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ゲーム中、急に顔を“パンパンッ”と叩く娘。これ何のサイン?

こんにちは!保育士のたくまです。今回も保護者さまから頂いたご相談をもとにお話したいと思います。




「一人でゲームをしていると、急に顔をパンパン叩くんです。ゲーム機の画面に顔を押し当てるようなこともあって⋯これって、どういうことでしょうか?怒っているわけでもなさそうで。顔をパンパンしている時は、本人曰く“気合を入れている”らしいのですが。でも見ていて心配になります。何か心理的なストレスでもかかっているのでしょうか?」




お子さまは真面目で頑張り屋さんな自閉スペクトラム症の小学4年生の女の子。3年生の夏休み明け頃から不登校気味で、学校は行ったり行かなかったりを繰り返しています。




ゲームが好きで、日中は一人でゲームをする時間が増えているそうで。ママと一緒に楽しむこともあって、親子関係は悪くはないとのことです。




今日はこちらのご相談について、「なぜ起きるのか」「どう受け止めたらいいのか」を、考えてみたいと思います。




まず、お子さまの様子からすると、おそらくわざと痛いことをしているわけでも、自分を傷つけたい気持ちがあるわけではないのかなと思います。




おそらくこの行動の背景には、感覚的な内側のしんどさみたいなものが少し溢れているように感じます。




自閉スペクトラム症の子どもたちは、「疲れた」ことを自覚して気持ちを言葉にすることが難しいことがあって。その代わりに、身体を使って自分を落ち着かせようとすることがよく見られます。




これを「自己刺激行動」とか「自己調整行動」と呼んだりするのですが、大人だったらコーヒーを飲んで頭をすっきりさせたり、タバコを吸って落ち着いたりといった行為もこれにあたると思います。




ピンセットでヒゲを抜く、という私の妙なクセというかこだわりもこれに近いものがあると思っていて。「痛気持ちいい」感覚刺激が、ある意味ストレス発散になっている。端から見たら奇妙な行動に見えるかもしれませんが⋯。




話を戻して、ゲーム中というのは実はとても刺激が強い時間です。画面の光、音に集中して、一人でプレイしているとその没入感から“ぼーっと”してくるというか。

 


そうなると、意識をはっきりさせたくて、顔をパンパンしたり、画面に顔を近づけてちょっとひんやりさせたりして、外部の刺激を与え、このお子さんの言う通り“気合い”を入れたくなるのかなと。




私は医者や心理士ではないので詳しくは分かりませんが、爪噛みなどの行為が、何らかの圧やストレスがかかって見られることもあるので、もしかすると、このお子さまも慢性的に何らかのストレスを感じているのかもしれません。




このお子さまの場合、性格的にとても真面目で繊細。学校での評価は「真面目で頑張り屋さん」で、クラスでは目立たない存在だったそう。その反面、お家に帰ると荒れることが度々あって、少しでも注意すると大暴れ。学校を休ませると落ち着いたことから、現在の状態に。





お友達と楽しく遊びたいけど、緊張に包まれて一歩が踏み出せない。心のなかにモヤモヤとした気持ちがずっとあって、それをゲームを通して浄化しているのかもしれません。




ゲームをしている時は心は満たされているけど、ゲームの没入感から、感覚が麻痺してくると、顔を叩く、画面に顔を近づけるといった形で「刺激を入れて整えよう」とする。




行為自体はちょっと気になりますが、「やめなさい!」と注意して行為そのものを消すよりも、なぜその行為が必要だったのかに目を向け、本人の想いに寄り添うことがとても大切じゃないかと思います。




強く止められると、余計に緊張が高まって行き場のない不安が増えたり、別の形で出てしまうことも少なくない。




保育士としておすすめしたい関わり方としては、まずは「静かに見守る」こと。危険性がない範囲であれば、
すぐに止めず、様子を見ることも大切だと思います。




「今、相当集中してるんだな」「疲れがたまってきてるサインかな」そんなふうに受け止めことが必要なのかなと思います。




そして、ゲーム中ではなく、始める前、終わった後のケアがポイントになってくるのかなと。




例えば、終了後に深呼吸やストレッチ、温かい飲み物を飲んだり、少し身体を動かすなど、「終わったあとにクールダウンする流れ」を作ると、 気になる行為が自然と減っていくことも多いです。




そして、行動ではなく“頑張り”に声をかける。行動を指摘するよりも、「集中してたね」「真剣だったね」「疲れるくらい頑張ったんだね」そんな声かけが、心をふっと緩めてくれます。




真面目な子ほど、「認めてもらえた」という感覚が何よりの安心になると思います。




この行動を見て、「このままで大丈夫かな」「将来困らないかな」そんな不安がよぎるのは、それだけお子さんを大切に思っている証拠。




この行動は困りごとではなく、本人の中で今の精一杯の対処法であると考えられます。




私たち大人の役割は、「やめさせること」ではなく「もっと楽な方法を一緒に見つけていくこと」だと思います。




少しずつ、少しずつで大丈夫。今日もお子さまは、目には見えないところで一生懸命がんばっています。その姿を、どうか一緒に見守っていけるといいですよね。
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