チェックリスト5.親なきあとの備えとして「共済制度」を知ろう
保護者が亡くなったあとのお子さんの生活が心配という方もいるでしょう。ここでは、いわゆる親なきあとにお子さんの生活を支えるための「障害者扶養共済制度」について紹介します。
障害者扶養共済制度(しょうがい共済)
障害者扶養共済制度とは、保護者が毎月掛け金を納めることで保護者が亡くなった時などに障害のあるお子さんに一生涯の年金を支給する公的な制度のことで、しょうがい共済とも呼ばれています。掛け金は保護者の年齢と加入する口数で変わります。口数は1口と2口があり、受け取れる年金額は1口で毎月2万円、2口で毎月4万円です。
加入するためには保護者、お子さんがともに要件を満たす必要があります。まずは保護者の要件を紹介します。
加入するためには保護者、お子さんがともに要件を満たす必要があります。まずは保護者の要件を紹介します。
- 加入する都道府県または指定都市に住んでいること
- 加入時点で65歳未満であること
- 特別な病気などがないこと
- 障害のある子どもに対して加入できる保護者は1人のみ
- 障害等級が1~3級または同程度と認められること
次にお子さんの要件を紹介します。
お子さんの年齢は問われません。また、加入後に障害の程度が該当しなくなっても、引き続き加入し続けることができます。
加入の手続きは自治体の福祉事務所や障害福祉窓口で行います。その際は申込書や住民票の写し、障害の程度が確認できる書類(障害者手帳や年金証書など)が必要となります。手続きを行ってから1~2か月で可否の結果が送られてくるようです。
チェックリスト6.成人期に活用できるさまざまな社会資源や支援制度を知ろう
18歳までは主に児童福祉法に基づく支援を受けることになりますが、18歳以上は基本的に障害者総合支援法に基づく支援に切り替わります。そのため、お子さんの成長段階に応じて利用できる支援や制度を知って、切れ目なく活用していくことが大切です。
成人期の主な障害福祉サービス(障害者総合支援法に基づく)
ここでは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの中で代表的なものを紹介します。
障害福祉サービスを利用するには自治体へ申請する必要があります。利用を検討している方は現在利用している支援があればそのスタッフ、そのほか自治体の障害福祉窓口、児童発達支援センター、相談支援事業所などと一緒に検討していくといいでしょう。行政でも切れ目のない支援を目指しているため、未成年のうちから相談することができます。
- 就労移行支援: 一般企業への就職を目指す方に、職業訓練や職場実習、就職活動のサポートなどを提供するサービスです
- 就労継続支援(A型・B型): 一般企業で働くことが難しい方に、就労の機会や生産活動の場を提供するサービスです
- 共同生活援助(グループホーム): 障害のある方が少人数で共同生活を送り、日常生活を送るうえでの支援を受けることができるサービスです
- 短期入所(ショートステイ): 保護者の急病・冠婚葬祭の際や、レスパイトなどのために、一時的に施設で預かるサービスです
- 居宅介護(ホームヘルプ): ヘルパーが自宅を訪問し、入浴や食事などの介護、家事の援助などを行うサービスです
- 生活介護: 日中の食事・入浴・排泄等の介護と共に、創作活動や生産活動の機会を提供するサービスです
障害福祉サービスを利用するには自治体へ申請する必要があります。利用を検討している方は現在利用している支援があればそのスタッフ、そのほか自治体の障害福祉窓口、児童発達支援センター、相談支援事業所などと一緒に検討していくといいでしょう。行政でも切れ目のない支援を目指しているため、未成年のうちから相談することができます。
卒業後の選択肢として知っておきたい就労移行支援
高校や大学を卒業したあとに、就職をサポートする支援として就労移行支援があります。就労移行支援のプログラムは多岐にわたり、障害理解や体調管理、業務に関する知識やスキルを身につけるための訓練、実際の職場で仕事を体験する職場実習などがあり、一人ひとりの特性や就職の希望に合わせた個別支援計画を作成して支援を実施しています。
また、適正に合わせた職場探しや就職活動自体のサポート、長く働き続けるための職場定着支援も提供しているなど、障害のある人が働くための幅広い支援を行っている点が特徴です。
利用には自治体に申請し受給者証の交付を受ける必要があります。申請には障害者手帳は必須ではなく医師の意見書などでも行うことができる場合もあります。気になる方は障害福祉窓口や就労移行支援事業所などに相談してみるといいでしょう。
また、適正に合わせた職場探しや就職活動自体のサポート、長く働き続けるための職場定着支援も提供しているなど、障害のある人が働くための幅広い支援を行っている点が特徴です。
利用には自治体に申請し受給者証の交付を受ける必要があります。申請には障害者手帳は必須ではなく医師の意見書などでも行うことができる場合もあります。気になる方は障害福祉窓口や就労移行支援事業所などに相談してみるといいでしょう。
将来を見据えて「今からできる」ことはたくさんある
障害のあるお子さんの将来に不安があっても、何をしていいのか分からない……という方も少なくないかと思います。しかし、障害者手帳の取得や銀行口座の開設など、将来を見据えて今からできることはたくさんあります。それらを一つずつこなしていくことで、将来の不安も和らげることができるでしょう。
決して焦る必要はありませんが、お子さんの成長段階に合わせて今からできる準備をしていくことが大切です。
決して焦る必要はありませんが、お子さんの成長段階に合わせて今からできる準備をしていくことが大切です。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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