困っていることを、自己主張できない

黙っていたり、ぼーっとしていたり、立ち往生したりするときに様子を見にいくと実は困っていた・・・こんな経験はありませんか?困っていることがあっても、助けて欲しいと伝えられない場合は、お子さんの取り組みやすい活動から助けを求める練習をしましょう。困りを伝えやすくする手助けの仕方をご紹介します。

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「どうしたの?」ときかれても答え方がわからず、伝えることができない場合もあります。そんなときは「どうしたの?」に対して、答えやすい困り事をわざとつくりだして、答え方やフレーズを学んでいきます。
1 「◯◯がない、どこ?」「手伝って」などの言葉を引き出せる機会を少し作ってみましょう 例えば、お子さんが着替えるとき、いつもボタンは大人が手伝っていても少し手伝うのを控えて間をもたせます。
お子さんが「あれ?」となったら「どうしたの?なにか困ってる?」と問いかけてみましょう。

「ボタン」や「これ」という発信があったら「そっか、ボタンやってほしいんだね。『ボタン、やって』だよ」と一度発信内容を汲み取り次に要求表現のモデルを伝えましょう。


要求表現に慣れてきたら、様々な生活場面に取り入れてみましょう。
食事の際にお箸を置き忘れてみたり、玄関に靴が片方しか出ていなかったりと「あれ?」という機会を少しだけ作ってみるのも良いでしょう。

また、表現はシンプルなもので構いません。
最初から「◯◯してください」というフレーズを言ってもらうのではなく「◯◯、ほしい」「◯◯、やって」「◯◯ちょうだい」などお子さんが言いやすいような言葉にすると良いでしょう。
どうしたの?と言われたとき「これ…」が精一杯。自分でお願いしたり質問するのが苦手なときは?の画像1 クリックすると別画面で開いて拡大できます
どうしたの?と言われたとき「これ…」が精一杯。自分でお願いしたり質問するのが苦手なときは?の画像2 クリックすると別画面で開いて拡大できます
ワンポイント
「どうしたの?」と言われて困っている状況と要望をセットで伝えることができるようになることで、困った状況を他者に助けてもらいやすくなります。困っている状況の説明だけになってしまいがちなお子さんの場合は、もう一歩踏み込んでどうして欲しいかを伝えてもらうように促してみましょう。
ほかの工夫
監修者
井上 雅彦 先生
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授 公認心理師 専門行動療法士 自閉症支援士エキスパート LITALICO研究所 客員研究員
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