学校での個別計画や、雇用先の確保。「社会的障壁」をとり除くために
ライター:発達ナビ編集部
ADHDや自閉症スペクトラム症、学習障害などの発達障害のある人をサポートするための、「改正発達障害者支援法」が5月25日の参院本会議で可決、成立しました。
発達障害者支援法って?
「発達障害者支援法」とは、ADHD(注意欠如・多動性障害)や自閉症スペクトラム、学習障害(LD)などの発達障害のある人をサポートするための法律です。
発達障害者の自立及び社会参加に資するようその生活全般にわたる支援を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的とする。
その発達障害者支援法の改正が、2016年5月25日参院本議会で可決、成立しました。この支援法は、2005年に施行されたもので、改正は約10年ぶりになります。
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可決した改正支援法の内容とは
1人ひとりの特性に合わせ、学校では個別の計画を作成したり、雇用の確保を求めるなど、今回の改正は教育・就労の支援が柱となっています。
教育面
発達障害がある子供が他の子供と一緒に教育を受けられるように配慮。
学校側が目標や取り組みを定めた個別の計画を作成し、いじめ防止対策や、福祉機関との連携も進める
就労面
国や都道府県が働く機会の確保に加え、職場への定着を支援するよう規定。
事業主に対し、働く人の能力を適切に評価し、特性に応じた雇用管理をするよう求めた。
その他にも、他者とのコニュニケーションの難しさへの支援や、関係機関の連携による切れ目のない支援を目指す内容が盛り込まれています。
(1)刑事事件などの取り調べや裁判で不利にならないように、意思疎通の手段を確保
(2)都道府県や政令指定都市に関係機関による協議会を設置
発達障害は、他者とのコミュニケーションに難しさを抱えていたり、環境の変化や周囲の騒音に敏感だったりと、見た目だけではわかりにくい特性があります。
それらに対する周囲の理解が十分に得られないことによる「社会的障壁」を取り除く必要があるとしました。
それらに対する周囲の理解が十分に得られないことによる「社会的障壁」を取り除く必要があるとしました。
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