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【送迎あり】 こぱんはうすさくら 札幌太平教室のブログ一覧

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【寂しさや悲しみの涙を流すこと。言葉で表現することの大切さ】

教室の毎日
・僕が今働いている児童デイサービス「こぱんはうすさくら札幌太平教室」は、今年4月に開設したばかりです。
・その中で3か月も続かずに辞める人もいました。
・退職する人には、それぞれの理由があり、それぞれの生活や人生があるため、その人自身のことを考えた場合、そのことをとやかく言うことはできません。
・特に、事務的な仕事、物を扱っている仕事の場合は、その人が辞めることによって、会社やスタッフに迷惑をかけたとしても、その会社以外の人に迷惑をかけることはあまりありません。
・しかし、児童デイサービスという、日々子どもたちと関わる職場で、1ヶ月あまりの間に、半数以上の職員が辞めた場合、そのことが子どもたちにどのくらいの影響を与えてしまうのかということを、児童デイサービスで働かれている人には、考えていただきたいと思っています。
・僕が今勤務している児童デイサービスを今回辞められた職員は、辞める際の理由や事情があったわけですが、実は、全員が、子どもたちにも、保護者の方にも挨拶をしないまま、突然、姿を消してしまったという形でした。
・一般家庭で言えば、親が子どもに何も告げずに、突然失踪したという形です。

・僕が、以前勤務していた児童デイの児発管の方はこんなふうにおっしゃっていました。
「職員がやめても、子どもたちに特に影響はありません」
「子どもたちは、やめた職員のことはすぐに忘れます」
「はじめは口に出すこともありますが、そのうち何も言わなくなります」 ……

※僕はその発言を聞いて、「それは違うのではないか」と思いましたが、当時、僕は児童デイサービスに勤務したばかりの児童指導員に過ぎないこともあって、特に反論はしませんでした。
その児発管の方が、子どもをグイグイ引っ張っていくタイプで自信満々な人だったこともあり、黙っていました。
※しかし、今まで児童相談所で、大人の世界に翻弄され、そこで無力な存在の数多くの子どもたちを見てきた僕としては、
「絶対に違う」
「それは、子どもたちが本音を言わないだけ」
「本当の気持ちを言ってもわかってもらえない」と諦めているだけ」
と思っていました。

※辞めた先生が自分の好きな先生で、その先生が自分に何の別れの言葉もかけずに、いなくなってしまった場合は、
「僕(私)か悪い子だったから、辞めたんだ」
「僕(私)のせいだ」
「僕(私)が悪いんだ」
と自分を責め、
心の中は喪失感と悲しみと無力感でいっぱいになります。

※今回、当教室では、開設した4月から3か月に渡って、日々子どもたちと一緒の時間を過ごしていた職員が数人同時期に辞めるという事態が発生しました。
※「〇〇先生はずっと来ていないけど、お休みなの?」と訊ねたときに、「退職した」と他の職員から伝えられた4歳の女の子は、「〇〇先生に会いたい」「どこにいるの?」「会わせて」と、その後、毎日のように言ってきました。
※しかし、それを叶えられずにいると、その子の自傷行為や反発、暴言、集団逸脱などの行動が目立つようになりました。
※7月初めに、一度に3人の職員が退職となり、そのことを知ったあたりから、その子の甘皮むきなどの自傷行為が増えてきたように思います。
・また、洗面所での遊びをずっと続けるようになり、集団行動を逸脱したり、妨害する行為、さらに、禁止行為(事務室に入る。トイレや部屋の隅っこに行っていたずらをする。テーブルの上に乗ったり、走り回る。勝手に児発の部屋から出るなど)も目立つようになっています。
・加えて、「ちんちん、ババぁ」「おめぇ」などの暴言なども顕著となり、注意してもなかなか治まらない状態となります。
・この職員のことが、この子はとても好きで、いつも甘えていたのですが、急に、しばらく姿が見えなくなった後で、残った職員から「もうやめて他のデイに移ったんだよ」と言われ、ショックで、そして、心が不安定になったように思います。
・特に20代の女性保育士がいなくなったことは相当のショックだったようで、「〇〇先生はもう来ないの?」「いつ会えるの?」「会いたい」「どうしたら会えるの?」などと、送迎の車の中でも事業所に来てからも毎日何度も職員に伝えていました。
・そして、さらに、8月に入り、もう一人の30代の女性保育士も退職し、この子にとっては、大切で好きな人を次々と奪われる事態になっていました。
・送迎の途中で、前に利用していた児童デイの前を通ることが何度かありましたが、「□□ちゃんは、(前の)デイに行く。『こばんはうすさくら』はもうやめて、(前の)デイに行くから。」と職員に話しています。
・「ママに、□□ちゃんの気持ちは言ったの?」と聞くと、「言ったけど、『ダメ』って言われた」と言います。
・自分が大好きで大切な人が次々といなくなった寂しさと悲しみがあり、
そして、「これからも今いるスタッフ職員がいなくなってしまうのでは?」という不安があり、
さらに、自分から大切なものを奪ってしまった大人への怒りも心の中に湧き上がってきた可能性があるように思います。
・しかし、その悲しみや怒りを誰かにぶつけることもできず、それが、一つは自傷行為として現れている可能性がありますし、ルール違反、暴言、攻撃的行動は、自分の周りの大人や社会に向けての本児の怒りをぶつけているようにも思います。
・なお、甘皮むきなどの自傷行為は、不満や怒りを自分に向けていると言えるかもしれません。
・自傷行為は、それを実行している時は、その痛みなどで、現実から離れることができると言われています。
・心の痛み、つらい感情を紛らわせるために、自らを傷つけているのではと考えられます。
・リストカットなどの自傷行為を経験する多くの人は、「切ると気持ちが落ち着く」「スーッとする」「元気が出る」「自分を取り戻すことができる」と言います。
・自傷行為は、「心の痛みを体の痛みに置き換えている」「心の痛みにフタをしている」と言えるかもしれません。
・心の痛みを体の痛みにすることで、自分でコントロールしやすくしているのです。
・人は裏切りますが、自傷は裏切らず、心の痛みを収めてくれるために、自傷に頼らざるを得なくなっている場合があります。

・また、【心のSOS】や【怒り】を周囲に伝えようとしてのデモンストレーション的な意味合いもあるかもしれません。

※まだ、4歳の□□ちゃんには、このような考え方をそのまま当てはめることは出来ないと思いますが、□□ちゃんの自傷行為の背景にはこのようなことがあるようにも思います。

※その□□ちゃんが、最近、2週連続でたくさんの涙を零しました。
※僕の胸に顔を埋めて、わんわん泣きました。
・先週は、出勤予定職員が休みになったため、急遽、シフトの休みを返上して、午前中のみ出勤しましたが、家の用事があったため、□□ちゃんがお昼ごはんを食べて、午睡に入る前に帰ることにしました。
・そのことを午睡担当職員から告げられ、僕が帰っていく様子を見た□□ちゃんが、駆け寄って来て、僕の胸に抱きつき、「先生帰るの?」「帰らないで!」「どうして帰るの?!」と言って泣き出してしまいます。
・僕が出勤したあと、途中で帰ることは、今まで全くありません。
・□□ちゃんにとっても、僕が途中でいなくなってしまうことは、この半年間で初めてのことです。
・午前中は、いつものように色んないたずらをして、僕に注意され、叱られていたこともあり、□□ちゃんは、そのことで僕が怒り、帰ってしまうと思ったのかもしれません。
だから、「帰らないで!」と叫びながら、僕を引き留めようとしたのではないかと思います。また、抱きついたまま一緒に帰ろうとしたのかもしれません。
・自分が「先生の言うことを聞かない悪い子だから、先生が自分のことを嫌いになって、怒って帰って行ってしまう」と思ったのかもしれません。
・最近、次々と自分の前からいなくなった職員を僕に重ね、僕も「いなくなってしまうのでは?」という不安と恐怖で心の中がいっぱいになったのかもしれません。
だから、抱きついて、離さず、必死に「行かないで」と帰ることを阻止しようとしたのだと思います。
※そんな、□□ちゃんの気持ちが痛いほど伝わってきたので、僕は抱きしめながら、□□ちゃんの耳元で、
「先生は、今日は本当は仕事が休みだったんだけど、□□に会いたくて、□□の顔を見たくて出てきたんだ。でも、お昼からは家の用事があるから帰るんだよ。」
「でも、□□は、自分が、今日もいたずらや悪いことをいっぱいして先生を困らせたから、先生が□□のことをもう嫌いになって、帰ってしまうと思ったのかな?」
「□□は、自分が悪い子だから、◇◇先生(僕のこと)がいなくなると思ったのかな?」
と話しました。
※□□ちゃんは、僕の胸に顔を埋めたまま、コクリと頷きます。

※僕は、こんなふうに□□ちゃんに、優しい声で、そしてきっぱりした口調で話しています。
「◇◇先生は、絶対にいなくならないよ」
「今日は用事があって、昼から帰るけど、明日からはまた来るし、こぱんはうすさくらをやめることは絶対にないからね。□□が『来るな』と言っても来るからね(笑)」
「先生は、□□のことも、他の子どもたちも大好きだから、絶対にいなくなんてならないよ」
「だから、安心してお昼寝してね」

※□□ちゃんの涙がポロシャツを濡らし、体に伝わってきます。

※昼寝の布団に戻り、タオルケットを被っている□□ちゃんにそっと手を振って、児発ルームのドアを閉めました。

★自分の気持ちを言葉で伝えられ、そして、たくさんの涙を流せたこと、
本当に良かったと思います。

★元東京都児童相談所の児童心理司は、書籍でこんなふうに、言っています。

【感情の消化】
・一般的に、人間の感情は、表現して、誰かに聞いてもらい、共感してもらうことで、初めて消化されます。
そして、過去のこととして終わりにできるのです。
・しかし、誰にも聞いてもらえず、共感してもらえなかった感情は、心に残り続けます。
・特に、「怒り」や「悲しみ」といった【マイナスの感情】は、心の中でマイナスに作用し続けるので、苦しい状態が続き、心は発散を求めます。そして、些細なことがきっかけでその感情が爆発してしまうのです。
・子どもがいわゆる【キレる】のは、このたまったマイナスの感情を何らかのきっかけで吐き出しているのです。
・マイナスの感情を子どもの心に残したままにしないことが大切です。
・そのためには、子どもの話を聴いてあげることが必要です。
・お母さんにその日にあったことを話し、心をすっきりさせる。
 それによって、子どもは明日も元気に学校に行くことができるのです。
・お母さんや周りの人に話を聞いてもらえないだけでなく、その上、怒られてばかりいると、子どもは日々の出来事さえ、嘘をつくようになります。
「何を言っても怒られる」「本当のことを言っても怒られる」、そう思ってしまうのです。 元東京都児童相談所児童心理司 山脇由貴子著「思春期の処方せん」から

★□□ちゃんは、この状態にあるようにも思います。
★でも、この日は、自分の心にあるマイナスの感情を言葉で表現でき、受け止めてもらえ、そして、あふれる涙として、心の外に出せたように思います。
良かったです。

※そして、1週間後に、また、別の場面で、□□ちゃんは、思いを言葉で表現し、しゃくり上げて泣いています。
このことは、また、次回話したいと思います。

★こぱんはうすさくらに通う子どもたちが、感情を消化できる人になれるように、これからも子どもたちに寄り添っていきたいと思います。 T.T

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