3歳児に表れることの多いASD(自閉スペクトラム症)の特性による症状

3歳児ASD(自閉スペクトラム症)チェックリスト
3歳児ASD(自閉スペクトラム症)チェックリスト
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※発達や成長に加え症状や特徴には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにASD(自閉スペクトラム症)と診断されるわけではありません。

受診の目安や、療育への手続き、保護者ができることなど

相談・受診の目安は?

集団行動も増えるため、気になる言動が目立つ時期ともいえます。保護者や先生から見て、生活するうえでの困難さや気になる行動があった場合は、早めに相談・受診しましょう。

どこで相談・受診すればいい?

市区町村の保健師・保健センターなどに相談してみましょう。また児童精神科、自治体や民間の子育て支援窓口、療育機関などでも相談は可能です。園に通い始める子どもも多いので、先生に園生活の様子やどこで相談できるかを聞いてみてもいいでしょう。

療育ってどうやって受けられるの?

3歳児健診時や集団生活が始まり、先生からの指摘や紹介で療育に通うことを考え始める保護者も多いのではないでしょうか。子どもの発達には個人差があるため、何歳で必ずこの特性が出る、というものではありませんが、早い段階で気づけばその子どもに合った療育を早期にスタートすることができます。

療育とは、「障害のある子どもに対してそれぞれの特性に応じた身体的・精神的機能の発達を促し、日常生活や社会生活を円滑に営めるように行うもの」です。

療育(発達支援)には、自治体などの管轄の公的機関で行うもののほかに、民間の施設などで行うものがあります。大学病院など一部の医療機関ではOT(作業療法)やST(言語療法)などを行っている場合もあります。

自治体のほか、民間の施設の中にも公費で受けられる発達支援を提供しているところがあります。この支援は「通所受給者証」(※)を所持していると利用でき、利用料金の助成を受けることができます(基本的に1割負担となりますが、満3歳になって初めての4月1日から3年間は無償となります。また、家庭によって上限額が異なります)。

療育では子どもにだけでなく、保護者にも日頃どのような対応や声掛けをすれば良いのかも教えてくれます。
療育は子ども自身の生活QOLやスキルを上げるだけでなく、日常生活における親子で抱える困難やストレスを軽減することにも繋がります。

※福祉サービス等を利用するために発行される証明書のこと。自治体に申請して、審査のうえ発行される。日数(支給量)や、月額の利用料の上限額(上限負担額)が記載されている。
参考:小林 勝年, 儀間 裕貴, 北原 佶著「エビデンスに基づく療育・支援とは何か」『子どものこころと脳の発達』2020 年 11 巻 1 号 p. 3-10
https://doi.org/10.34572/jcbd.11.1_3
参考:共に歩む親たちのための家族支援ガイドブック|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/jiritsushien_project/seika/research_09/dl/result/01-03a.pdf
ASD(自閉スペクトラム症)にとって、早期発見、早期療育はとても重要です。社会面・情緒面で大きく伸びる3歳前後で早期介入・支援をスタートすると、社会的なスキルやコミュニケーション能力が向上する場合もあります。

成長や発達に個人差はありますが、保護者だけでなく子どもに関わる人からの情報をもとに、相談や受診につなげることが大切です。

(監修:新美先生より)
園での集団生活が始まる3歳児では、保護者も周りと比べて焦ってしまうことが増えるかもしれません。ですが、3歳ごろのお子さんにとって大事なことは、不安に圧倒されたりストレスを感じすぎずに、自分なりの好奇心を満たして楽しく日々を過ごせるかだと思います。興味がほかの子と少し違っていたり、ほかの子はストレスに感じないことがストレスになるのだとしたら、お子さんのタイプをよく見極めてお子さんに適した育て方をするために、療育という場を上手に使っていけるといいかもしれません。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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