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子どもの偏食の理由はどこにある?上手にスプーンを使えるようになるには?
偏食で白いごはんしか食べない、スプーンや箸が上手に使えない…。食事に関するスキルや発達についてご紹介します。
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「食べ物の好き嫌いが多い」といった感覚の捉え(味、におい、食感、見た目)に関する悩みごともあると思います。
そんなときは、「どうして出来ない(食べない)のだろう?」そして「どうすれば出来る(食べる)ようになるかしら」と、理由を考えていきたいですね。
そのために、まずは食事に必要な要素を知り、お子さんがどの部分で躓いているかを理解することから始めましょう。
好き嫌いが多い原因を、大きく2つに分けると「感覚の過敏さ」と「食わず嫌い(見た目で嫌と判断してしまう)」があると考えられます。 感覚の過敏さについて 「味」「におい」「食感」が受け入れられない、または「食べ物が混ざると嫌」という場合があります。
「なんとか食べさせようとすると嘔吐した」という場合もあるので、過敏さが原因のときは慣れることでは解消しないこともあるでしょう。
まずは、お子さんが嫌がっている原因を理解することから始めましょう。
シャキシャキっという音が苦手なら煮物にしてみる、など、苦手な部分を調理方法によって変えていき、少しでも受け入れやすい形にできると、口へ入れてくれることもあるかもしれません。 食わず嫌いについて お子さんによっては、本当は好きな味なのに、見ただけでは味や食感が推測できない場合もあります。
また、「この食べ物は、どこで誰がどんな方法で作った」という事がイメージできず「怪しい、不安、嫌」となってしまうことも少なくありません。
食わず嫌いが理由の場合、
「料理のお手伝いをしたら、今ままで苦手だった食材も残さず全部食べられた」というエピソードはよく聞かれますが、これは自分が調理に携わることで「この食べ物はこんな食材から、こうやって出来ているのか」と知り、安心して食べやすくなったと考えることも出来ます。
「食具の操作」の発達は、言い換えると「手の操作」の発達になります。
手の操作が巧妙になればなるほど、複雑な動きが必要な道具も扱えるようになります。
つまり、「お箸の操作が難しい」「スプーンの操作が難しい」とお子さんの難しさに気付いた時は、まだ手の操作の発達に合わない食具を使っている可能性が考えられます。
そこで、食具の操作における発達段階をおおまかに示します。
「手づかみ」から「スプーンを握る」へ ここでは「道具の操作」がキーワードとなります。
子どもの発達段階は、まずは「手で直接操作する」ことから始まりますが、徐々に「道具を介して物を操作する」という遊びに発展していきます。
例えば、砂場での遊びであっても「手で砂を直接触って楽しい」から「スコップで砂を掬うことが楽しい」へと発展していきます。
なかなか手から道具へと進めないとき、
無理にスプーンを持たせて練習するよりも、手づかみ食べを許容するとともに、遊び場面でも手に直接触れて操作する遊びをふんだんに行うことが良いかもしれません。
早く次のステップへ進みたいという焦りもあるかと思いますが、次へ向けた積み重ねをしていると捉えたほうが、近道になるかもしれません。 「スプーンを握る」から「お箸」へ ここでは、「手の分離運動(3対2の法則)」がキーワードとなります。
細かい操作を行うためには、私たちの手は、主に3対2に役割分担されます。
それは、「親指・人差し指・中指」の3本と「薬指・小指」の2本です。
例えば、鉛筆で文字を書くとき、自動販売機にお金を入れるとき、私たちは「親指・人差し指・中指」を動かし、「薬指・小指」は支えに使います。
この役割分担が上手くできると、手で操作できるものの幅が広がってきます。
発達の順番でみると、「支え」に使う「薬指・小指」の安定が先に発達します。これは、ハイハイ、手押し車、ジャングルジムなどを通して育まれます。
また、「動き」に使う「親指・人差し指・中指」は、薬指・小指の安定があって初めて活躍することができます。
なので、薬指・小指が安定しないと、全ての指で安定感を保とうと、スプーンを握り込む形になるのです。
まずはダイナミックな遊びを通して、「薬指・小指」の安定を育みましょう。
その上で、コイン入れ・ブロック・粘土などの細かい遊びを通して、「親指・人差し指・中指」の動きを育むのが良いかもしれません。
偏食や好き嫌いも、無理に挑戦させてしまうとかえって苦手になる場合もあります。
また、道具の操作は、無理に練習させるよりも各指の安定や発達が大切です。
様々な手を使った遊びを生活の中に取り入れ、たくさん遊ぶのが良いでしょう。
お子さんが安心して挑戦できるよう、工夫をしてあげたいですね。 偏食・好き嫌いが激しい−親子のヒントより ※記事中の画像はイメージです
監修者
高畑 脩平
先生
白鳳短期大学 リハビリテーション学専攻 作業療法学課程 講師
奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員
奈良県障害者総合支援センター
作業療法士
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