こんにちは、発達支援Laboランプです。ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信しています。今回のテーマは「上手な絵の危険性」です。
子どもにとって絵を描くことは、自己表現や想像力を広げる大切な活動です。大人が見本を見せて、子どもが真似して描く…なんて想像しやすい場面ですよね。しかし今回は、大人が上手に描きすぎることにより、時にそれが「子どもの自由な表現を阻害してしまう可能性がある」ことについて考えてみたいと思います。
1,上手な「見本」のリスク
上手な「見本」のリスクについて考えてみます。大人が見本を見せる形で描いた絵があまりにも完成度が高い場合、子どもは「自分には無理」「これが『正解』なんだ」と感じ、自分の描きたいものやスタイルに対して自信を失ってしまうことがあります。特に、まだ自分の表現に対して自信を持てない子どもにとって、大人の技術的な優位さの刺激的な提示は「できない」という感覚を強める要因となるかもしれません。子どもが『正解』に合わせようとするあまり、自分の描き方や発想を抑えてしまい、結果として創造性や自己表現の幅が狭まることも考えられます。
2,周囲の大人に求められるものは「楽しさ」
支援者や保護者に求められるのは、子どもが描く「楽しさ」を見つけ、自分のペースで上達していけるようサポートすることです。大人は「上手さ」よりも「楽しさ」を重視し、子どもの作品に対して肯定的なフィードバックを与えることが大切です。また、上手な見本が悪い、という単純なものでもありません。大人自身が絵を描く際には、あえて不完全な絵や自由な線を見せることで、子どもに「絵に正解はない」というメッセージを伝えることなども有効でしょう。
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第53回「上手な絵の危険性」
支援の背景
24/10/11 21:33