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ご利用者様のお悩み③ 興味(児童発達支援 ゆうり先生)

教室の毎日
今回もご利用者様のお悩みと、支援、そして現在のご利用者様の状況についてお話いたします。

本日のお話の主人公は、年中さんのD君です。

D君は3月から当教室に通っているお子様です。
場所見知りや人見知りが激しく、集団生活ができないことや、部屋にも入れない、他人への興味の薄さなどのお悩みを抱えていらっしゃいました。

いろいろなお悩みを抱えていらっしゃいましたが、親御様が一番気にしていたのは「場所見知り」の部分でした。

今は幼稚園に通っているD君ですが、プレの時は教室に入ることができなかったそうです。

初めてのお迎えの時はお母様にも一緒に対応していただき、車に乗り込むと少し緊張した様子を見せていました。
そしていざ、教室につくと、こちらが不思議に思うほど難なく教室に入り、物珍しそうに教室内を探検し始めました。
D君にしか感じ取れない何かが、あったのかもしれません。

難なく入室することはできましたが、通い始めた当初のD君は自分の世界に入ることが多く、周りにいる先生には意識を向けることはあっても、自分からお友だちに関わろうとする姿が見られませんでした。

親御様曰く、幼稚園では人気者だが、自分から関わるようなことは少なく、お友達の名前を本人の口から聞いたことがないとのことでした。

D君は自分の中にある世界や自分自身の興味関心への意識が強く、自分の周りに対する関心の薄さが感じられました。

他人への興味関心が薄い。

他人との距離感が分からず不必要に近づいてしまう。


こういったお悩みは珍しくなく、当教室に通うお子様のほとんどが他人とのコミュニケーションに課題を抱えていらっしゃいます。
他人とのコミュニケーションに対する取り組みは様々ありますが

「朝の会でお友達の名前を一緒に確認する」

「リトミックの時間にお友達と手を繋いで歩く」

「ボールを友達と協力して運ぶ」


など、1日の活動の中で、大人とだけではなく、お友達と一緒に活動する時間を積極的に取れるように支援していきました。

そんなD君に変化が訪れたのは、通い始めて一ヶ月が経った頃でした。

朝の会の名前呼びの最後に「今日いるのは、僕と、○○君と○○君だね!」
と急に笑顔で職員に伝えてきたのです。

これには私たちも驚きました。今まで、自分の名前を職員に話すことはありましたが、お友達の名前を口に出したのは初めてだったのです。
その後、親御様にお話しすると、最近は家でも先生の名前やお友達の名前を話すようになった。と嬉しそうにお話してくださいました。

そこからD君は毎日一緒に活動する友達の名前を朝の会に呼ぶようになりました。自分の世界の中だけではなく、お友達と一緒に活動する楽しさに目覚めたようです。


通い始めてから2か月経った今では、運動の時にお友達の名前を呼んで応援したり、鋏を使っているときに「○○君、気を付けてね」とお友達を気遣う様子も見られるようになりました。

また、親御様から幼稚園の授業参観で集団活動にも馴染めるようになり、年少の頃とは見違えるほどに成長した。とありがたいお言葉もいただきました。

自分の世界を大切にすることももちろん大切ですが、他人との関わりを「嬉しい」「楽しい」と感じられるようになると、今まで以上に日常が充実していきます。それは子どもだけでなく、大人にも言えることです。

これからも周りの世界に興味を広げられるような支援をしてまいります。





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