「困った」を減らす!ABA(応用行動分析)のメリットを解説【公認心理師・井上雅彦先生にきく】
ライター:発達障害のキホン
「ABA(応用行動分析)療育とは?」「どんなメリットがあるの?」──どこに相談したらいいのか悩んだとき、専門の先生の解説があると心強いですよね。ここでは「ABA(応用行動分析)療育のメリット」について、鳥取大学 大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生が分かりやすく教えてくれます。(取材/LITALICO発達ナビ編集部)
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析)とは?
応用行動分析学、通称「ABA」(Applied Behavior Analysis)とは、人間の行動を個人と環境の相互作用の枠組みの中で分析、実際に社会でのさまざまな問題の解決に応用していく理論と実践の体系です。
ABA(応用行動分析)療育のメリットは?
Q:ABA(応用行動分析)療育とはどのような療育なのでしょうか。ABA(応用行動分析)療育のメリットなども知りたいです。
A:多くの研究でABA療育を行うことによって、コミュニケーションや言語や認知の発達などが報告されています。
A:多くの研究でABA療育を行うことによって、コミュニケーションや言語や認知の発達などが報告されています。
ABA(応用行動分析)療育はASD(自閉スペクトラム症)の早期療育に関して、エビデンスのある方法として知られています。基本はセラピストと1対1で、行動原理に基づいて、コミュニケーションや認知、生活スキルなどさまざまなプログラムが行われます。
ABA療育は「社会生活上の困難」を減らし、望ましい行動を増やしていくことでQOL(生活の質)を向上させることを目的としています。
例えば困った行動をなくすためには
1.原因の理解・特定
2.適切な手法を知る
3.その手法を実施し、効果があるかどうかを記録
4.効果があれば継続し、効果がなければ、その手法を改善する
ことが重要とされています。
また、子どもが学習に集中できない場合は、スケジュールなどをあらかじめ教えて見通しが持てるようにしたり、学習場所の環境を整えたり、保護者や教師などの声掛けや行動を変えることで、子どもが適切に行動できるよう引き出していきます。
最近では、「発達行動介入」と言われる日常的な遊びや人と関わる場面でコミュニケーションの基礎的スキルを学んでいくプログラムも広まってきています。ABA療育は早期から開始することが理想ですが、状況に合わせて無理なく続けていけるように、子どもやご家庭に合ったペースで進めていくことが大切です。
ABA療育は「社会生活上の困難」を減らし、望ましい行動を増やしていくことでQOL(生活の質)を向上させることを目的としています。
例えば困った行動をなくすためには
1.原因の理解・特定
2.適切な手法を知る
3.その手法を実施し、効果があるかどうかを記録
4.効果があれば継続し、効果がなければ、その手法を改善する
ことが重要とされています。
また、子どもが学習に集中できない場合は、スケジュールなどをあらかじめ教えて見通しが持てるようにしたり、学習場所の環境を整えたり、保護者や教師などの声掛けや行動を変えることで、子どもが適切に行動できるよう引き出していきます。
最近では、「発達行動介入」と言われる日常的な遊びや人と関わる場面でコミュニケーションの基礎的スキルを学んでいくプログラムも広まってきています。ABA療育は早期から開始することが理想ですが、状況に合わせて無理なく続けていけるように、子どもやご家庭に合ったペースで進めていくことが大切です。
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