「勉強が苦手」ということを相談してもいい
確かに、家庭学習の時間を増やすことで、授業を理解できるようになる子もいます。しかし、子どもの発達の仕方やスピードはさまざまです。ゆっくり発達する子もいます。小学4年生のなかには、4年生向けの内容を理解するのに人一倍時間がかかる子もいるのです。
そういう子には「勉強時間を増やして、みんなに追いつく」というやり方をするよりも、その子のペースで学べるように環境を整えていくほうが、結果として学習も進み、心身の調子も安定することがあります。私は親御さんにそのような話をしています。
「勉強が苦手」という悩みの背景に軽度知的障害や境界知能などがある場合には、医療機関や療育機関で支援を受けることもできます。「家庭で対処しなければ」と思わずに、地域の教育相談窓口や医療機関などに相談してもらえればと思います。
ただ、親御さんが「勉強が苦手なくらいでは相談できない」と考えてしまう気持ちも分かります。医療関係者も、そう考えてしまうことがあるからです。
「勉強が苦手」で相談できる窓口一覧
・通学先の学校(担任、スクールカウンセラーなど)
・地域の教育相談窓口(教育支援センター、教育委員会など)
・地域の子育て相談窓口(保健センター、家庭支援センターなど)
・医療機関・療育機関
そういう子には「勉強時間を増やして、みんなに追いつく」というやり方をするよりも、その子のペースで学べるように環境を整えていくほうが、結果として学習も進み、心身の調子も安定することがあります。私は親御さんにそのような話をしています。
「勉強が苦手」という悩みの背景に軽度知的障害や境界知能などがある場合には、医療機関や療育機関で支援を受けることもできます。「家庭で対処しなければ」と思わずに、地域の教育相談窓口や医療機関などに相談してもらえればと思います。
ただ、親御さんが「勉強が苦手なくらいでは相談できない」と考えてしまう気持ちも分かります。医療関係者も、そう考えてしまうことがあるからです。
「勉強が苦手」で相談できる窓口一覧
・通学先の学校(担任、スクールカウンセラーなど)
・地域の教育相談窓口(教育支援センター、教育委員会など)
・地域の子育て相談窓口(保健センター、家庭支援センターなど)
・医療機関・療育機関
医療関係者も、誤解していることがある
私は大学病院で、大人の精神科のカンファレンス(診療情報の共有・検討などをする会議)にも出席しています。そこで軽度知的障害や境界知能の方の話が出たときには、「この方は勉強面で苦労してきただろう」という想像をします。実際にそのような経過が確認されて、なんらかの支援が必要だと分かることも多いのですが、カンファレンスでは「境界知能なので知的機能は問題ありません」「学校生活には特に苦労はなかったと思われます」とレポーターが報告することがあります。
医療関係者でも、発達を専門としている人でなければ、「勉強が苦手というのは、医療につながるような大きな問題ではない」と考えることもあるわけです。軽度知的障害や境界知能の方の困難は、それぐらい気づきにくいことなのです。ですから、親御さんが「これは病院にかかるようなことではない」と感じてしまうのも分かります。しかし今後は「勉強が苦手」ということのとらえ方を変えてもらえればと思います。
医療関係者でも、発達を専門としている人でなければ、「勉強が苦手というのは、医療につながるような大きな問題ではない」と考えることもあるわけです。軽度知的障害や境界知能の方の困難は、それぐらい気づきにくいことなのです。ですから、親御さんが「これは病院にかかるようなことではない」と感じてしまうのも分かります。しかし今後は「勉強が苦手」ということのとらえ方を変えてもらえればと思います。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
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