ASD(自閉スペクトラム症)の療育法

ASD(自閉スペクトラム症)の症状は、個人の性格や特性によって少しずつ違います。そのため療育では、個々に合った対応法を組み合わせた支援プログラムを受けていきます。
ASD(自閉スペクトラム症)の療育法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、一般的な療育法・投薬を紹介したいと思います。

ASD(自閉スペクトラム症)の療育を行うときの原則

療育とは医療、訓練、教育、福社などの現代の科学を総動員して障害を克服し、その児童が持つ発達能力をできるだけ有効に育て上げ、自立に向かって育成することである。
出典:http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r055/r055_018.html
ASD(自閉スペクトラム症)の特性に合わせてトレーニングをしたり、環境調整をすることで、困りごとを改善したり、得意なことを伸ばしたりできるのが療育です。小さいうちから療育に通うことで、精神的・身体的機能に対してある程度の効果が表れることが多くあります。
ASD(自閉スペクトラム症)の療育方法にはいろいろありますが、どの療育方法に限らず大切な点は以下のとおりです。
①Structure(構造化): 自閉症の人たちに周囲の環境の意味をわかりやすく整理し伝える。時間や空間、意図の視覚化をする
②Positive(肯定): 子どもを肯定しほめる(自己肯定感を高める)
③Empathy(共感): 自閉症の特性を深く理解し、共感する
④Low arousal(低刺激): おだやかな刺激や環境にする(過激な刺激や興奮を避ける)
⑤Links(連携): 地域と連携し協力する
それぞれの頭文字をとってこの原則を「SPELL」と言います。

(参照:SPELL(英国自閉症協会))

ASD(自閉スペクトラム症)の症状への投薬治療

その子に合わせた環境調整、療育をして、それでも難しい場合には投薬治療を併用することも考えられます。
現時点では根本治療のための薬は開発されていませんが、ASD(自閉スペクトラム症)そのものを治すための薬ではなく、衝動性・不安障害を抑える薬や、パニックを抑える薬など、ASD(自閉スペクトラム症)の特性から起きる生活上の困難を緩和するために薬が処方されることがあります。

そのほかにも医師によって個人に合った薬を処方されますので、信頼できる医師に困っている症状を相談し、まずは環境をうまく調整しながら、療育を行い、それだけでは改善が難しい場合服薬を併用するのが理想的と言われています。

薬の服用により特性が緩和されているときには、療育や教育の効果も出やすくなるとも言われています。薬物療法は医師の指示のもと用法や用量を守って服用していかなくてはいけません。薬に頼り切って多用するのは避けましょう。

その子に合った環境を設定し、療育を行うことで、困りごとの改善や得意なことを伸ばし、特性を活かすことにつながっていくでしょう。
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