児童発達支援事業所

きもちとことばのはぐくみ教室

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土曜授業での出来事

教室の毎日
指導員の高橋です。

今回は、私の長男が小学一年生の時の土曜授業での出来事について書かせていただきます。

今から十年以上前のことですが、息子に対して申し訳なかったと今も思っています。

この時私は会社員で四国に単身赴任をしていて、四国全域を回っておりましたが、前年の12月から始まった高知県での大きな仕事の真っ只中にありました。

この日、前日の金曜日の夜に岡山に帰ることができず、土曜日の朝一で帰り、自宅に着いて荷物を置いてすぐに学校に向かったという感じでした。

この土曜授業には、前以って、私か行けるようであれば私が行くということにしていたのか、直前に知って、せっかくの機会だから私が行くことにしたのかは記憶が定かではありませんが、何れにしましても、ずっと家にはおらず、家の中で会話をする機会はありませんでした。

ですので、工作を一緒に作る、ということは聞いていたと思いますが、詳しいことは知らぬまま急いで学校に向かい、教室で息子と久しぶりに会いました。

そして、担任の先生からのお話しがあり、工作に取り掛かりました。
作るものは、ポリ袋の口に空気が漏れないようにしてストローをセロテープで付けて、それを箱に入れ、息を吹いてストローから空気を送り込むと、箱からポリ袋が飛び出してくる、というものでした。

その時の私は、仕事のことでいっぱいいっぱいで、相当に疲れが溜まっていて頭が回っていなかったようで、周りを見ることもなく、何か疑問に思うこともなく、息子が家から持参してきていた材料を使って、息子と一緒に、箱にストローを通す穴をあけ、ポリ袋の口にストローを差し込んでセロテープでとめるという作業を行いました。

それだけの作業ですが、几帳面なため、丁寧に行い、結構な時間が掛かってしまいました。
そして、この時になって初めて、周りの親子が作っているものを見て、私はとても驚きました。

ストローから空気を吹き込むと、箱から、ワニが飛び出してきたり、お花が咲いたり、花火が打ち上ったり、というものを作っていたのです。
そうです、何かテーマを決めて、ポリ袋にその絵を描いて、それが箱から飛び出してくる、というものを作るのだったのです。

慌てて隣の席の保護者の方に尋ねましたら、図工の教科書に作品例がたくさん載っていて、それを参考にして、皆さんいろいろ工夫したものを作っていたのです。

みなさんは事前に、図工の教科書に載っている作品例を参考にしながら、親子で何を作るかを相談して、作るテーマを決めてきていらしたのです。

息子も、事前の授業で先生からの話を聞いていて、教科書の作品例も見ていて、家で会話もしていて、自分が作りたいものをきちんと考えていたのだと思いますが、頭が回っていない私が作り始めてしまい、たぶん、久しぶりに会った私に話しをすることができなかったのだと思います。

材料は予備の分がまだあったのですが、新たに作る時間はもうなく、製作の時間は終了となり、子どもたちが一人ずつ前に出て、作ったものを発表する時間になりました。

何を作ったか、どんなところを工夫したかなどを、一人ずつ発表していくのです。

私はただ茫然とするだけでしたが、息子はこの時、予備の材料で、もう一つ、ポリ袋にストローを付けただけのものを一人でさっと作っていました。

そして、息子の発表の順番がやってきました。

息子がどんなふうに発表するのかと、私は青ざめていました。
お友だちはみんな、いろいろと工夫したものを作っているのに、私と息子が作ったものは、何も工夫がされていない、ただのポリ袋が箱から出てくるだけのものなのですから。

私は、申し訳なくてとても見ていられない心境でしたが、息子は前に出ていって、作ったものを一つずつ両手に持ち、「ぼくは ふたつ つくった」と言いました。

先生はもちろん、工夫して作られていないことに気が付いていたと思いますが、そういうことにはふれずに、クラスのみなさんに対して、「二つ作ったんだって!すごいね!」というようなことを言って、その場を上手にフォローしてくださりました。

この時のことは、息子に対して本当に申し訳なかったと思っています。
そして、十数年間ずっと単身赴任をしており、家族に寂しい思いをさせてしまいました。

子どもはあっという間に大きくなります。
このブログを見ていただいている保護者の方々には、お子さんとの貴重な時間を大切にしていただければと思います。

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