Q.就労移行支援事業所に通って良かったこと、大変だったことは?
良かったこと、大変だったこと、どちらもありました。
良かったこと
- 社会人としてのスキルを学べたこと:敬語の使い方や、頭を下げる前に挨拶の言葉を述べる「分離礼」といったビジネスマナーなど、家庭ではなかなか教えるのが難しい内容も、事業所で丁寧に指導していただけました。
- 強迫性障害への配慮:息子には強迫性障害があるため、指示の仕方にも配慮が必要でした。事業所では「作業後の指差しチェックは2回までにする」といったルールを設けてもらうなど、個別の配慮をしてくださり、強迫性障害が悪化することはありませんでした。
- 第三者からの言葉の力:「体調が悪いときは休む」という社会人としての判断力も求められます。親が言うと喧嘩になってしまうようなことも、第三者である支援員さんが伝えてくれると、息子は素直に受け入れてくれました。
以下は、事業所の支援員の方が息子についてまとめてくださったプロフィールです。どのような特性や配慮事項があるかを丁寧にまとめてくださって感激でした。
※このプロフィール画像は、就労移行支援事業所の承諾を得て掲載しています。
大変だったこと
- 就職活動時期の緊張感:就職が決まれば年度途中でも卒業となるため、誰かが卒業していく姿を見るたびに、息子から「僕はいつ卒業できるの?」「僕の送別会はいつ?」と聞かれ、切ない気持ちになることもありました。
- 家庭でのフォローとのバランス:個別支援計画では「発言や質問が長く分かりにくい」と指摘されていましたが、家庭は安息の場であるべきだと考え、家ではあまり指摘せず、練習もしませんでした。事業所と家庭での役割分担をどうするか、常に考えていました。
就労移行支援事業所に通うことで、息子は少しずつ社会人として必要なスキルを身につけ、親である私も、息子の特性に合った支援のあり方や、親としてどこまで関わるべきかについて学ぶことができました。
次回は、いよいよ第6回(最終回)です。就労移行支援を卒業し、働き始めた息子。就労移行支援事業所からの定着支援を含めてお話しします。
執筆/立石美津子
(監修:渡部先生より)
事業所が作成した息子さんのプロフィール、得意なことや配慮してほしいことについてまとめてあって、採用を検討する企業にとっても非常に参考になりますね。就労移行支援事業所の大きなメリットの一つだと思います。
原則2年間の利用期間の途中で就労が決まっても、何らかの理由で退職してしまった場合、再度就労移行支援事業所を利用することも可能です。例えば最初は1年2か月で就労が決まった場合は、あと10か月残っているので、その期間利用できます。自治体に申請して認められれば、さらに最大1年延長できるのも同じです。この期間内であれば、3回目、4回目の利用もできます。
また、すでに利用期間を過ぎていても、再就職にあたってさらに就労移行支援事業所を利用したい場合、期間のリセットが認められることもあるようです。ただしあくまで自治体の判断で、認められるとは限らないので、基本的には原則の2年間での一般就労を目指したいですね。
(監修:渡部先生より)
事業所が作成した息子さんのプロフィール、得意なことや配慮してほしいことについてまとめてあって、採用を検討する企業にとっても非常に参考になりますね。就労移行支援事業所の大きなメリットの一つだと思います。
原則2年間の利用期間の途中で就労が決まっても、何らかの理由で退職してしまった場合、再度就労移行支援事業所を利用することも可能です。例えば最初は1年2か月で就労が決まった場合は、あと10か月残っているので、その期間利用できます。自治体に申請して認められれば、さらに最大1年延長できるのも同じです。この期間内であれば、3回目、4回目の利用もできます。
また、すでに利用期間を過ぎていても、再就職にあたってさらに就労移行支援事業所を利用したい場合、期間のリセットが認められることもあるようです。ただしあくまで自治体の判断で、認められるとは限らないので、基本的には原則の2年間での一般就労を目指したいですね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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