外での食事をいやがる

外でのお食事は特別で楽しいものですが、「場所見しり」のある子にとっては緊張の連続です。お子さんと一緒に安心して楽しく外食ができるようにひと工夫してみましょう。

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見た目にこだわるなど、視覚情報を手がかりにしている場合「いつもの食器や盛り付けでないと食べられない」という事もあります。

また、自分の決まった席や決まった場所(自宅・特定のレストランなど)にこだわり、食事ができない場合もあります。

食べることを目的とするのであれば、園や学校では、自宅の食器と同じものを使用してみましょう
普段から「見た目」を頼りに判断しているから、いつもと違うと困ってしまうのかな?と感じるときは…の画像1 クリックすると別画面で開いて拡大できます
私たちは視覚情報から、他の感覚情報も得ています。

「りんごは赤くて丸い」といった視覚情報以外に、つるつるしている、かたさ、重さ、におい、味、シャキっという音など、色んな感覚情報を受け取っています。

なので私たちは、例えばカレーライスをどこで食べても、違う食器に入れても、どんなスプーンで食べても、「カレーライス」と認識できます。

しかし、視覚以外の感覚情報がうまく受け取れない場合、視覚のみを手がかりとして判断していきます。すると、見た目が変わると「別のもの」と捉えてしまう可能性があるのです。

この場合、おそらく食事だけでなく、他の場面でも視覚的変化を好まない様子はあるかもしれません。

もし、そうであれば「同じものだから食べようね」と無理に挑戦するよりも、食事の場面だけは同じ食器に統一してあげるのもスムーズに生活をする上で1つの手段です。
日常のなかでは、身体をつかった遊びを取り入れてみましょう
普段から「見た目」を頼りに判断しているから、いつもと違うと困ってしまうのかな?と感じるときは…の画像2 クリックすると別画面で開いて拡大できます
見ただけで、「つるつる(触覚)だな」と分かるのは、「触ってみた体験」(感覚運動の体験)と視覚情報が統合されている状態です。

公園の遊具や、山登り、川遊びなど自分の体を通して「感覚運動の体験」を積んでいきましょう。
視覚とその他の感覚が統合されていきます。
お子さんが受け入れられる範囲での変化をつけていきましょう。
普段から「見た目」を頼りに判断しているから、いつもと違うと困ってしまうのかな?と感じるときは…の画像3 クリックすると別画面で開いて拡大できます
同じ色で形が少し違う食器、同じメニュー、盛り付けで食器が少し違う、など少しずつ変化を取り入れてみましょう。

その日のメニューはお子さんの好きなものにするなどして、お子さんにとってのストレスが少ない状態で1点だけ挑戦するようにしてあげましょう。

食事ができたら、「いつもと違う食器で食べられたね、すごいね」と思いっきりほめてあげましょう。

ほかの工夫
監修者
高畑 脩平 先生
白鳳短期大学 リハビリテーション学専攻 作業療法学課程 講師 奈良教育大学特別支援教育研究センター 研究員 奈良県障害者総合支援センター 作業療法士
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