障害のある子の「親なきあと」どう考える?任意後見・信託・きょうだい・居場所づくりまで【7家族の事例】

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「親なきあと」の備えについて、障害のあるお子さんを育てる7つのご家庭にお話を伺いました。お金や住まい、きょうだいのことなど、それぞれのご家庭のお悩みと試行錯誤から、ヒントを探してみませんか。

「親なきあと」の課題と、ご家庭に合わせた備えのヒント

障害のあるお子さんを育てる保護者の方にとって、いつか必ず訪れる「親なきあと」のお子さんの暮らしは、気がかりで切実な課題です。

「お金はどれくらい必要か」「将来どこで暮らすのか」「きょうだいに負担をかけないか」「誰がサポートしてくれるのか」など、悩みはご家庭ごとに異なります。日々の生活が忙しく、先のことまで具体的に考えられないという葛藤を抱える方も少なくありません。

しかし、今回お話を伺ったさまざまなご家庭のリアルな言葉や工夫を見ていくと、不安を安心に変えていくための共通したヒントが見えてきます。

  • お金(家族信託・生命保険・任意後見など)と環境(グループホーム体験・自立練習など)の両面からバランスよく備えること
  • 1つのやり方に縛られず、家族の状況やお子さんご本人の希望に合わせた柔軟な選択肢を模索すること
  • 家族だけで抱え込まず、専門家のアドバイスや周囲の力、制度を上手に活かしながら安心できる環境を整えていくこと

今回は、さまざまな状況にある7つのご家庭の「今とこれから」を取材した記事をまとめました。まずはご自身のお悩みに近いテーマからチェックしてみてください。

18歳前の準備(任意後見・信託・必要な金額)

「任意後見(たすき掛け後見)を18歳前に契約。お金を残すだけでなく、娘の意思をしっかり汲んでくれるチームをつくりたい」

障害(身体1級・知的3度)のある娘さん(19歳)を育てるご家庭の事例です。グループホーム費用や成年後見のコストを見据え、障害年金や手当て以外に「月々3〜4万円(30年で2,000万円ほど)」をどう遺すかを検討。18歳前に、任意後見である両親のたすき掛け後見を結び、将来の遺言や福祉型信託も見据えながら、今できる備えを1つひとつ進める様子が語られています。
【保護者に聞く「親なきあと」の今】重度障害がある娘の将来に必要な金額は?18歳までに任意後見、遺言や信託の準備も考え始めてのタイトル画像
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【保護者に聞く「親なきあと」の今】重度障害がある娘の将来に必要な金額は?18歳までに任意後見、遺言や信託の準備も考え始めて

きょうだいへの配慮(自立練習と適切な距離感の保ち方)

「きょうだいには自分の人生を歩んでほしい。極力負担をかけないよう、今からショートステイで練習をしています」

重度障害のある長男(21歳)と定型発達のきょうだいがいるご家庭。きょうだいに頼らない姿勢を持ちつつ、長男が環境の変化につまずかないよう、放課後等デイサービスから生活介護・ショートステイまで一貫した法人サービスを活用。将来のグループホーム入居を見据え、ショートステイで練習を少しずつ重ねる、等身大のステップが参考になります。
【保護者に聞く「親なきあと」の今】きょうだいにはそれぞれの人生を。重度障害がある長男の支援の選択とショートステイでの自立練習のタイトル画像
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【保護者に聞く「親なきあと」の今】きょうだいにはそれぞれの人生を。重度障害がある長男の支援の選択とショートステイでの自立練習

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きょうだい・相続対策(障害の程度が異なるきょうだいと資産管理)

「長男には長男の人生を大切にしてほしい。金銭管理をお願いするとしても、無償ではなく『お金を払いながら頼める仕組み』にしたい」

中度・重度の知的障害(知的発達症)がある下の子2人と、定型発達の長男(21歳)を育てるご家庭。祖父の土地などの生前贈与による相続税対策や、「口座に多額の貯蓄を置かない」といった考え方を紹介。定型発達の長男に負担を寄せないよう、選択肢を整理していく姿が描かれています。
【保護者に聞く「親なきあと」の今】知的障害のあるきょうだい2人と定型発達の息子。相続税対策から生命保険、具体的な備えは?のタイトル画像
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【保護者に聞く「親なきあと」の今】知的障害のあるきょうだい2人と定型発達の息子。相続税対策から生命保険、具体的な備えは?

住まい・不正防止(居場所探しと生命保険信託)

「万が一の際、遺した資産が正しく使われるように。夫の保険金を『生命保険信託』で月々分割して振り込まれる形にしました」

生活介護に馴染めず自宅で過ごす時間が多い息子さん(19歳)のご家庭。「今」の居場所探しに悩み葛藤しながらも、自宅マンションを将来シェアハウス化する構想など広い視野を模索。さらに、親なきあとのお金のトラブルを防ぎ安定した暮らしを支える「生命保険信託」を取り入れるなど、できる選択を重ねる切実な思いが伝わってきます。
【保護者に聞く「親なきあと」の今】「重度障害のわが子が安心できる居場所は?」切実な悩みと、将来の暮らしを考えた「生命保険信託」の活用のタイトル画像
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【保護者に聞く「親なきあと」の今】「重度障害のわが子が安心できる居場所は?」切実な悩みと、将来の暮らしを考えた「生命保険信託」の活用

30代からのこれから(変化と向き合う2つの家族)

「『なるべく一緒に過ごしたい』が本音。でも急な変化をきっかけに、ショートステイやグループホームの準備を意識し始めています」

30歳前後の障害のあるお子さん(ダウン症・知的障害/知的発達症)を育てる2つのご家庭のインタビュー記事です。「できる限り自宅で一緒に」と願っていても、配偶者の急逝など予期せぬ事態は突然やってくることも。買い物や通勤の練習、医療ケア対応のグループホーム探しなど、直面する現実と向き合いながら一歩を踏み出す保護者の方の姿があります。
【保護者に聞く「親なきあと」の今】本音は「なるべく長く一緒に」でも予想外のことも。30歳前後のわが子のこれから、2家族の場合のタイトル画像
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【保護者に聞く「親なきあと」の今】本音は「なるべく長く一緒に」でも予想外のことも。30歳前後のわが子のこれから、2家族の場合

新しい居場所づくり(地域を巻き込む「ないならつくる」発想)

「グループホームの空きがないなら自分たちでつくろう!障害のある子だけでなく、お年寄りや地域の人も集まれる楽しい場所を」

ASD(自閉スペクトラム症)・知的障害(知的発達症)のある息子さん(14歳)を育てるご家庭。「後見制度では本人の自由なお金が減るの?」といった制度への疑問や不安を抱えつつも、地域の友人や大工さんを巻き込んで居場所づくりを構想中。障害の有無を超えて「みんなで創る」前向きなアプローチが印象的です。
障害のあるわが子の将来ーー「ないなら自分たちでつくる」を選択肢に、地域で笑顔で生きるための居場所づくりとは【保護者に聞く「親なきあと」の今】のタイトル画像
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障害のあるわが子の将来ーー「ないなら自分たちでつくる」を選択肢に、地域で笑顔で生きるための居場所づくりとは【保護者に聞く「親なきあと」の今】

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おわりに

ご家庭によって、お子さんの障害の程度や特性、家族構成、経済状況はさまざまです。すべてにおいて「これが正解」というものはありません。だからこそ、ほかのご家庭がどのように悩み、どんな制度や工夫を選んだかを知ることが、「わが家の安心」を見つける近道になるでしょう。できることから少しずつ、ご家族みんなが笑顔で過ごせる未来の準備を進めてみませんか?

「親なきあと」の基本や全体像をあわせて知りたい方へ

各ご家庭の事例とあわせて、「親なきあと」の基本的な考え方や全体像についてさらに知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
障害のある子の「親なきあと」|家族信託・生命保険・遺言など、7つのQ&Aを専門家が回答のタイトル画像
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障害のある子の「親なきあと」|家族信託・生命保険・遺言など、7つのQ&Aを専門家が回答

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。


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