びに反応することも大切にしています。
また、家族との関係性で解離性障害を引き起こしている場合もあるため、本人だけではなく両親とも面談を行うこともあります。
遊戯療法では、遊戯室のなかに「安全」と「自由」が確保されます。治療する側は、子どもと同じ目線で遊び心と中立性を保ちながら遊びを見守ります。また、遊びは子どもが主導し、治療する側は子どもに受け入れられる方法で遊びに反応することも大切にしています。
また、家族との関係性で解離性障害を引き起こしている場合もあるため、本人だけではなく両親とも面談を行うこともあります。