ソーシャルスキルは測れるの?ソーシャルスキルトレーニング(SST)の方法や実施機関まとめ【専門家監修】

ライター:医師・専門家監修|発達障害・支援のキホン
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11021000353

ソーシャルスキルとは、他人と良い関係を築き、社会に適応するために必要な能力のことです。ここでは、発達障害との関係や尺度から、ソーシャルスキルを育むソーシャルスキルトレーニング(SST)の基本的な流れまで詳しく説明いたします。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
目次

ソーシャルスキルとは?

ソーシャルスキルとは「対人関係や社会生活を営むために必要な技術・能力」のことをいいます。

ソーシャルスキルとは、具体的にはどういう能力?

以下に、ソーシャルスキルの具体的な能力の一部について紹介していきます。

【子どもの場合】
・自分の意見を適切に主張できる
・自分の感情を上手に表現できる
・計画を立てて問題を解決できる
・仲間と良好な関係を構築できる
・ルールを守ることができる
など

【大人の場合】
・他人と関係を構築できる
・相手の気持ちを察することができる
・自分の気持ちを伝えられる
・自分の感情をコントロールできる
・対人関係を維持できる
・表情や身振りで自分の感情を上手に伝えることができる
など

ソーシャルスキルは測れるの?

ソーシャルスキルの測定については自己評価や他者評価などいくつかの尺度が開発されています。また適応行動を評価する尺度の中には、社会性を検査する項目もあります。しかし、尺度の評定と実際の行動には、ギャップがあります。このためソーシャルスキルを正確に評価するには、専門家の判断が重要になります。

お子さんや、自分自身のソーシャルスキルが気になる場合は、精神科、心療内科などの医療機関や専門機関に相談することをおすすめします。

■専門機関
【子どもの場合】
・保健センター・子育て支援センター
・児童発達支援事業所
・発達障害者支援センター
・児童相談所 など

【大人の場合】
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・相談支援事業所 など

児童相談所などでは無料で知能検査や発達検査を受けられることも多いです。自宅の近くに相談センターがない場合には、電話での相談にのってくれることもあります。

ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは?

ソーシャルスキルを育むための支援方法としてソーシャルスキルトレーニング(SST)というものがあります。

発達障害がある子どものソーシャルスキルトレーニング(SST)では、「あいさつができる、友達と仲良く遊べる、人の話が聞ける、自分の気持ちを伝えられる、気持をコントロールできる、トラブルが起きたときにどうすればいいか分かる」などを目標にトレーニングをすることが多いです。

ソーシャルスキルトレーニング(SST)の具体的な方法

基本的には、以下のステップを踏んで進行していきます。

1.教示
スキルが必要な理由や、身につけるとどのようなメリットがあるかについて言葉や絵カードなどを使って伝えます。

2.モデリング
お手本を示したり、不適切な例を見せてどうすればいいか考えてもらいます。

3.リハーサル
先生や保護者などを相手にロールプレイします。

4.フィードバック
子どもが適切な行動ができたらほめ、不適切な場合はどうすればよかったのかを分かりやすく伝えます。

5.般化
学んだスキルを、実際の場面でも発揮できるようにしていきます。社会生活の中でスキルを発揮できるよう、園や学校などとの連携、協力も大切です。

ソーシャルスキルトレーニングのポイント

ソーシャルスキルトレーニング(SST)を行うためには気をつけたいポイントがあります。ここではそのうちの2つをご紹介します。

・ほめる
楽しみながら自然に社会性を身につけていくためには、できないことを叱るのではなく、できたことを認めてほめるということが重要なポイントです。

・スモールステップを踏んでいく
ソーシャルスキルトレーニングを必要とする人は、生まれてから育っていく中で自ら周りの人を観察して、社会性を身につけていくのが苦手です。そのため、一般的に当たり前だと思われる会話や行動・思考が自然にできないケースが多く見られます。

同時に、その人がそれまで積み上げてきた「当たり前」も存在します。その当たり前を変えるのには長い時間と、多くの小さなステップを踏まなければなりません。指導する側に立つ人間は、長い目で物事をとらえ、ゆっくりと成長を見守っていく姿勢が必要なのかもしれません。
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どこで受けられるの?

ソーシャルスキルトレーニング(SST)は特別支援学校や特別支援学級、通級指導教室などの特別支援教育や医療機関、児童発達支援や放課後デイサービスなどさまざまな場所で行われています。

とはいえ、ソーシャルスキルトレーニング(SST)は、専門機関や学校でしかできないわけではなく、家庭でも、日常生活のさまざまな場面で行うことができます。
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家庭でソーシャルスキルを育てるには?

「言葉で適切な行動を教え、次にお手本を示し、ロールプレイする、最後に評価する」という流れを意識的に行えば、家庭でも日常的に取り入れることができます。

以下に、自分でソーシャルスキルトレーニング(SST)に取り組む際に参考になる書籍をいくつか紹介します。
自閉症スペクトラムの子のソーシャルスキルを育てる本 幼児・小学生編
本田 秀夫 (監修), 日戸 由刈 (監修)
講談社
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CD-ROM付き 特別支援教育をサポートする ソーシャルスキルトレーニング(SST)実践教材集
岡田 智 (著), 中村 敏秀 (著), 森村 美和子 (著), 岡田 克己 (著), 山下 公司 (著), 上野 一彦 (監修)
ナツメ社
Amazonで詳しく見る
子どもの発達障害とソーシャルスキルトレーニングのコツがわかる本
西永 堅 (著)
ソシム
Amazonで詳しく見る
子どもが思わず動きだす! ソーシャルスキルモンスター
イトケン太ロウ (著), 小貫 悟 (監修)
東洋館出版社
Amazonで詳しく見る

まとめ

ソーシャルスキルの不足によって、人との接触が減ったり、失敗体験を積むことが増え、孤独感を感じたり、うつなど二次障害につながってしまうこともあります。

そのため、ソーシャルスキルに不安を感じた場合は、専門機関に相談することをおすすめします。その結果、もしソーシャルスキルが低いとされた場合でも、ソーシャルスキルは学ぶことで身につけることもできます。専門家や支援機関のアドバイスも参考にしながら、課題に応じた支援を受け、一人ひとりにあった学び方、過ごし方を身につけることを応援していきましょう。
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