私の説明がいけないの?ルールや協調性を重んじる学校の方針に私は…

ところが、候補にあげていたすべての私立中学でICT機器を使うことは認められない、という返事が返ってきました。

理由として出たのが以下です。

・みんなが手書きでノートをとっている中、1人だけ機械を使わせるわけにはいかない
・他の子との間に不平等感が生まれる
・テストのときに機械を持ち込まれては困る…

中には「入学するまでに字の練習をして、書けるようにしておいてください」という学校までありました。

この言葉を聞いたとき、教育の現場には障害への理解がこんなにないんだ…と、本当にがっかりしてしまいました。

それでも気持ちを立て直して、「目の悪い子がめがねをかけたり、足の不自由な子が車いすに乗ったりするのと同じで、字が書けないのは障害であって練習してできることではありません」と、食い下がりました。

しかし学校には「めがねや車いすとは違います」と、けんもほろろに言われ、全く相手にしてもらえませんでした。

今思えば、理解のない相手にいきなりICT機器の話をした私のやり方は間違っていたのかもしれません。

でもその時の私は、障害による苦労をわかってもらえないやりきれなさとともに、母親として、息子のために何もできない自分が悔しくて仕方ありませんでした。

障害を理解してもらうことは難しい。しかし、希望はゼロではなかった

学習障害の息子の中学校選び。配慮をお願いするも、現実は厳しく…の画像
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10367007247
しかしその一方で中には、

「機械を使うのは無理ですが、本人ができるだけ過ごしやすいようお母さんと協力しながら工夫していきましょう
「授業時間内に課題が終わらなかったら、配慮するようにしましょう」

と言ってくれた中学もありました。もし合格していたなら、こんな中学校に行かせたかったと思います。

現在息子は、地元の公立中学に在籍してフリースクールにお世話になっています。

中学・高校は、「書く」という作業がとりわけ多い年代です。最近、公立の大学では受験の際に視覚認知障害への配慮をしてくれるところもあると聞きますが、一般的な理解はまだまだと感じています。

「字を書くことが苦手」というだけで子どもの可能性が狭められてしまうのは、子どもにとっても社会にとっても、とてももったいないことだと感じています。

異質なものを排除するだけでなく、その中には大きな可能性があるのだと、学校や社会にも気づいてもらえるよう、私にもできることをしていきたいと思います。
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