質問されたら「はい」「いいえ」でしか回答ができない/答え方がわからない

「昨日の遠足どうだった?」や「どう思う?」といった、答えのバリエーションがたくさんある質問に答えることが難しい場合は、答えに自信がない・「分からない」と言いづらい・そもそも答え方が分からない、などの原因が考えられます。安心して話せるような問いかけ方の工夫をしてみましょう。

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答えが分からないことは自覚しているけれども、どのようにリアクションしたら良いかがわからない時には、「分からない」というコメントを言えると良いですね。「分からない」というコメントを聞くことで、会話の相手も分かるように説明してくれることが期待されます。
ルール・準備物
紙 ペン
1 3枚の紙に1枚ずつ「はい」「いいえ」「おしえて」と書きます フレーズは、「うん」「◯」「いいえ」「☓」「わからない」「知らない」などでも構いません。お子さんが無理なく使える言葉を選びましょう。
もしかして、困っているときに何て返せばいいのか迷っているのかな?と思ったときは…の画像1 クリックすると別画面で開いて拡大できます
2 お子さんに何か質問をしてみましょう
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最初は「はい」「いいえ」だけで答えられる出題方法にしましょう。また、お子さんが確実に答えがわかる質問からスタートさせていきます。

そして質問に対して、カードを選んでもらったり、声に出して「うん」「ちがう」と答えてもらったりします。

例)「お父さんはメガネをかけている?」「これはくるま?」
3 なれてきたら、質問の難易度をあげましょう
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お子さんが絶対に知らないことや、知りたいけどわからないような内容をクイズのように出題してみましょう。


例)
・箱のなかにおもちゃを隠して、「この箱のなかに何が入っている?」と聞いてみる。
 
・明日のお弁当の中身はなんだ?

・お母さんは何歳?

など。
 
お子さんが答え困っていたらすぐに「わからない」や「おしえて」のカードをお子さんの目の前に置いたり、指差して合図をだしてみましょう。

カードを差し出したり声に出して読むためのサポートをしましょう。お子さんが「わからない」という発信が出来た場合は「そうだね、困ったときはわからないだよね、上手に言えたね!」などと褒めていきましょう。
ワンポイント
質問されたときに黙ってしまうのではなく「わからない」といえるとコミュニケーションがより円滑に、お子さんにとっても建設的なものになりますね。
ほかの工夫
監修者
井上 雅彦 先生
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授 公認心理師 専門行動療法士 自閉症支援士エキスパート LITALICO研究所 客員研究員
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