長短・大小・速遅などの形容詞が分からない

形容詞って抽象的で、言葉では教えづらいですよね。身体やおもちゃを使いながら、体感して覚えることで、イメージがしやすくなります。

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大きさや長さ、多少などは相対的な概念です。
A>B>C という関係の場合、AとBを比べると、Bは「小さい」となりますが、
BとCだとBは「大きい」になります。
したがって、3種類以上の刺激を用います。
なお、目標とする属性以外は同じにしたほうが分かりやすくなります。
1 3つの異なる大きさの丸が書かれたカードを作ってみましょう
言葉は知ってるけど、比較できてないのかな?と思ったら…の画像1 クリックすると別画面で開いて拡大できます
特に学び始めは、大きさが極端に違うものを用意しましょう。

大きさの違いだけに注目できるよう、丸の色や、カードの大きさ、背景の色などは全て統一しましょう。


大小、長短、重い軽い、多い少ない、などの概念を学びはじめるときは「ゾウは大きい」「アリは小さい」とわかりやすく伝えることが大切です。

そして、次のステップは「比較概念である」と理解していくことになります。

例えば、真ん中の丸は、左の小さい丸と比べたときは「大きい」ですが、右の大きな丸と比較したときには「小さい」に変わります。

この違いに迷うお子さんはとても多いので、学ぶ際には必ず3つ以上で比較しながら学ぶようにしましょう。
2 3枚のカードのうちの2枚をピックアップして大小関係を質問していきましょう 2枚のカードをお子さんに見せます。

「大きい、どっち?」
「大きい丸、タッチ!」
「どっちが大きい?」

など、お子さんの語彙力に合わせたフレーズで質問しましょう。
ワンポイント
お子さんの理解が進んだと感じたら、様々なアイテムで取り組んでみましょう。例えば、お絵かきの途中で「大きい太陽かいて」と言ってみたり、お手伝いをしてもらいながら「大きいコップとって」と伝えてみるのも良いでしょう。長い、短いを学びたいときも同じようにしてみると良いでしょう。
ほかの工夫
監修者
井上 雅彦 先生
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授 公認心理師 専門行動療法士 自閉症支援士エキスパート LITALICO研究所 客員研究員
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