進学、就職…小6知的障害娘の将来が心配…!「そんなに将来が不安ですか?」スクールカウンセラーの指摘に気づかされたこと

ライター:よしだ
進学、就職…小6知的障害娘の将来が心配…!「そんなに将来が不安ですか?」スクールカウンセラーの指摘に気づかされたことのタイトル画像

わが家の長女ゆいは小学6年生。軽度知的障害・ASD・場面緘黙の診断が下りています。
実は私、月に一度小学校のスクールカウンセリングの先生にお世話になっています。
今回は、その際に気持ちを引き締めることになったお話をさせていただきます。

監修者井上雅彦のアイコン
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

私がスクールカウンセリングを受けるようになったきっかけ

スクールカウンセリングを受けるきっかけになったのは、担任の先生に勧められたからでした。ゆいが小5のときに特別支援学級に移るにあたって学校の先生方と打ち合わせをする中で、何かの助けになるかもと紹介されたのです。それから月に一度、外部から来られるスクールカウンセラーの先生とお話しすることになりました。

長女に障害があると分かった小5の時期は夫が単身赴任中だったので、すべてのやり取りを私独りでやりました。正直なことを言うと「私が頑張らないと」と変に気を張っていたため、反動で疲れてしまうこともありました。そんなとき、カウンセラーの先生に長女の発達の話以外にもちょっと愚痴を吐いたりして、私の癒しにもなってくれていました。
軽度知的障害、ASD、場面緘黙のある娘のことをスクールカウンセラーの先生に相談する母
Upload By よしだ

あるとき、スクールカウンセラーの先生に娘の将来の不安を語ったら…

あるとき、スクールカウンセラーの先生に将来の不安を語ったことがありました。小学校卒業後は地元の公立中学へ進学し、そこの特別支援学級にお世話になることは決めていましたが、そのあとの進路について悩んでいました。

もちろん本人の意向が第一なのですが、長女の場合は進路選びにも大人のサポートが必要だと思ったのです。でもありがたいことに、住んでいる地域には障害のある子どもが通うことのできる学校の種類がとても多く、かえって迷う結果になっていました。特別支援学校、単位制の学校、通信制の学校、定時制の学校、その他独自のコースを持つ私立高校も入れると選択肢はあまりにも膨大です。学校選びはどうしたらいいのだろうと混乱していました。

さらにその先の就職も不安でいっぱいでした。障害があると分かるまでは子育てのゴールを「子どもの自立」と定めていましたが、わが子は将来食べていけるのか?独り暮らしできるほどのお金を安定して稼ぐことができるのか?(これは障害の有無は関係なく難しい問題かもしれませんが…)考えない日はありませんでした。
軽度知的障害、ASD、場面緘黙のある長女の進学や就職など、将来を心配する母
Upload By よしだ
そんな漠然とした不安を先生にまくしたてた私。それを聞いた先生には笑われてしまいました。そして先生はこう仰ったのです。

「そんなに将来が不安ですか?将来も大切ですが、その前に中学校生活をどう考えているのですか?」

私は一瞬固まってしまいました。先生は続けてこう仰いました。

「中学校は小学校とは全然違いますよ。勉強は今までとは比べ物にならないくらい難しくなります。それに人間関係も同じです。女の子は特に人間関係が複雑になっていきますよ。障害のあるなしに関わらず、悩みを抱えて学校に通わない選択を選ぶことは大いに考えられます。小学校でも行き渋りが見られましたし、中学に入って不登校を選んだ場合、その後の進路は大きく変わっていきます。高校進学や就職のことを心配するより、今は中学校に3年間ゆいちゃんが楽しく通えるかどうかを気にかけたほうがいいと思いますよ

先生の話を聞いて私は放心状態になってしまいました。正直なところ、私は義務教育後の進路の心配しかしていなかったのです。そこまではクリアできると何の疑問もなく考えていたことに初めて気づきました。中学時代での過ごし方次第で、進学も就職もしないという可能性もあったのに。心配事は何年も先のことではなく、目の前にありました。なんだか現実をちゃんと把握することができていなかったのだなと反省してカウンセリングを終了しました。
軽度知的障害、ASD、場面緘黙のある娘の義務教育後のことしか考えていないことを指摘されてショックな母
Upload By よしだ

ショックを受けた私が気づいたことは

その後、勤務先で中学生のお子さんがいる方たちと話す機会がありました。その中で不登校の話題が上がり、現在は不登校になっても無理に学校に行かせることはしない家庭が多いということを教えていただきました。以前にも書きましたが、私は登校を渋る長女を私自身の都合のために無理やり学校に行かせたことがあります。これは良くなかったのだと反省しました。
現在は不登校になっても無理に学校に行かせることはしない家庭が多いと聞いて、軽度知的障害、ASD、場面緘黙のある娘を無理矢理学校に行かせたことを反省する母
Upload By よしだ
先生の言葉にはショックを受けたけれど、自分の頭の中が古い価値観で止まっていることが分かって一つ道が明るくなった気がしました。これからどうなるか分かりません。不安でいっぱいです。けれど、本人の気持ちに寄り添うことは忘れずに子どもの思春期を迎えたいと思っています。
(監修:井上先生より)
このスクールカウンセラーの方はかなりきつい言い方をされたと思いますが、全てのカウンセラーがそうではありません。おそらく、地域の中学校でのスクールカウンセリングもされていてその現状もご存じの上での話だったのかもしれません。とは言え、指摘されている点は子どもさんの現状に照らして今どうすれば良いかに焦点をあてられています。

中学校の特別支援学級は小学校と異なり各教科ごとに先生が変わります。また、学校によっては複数の小学校から一緒になることも多く、人間関係も大きく変化します。場面緘黙があるお子さんの場合は特に周囲の人たちの理解と環境ごとの配慮が必要になると思います。多くの先生方の共通理解が得られるように小学校と中学校そして必要があれば支援機関の専門家・保護者を含めた支援会議を入念に準備しておくと良いと思います。
ADHD息子の行きたい中学で大丈夫?親子で意見が分かれた次男の進路選択――中学時代いじめで不登校になった私の願いのタイトル画像

ADHD息子の行きたい中学で大丈夫?親子で意見が分かれた次男の進路選択――中学時代いじめで不登校になった私の願い

軽度知的障害(軽度知的発達症)とは?【専門家監修】のタイトル画像

軽度知的障害(軽度知的発達症)とは?【専門家監修】

頑張る時期が周りより5年ズレてた!?中高時代、成績最悪だったADHD息子が18歳でようやくみつけた勉強法のタイトル画像

頑張る時期が周りより5年ズレてた!?中高時代、成績最悪だったADHD息子が18歳でようやくみつけた勉強法

不登校気味、ASD中3娘の進路選び。初めて通信制高校の体験に行ってみると?のタイトル画像

不登校気味、ASD中3娘の進路選び。初めて通信制高校の体験に行ってみると?

特別支援学校高等部卒業後の進路の選択肢とは。発達障害がある子の進学、就職、働き方まで解説しますのタイトル画像

特別支援学校高等部卒業後の進路の選択肢とは。発達障害がある子の進学、就職、働き方まで解説します


追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。