「18歳の壁」を越えていく、すべての子どもたちへ

就労移行支援の現場では、一度就職しても早々に離職し、再び移行支援事業所に戻ってくる人も少なくありません。急いで社会に出ることが、必ずしもゴールではないのだと感じています。

息子もかつては「僕はいつ卒業できるの?」と、企業へ就労していく仲間たちを指をくわえて見ていた時期があり、親としてはとても切ない思いをしました 。
ですが結果的に、息子は就労移行支援事業所で3年間しっかりと訓練を受け、働くための土台を固めました。だからこそ、3年間継続して働き続けることができ、今もなお成長を続けています。現在進行形で頑張れていることは、本当に良かったと思います。

息子の歩みが、今まさに「18歳の壁」に直面し、不安の中にいる親御さんたちの参考となれば幸いです。

執筆/立石美津子

(監修:渡部先生より)
立石さん、就労移行支援の6回コラム、執筆ありがとうございました。息子さんの実体験を元にした内容で、移行支援事業所の役割、企業との連携、就労までの実情が具体的にイメージできる、とても分かりやすい連載だったと思います。

コラム内では、就労に関する制度として就労定着支援制度と障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)を紹介していただきました。その他の制度として、地域障害者職業センターがあります。障害のある方から就職に関する不安や悩みを聞き取り、今後改善していく課題を把握。個人にあわせたサポート計画を立てて、講座やグループワークを通じて就職に必要なスキルの習得に取り組みます。全国47都道府県にそれぞれ1ヶ所以上設置されています。

また、国の制度以外に独自の取組みを行っている自治体もあり、例えば東京都では障害者就労支援センター、神奈川県では地域就労援助センターが、障害者の就労支援を行っています。

立石さんの息子さんは、「3年間継続勤労者の表彰イベント」で自ら意見を述べられたりして、成長した姿が素晴らしいですね。もちろん、これからもさまざまなハードルに直面したり、どうしても乗り越えられなかったときは職場を離れるという可能性だってあるでしょう。でも、現在の就労先での継続的な支援や、離職したとしてもまた次のステップに移るための支援機関など、手厚いサポートがあります。障害者のみなさんが、それぞれの特性を生かして、希望する働きの場、日中活動の場で生き生きと活躍されることを願っています。
第1回の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030639
第2回の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030670
第3回の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030678
第4回の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030710
第5回の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030719
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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