特性を力に変える!大好きなお絵描きと視覚優位を活かした「降りる場所カード」

ところで少し話は変わりますが、りーはお絵描きが好きです。自分で描くのも、誰かに描いてもらうのも好きです。特にとあるキャラクターが大好きで、絵をリクエストするときにはそのキャラクターの仕草を真似してアピールしてきます。

また、2年生になってからだんだんとひらがなも読めるようになり、学校でもキャラクターのイラストを見て、その名前をカードの並べ替えで表すということもできるようになってきました。

そこで私は「りーの好きなキャラクターを使って、バスを降りる場所が分かるカードをつくろう」と思い立ちました。
安心につながるように、願いを込めてつくったカード
安心につながるように、願いを込めてつくったカード
Upload By かし りりあ
・りーの好きなキャラクター
・放課後等デイサービスの名前(ロゴ)
・バスを降りる場所

これらを記入したカードを、降りる場所ごとに何種類かつくりました。それぞれのカードで違うキャラクターを描き、万が一ひらがなが読めなくても違いが分かるようにしています。このカードで、バスに乗っている間『次に何が起こるか』という見通しがつきやすくなり、好きなキャラクターで安心できるといいなと思ったのでした。

ただ、この方法がすぐうまくいくとは思っていませんでした。実際、カードを持たせた初日は変わらず、泣いて帰ってきていました。それでも自分の好きなキャラクターが描いてあるためか、カードをじっと見つめることが多かったようです。

それから一週間経ち、再び泣くルートの日がやってきました。すると……うなりながらも、泣かずに帰ってくることができたのです!
手づくりカードに効果あり!?バスで泣かずに帰ってこれるように
手づくりカードに効果あり!?バスで泣かずに帰ってこれるように
Upload By かし りりあ

両手でカードを握りしめていた息子。パニックを乗り越えられたことに成長を感じて

放課後等デイサービスの先生によると、バスから降りてくる際、りーはカードを両手で大事そうに持っていたそうです。バスの添乗員さんも先生も自分のことのように喜んでくれ、私もとてもうれしい気持ちになりました。私の支援がりーに適切に届いてくれたのかな、となんともいえない感慨深い気持ちになったのです。以降、りーがバスの中で大泣きすることはなくなっていきました。

なぜ、りーが特定のルートで泣いていたのか、はっきりとした理由は今も分かりません。しかしカードを使うことで、なんとなくでも理解はしてくれたのかなあと思っています。
バスから降りてくる際、カードを両手で大事そうに持っていたそうです
バスから降りてくる際、カードを両手で大事そうに持っていたそうです
Upload By かし りりあ
いまでは朝学校へ行く前に「今日はどこで降りるかな」とカードを確認しています(休みたいときもあるのかカードを見て「んー!」と不満をあらわすことも……)。

これからも学校や放課後等デイサービスの先生方と連携をしながら、子どもたちの困りごとに自分ができることを考えていけたらなと思っています。
執筆/かしりりあ

(監修:藤井先生より)
りーさんの「特定のルートで泣いてしまう」という行動の背景に、見通しの立てにくさといった発達特性からの困りごとを想像し、丁寧に向き合われたかしりりあさんの姿がとても印象的でした。見通しを立てるための手づくりカードをつくり、さらにりーさんが安心できるような工夫を重ねられた点も本当に素敵です。問題が落ち着いたときに一緒に成長を喜んでくれる大人の存在があることは、りーさんにとって大きな安心と支えになりますね。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030784
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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