PDD-NOSは治療できるの?

PDD-NOSの根本治療はできませんが、症状を緩和するためには療育的アプローチ薬物療法の2つが効果的です。

療育

療育とは、障害のある子どもが社会的に自立できるように行う、治療と教育を組み合わせた発達支援の取り組みのことです。自分の問題を自分で解決できるようになるには、療育によりコミュニケーションスキル等の能力を身につける必要があります。

療育は何歳からでも始めることができ、なるべく早くから通うことで、その子に合った学び方や人との関わり方を見つけやすくなります。
療育とは医療、訓練、教育、福祉などの現代の科学を総動員して障害を克服し、その児童が持つ発達能力をできるだけ有効に育て上げ、自立に向かって育成することである。
(出典:療育と教育の接点を考える|障害保健福祉システムHP)
出典:https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r055/r055_018.html

薬物療法

PDD-NOSそのものを根本的に治す薬はありませんが、特定の症状を緩和するために使用することがあります。薬によって開始できる年齢や症状が決まっており、人によって副作用がある場合もあるので、主治医とよく相談し、用法用量を守って服薬していくことが大切です。

薬物療法は、症状を一時的に抑えるためのものであり、症状が軽減している間に、その子の課題に応じた支援を行い、自分に合った学び方や人との関わり方の獲得を促していくと効果的であるともいわれています。
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PDD-NOSの場合、障害者手帳は取得できるの?

障害者手帳の取得により、就職時に障害に応じた配慮を受けやすくなったり、税金面での控除医療費助成を受けたりすることができます。

取得できる手帳の種類

・療育手帳
診断されただけでは療育手帳付与の対象とはなりません。しかし、療育手帳を申請し、知的障害を有すると認められた場合は療育手帳が取得できます。
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・精神障害者保健福祉手帳
精神神経症状をともなう発達障害は、精神障害者保健福祉手帳の交付対象となります。そのため、PDD-NOSの症状によって、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約があると認められた場合は、精神障害者保健福祉手帳を受けることができます。
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もし、知的障害(知的発達症)と精神障害のどちらも有すると判断された場合は、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳を両方取得することは可能です。
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まとめ

PDD-NOS(特定不能の広汎性発達障害)は、早めに症状に気づくことで、療育や通院といった専門的な支援につながりやすくなります。

お子さまの発達に何か違和感を覚えた段階で、お住まいの地域の発達障害者支援センターなどの相談窓口に連絡を取ることをおすすめいたします。

専門家や支援機関のアドバイスも参考にしながら、子どもの課題に応じた支援を受け、その子らしい学び方、過ごし方を身につけることを応援していきましょう。
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