知的障害(知的発達症)のある子どもの教育面でのポイントは?

学校選びは子ども目線で

知的障害(知的発達症)がある子どもが受けることのできる特別支援教育には、知的障害特別支援学校、知的障害特別支援学級があります。これらの特別支援教育では、知的障害(知的発達症)の子どもに応じた教育課程編成や適切な教科書での学習ができます。通常学級に所属した場合も、困りごとに応じた合理的配慮を受けられるように相談してみると良いでしょう。実際に進学する学区・学校ではどのような支援が行われているかを確認することをお勧めします。

学びの場を選ぶときは医師や専門家の意見を聞くことはもちろん、子ども本人とも相談を重ねることも考慮しながら、子どもにとって学びやすい環境を選ぶのが大切です。
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特別支援学校とは?教育環境から入学への流れまで【専門家監修】

先生に協力を依頼する

どのクラスに進学しても、学校の先生に協力してもらうことが大切です。たとえば、席替えでは静かで気が散りにくい前列にしてもらう、教室移動が苦手な場合は一声かけてもらうなど工夫をお願いしてみましょう。

また先生に家庭での取り組みや、今伸ばしているところ、伸びてきたところなどを知っておいてもらうことで、子ども本人の過ごしやすさも変わるかもしれません。

発達支援を受ける

発達支援の場を使って子どもの成長を促すだけではなく、家庭での取り組みを一緒に検討したり、園や学校との連携を検討するのも一つです。就学前の場合は児童発達支援が、小学校入学から18歳までは放課後等デイサービスなどの通所支援など、公的支援を受けることもできます。
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障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)の種類や支援内容、利用の流れを紹介

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知的障害(知的発達症)の子育てに悩んだらサポートを

子どもへの接し方を変えるだけで改善できることはたくさんあります。ですが、子育てをしていると、悩むことやつらいことがあるのは当然です。最初からうまくいくことばかりではありませんし、周囲に気を使ったり、子どもの様子に気を配ったり、体力的にも精神的にも毎日へとへとになる保護者の方も少なくないでしょう。これでいいのか、子育てに自信がなくなることもあるかもしれません。

家庭の中だけで頑張り続けると、疲れてしまいます。保護者自身が、疲れてつらくなってしまわないよう、児童相談所や専門機関に相談したり、療育センターや親の会など同じ悩みを持つ方に出会える場所を使うのも一つです。専門家の意見だけでなく、保護者同士のつながりの中からもより良い方法や工夫の発見があるかもしれません。ぜひ、一人で抱え込まず周囲の人を頼ってください。

子育て全般に言えることでもありますが、そのような時は、保護者が一人で抱え込まないことがなにより大切です。

公的支援をはじめ、さまざまなサポートがありますのでご紹介します。
◇専門機関に相談する
地域の子育て支援センターや児童発達支援センター、児童相談所などでは、子どものことや子育てについて、気軽に相談ができます。必要があれば医療機関や療育施設などの専門家を紹介してくれます。また児童精神科や小児神経科に相談したり、療育を受けることで、子どもの特性が分かり、対処法を教えてもらえます。

知的障害(知的発達症)の人向けに専門の相談ができる制度もあります。

・知的障害者相談員…知的障害(知的発達症)の人と保護者の相談に応じ、指導、助言など、必要な援助を行う民間の協力者です。電話や訪問で家庭での接し方を相談したり、必要な関係機関との連絡などのサポートをしてくれます。サポートを受けたい場合はお住まいの自治体の福祉担当窓口に問い合わせてください。

・ペアレントメンター…ペアレントメンターとは、保護者による保護者のための相談者を意味します。カウンセリングの研修を受けた同じ障害のある子どもを育てた経験のある先輩の保護者が当事者目線で相談に乗ってくれます。地域によって導入されているかどうかは異なりますが、お住まいの自治体の障害者発達支援センターなどで紹介してもらえますのでお問い合わせください。


◇親の会に参加する
知的障害(知的発達症)の家族を対象とした家族会やサポートグループが全国にあります。親の会は障害のある子どもを持つ保護者同士がつながり、障害について学んだり情報交換をしていく活動です。また、発達ナビのQ&Aコーナーやコミュニティでも、子育ての悩みを相談することができます。同じ経験をした人の話を聞いたり、具体的なアドバイスを聞いたりすれば、見通しがもてるでしょう。誰かにつらい気持ちを話すだけでも、気持ちが楽になり、一人で悩みを抱え込まずにすみます。

◇ペアレントトレーニングを受ける
ペアレントトレーニングとは、保護者が子どもとのより良い関り方を学びながら、日常の子育ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する、保護者向けのプログラムです。子どもをのばす褒め方、環境調整の仕方、指示の出し方、行動の教え方などを具体的に学べます。

◇レスパイトケアで意識的に休息をとる
頑張りすぎて、余裕がなくなっているときは、リフレッシュが必要です。育児を軽減するサポートを利用するなどして、自分の時間をつくりましょう。児童発達支援、放課後等デイサービスの中には預かり型の支援サービスもあります。また、障害児を受け入れているファミリーサポートもあります。一時的預かりのサービスを行っている地域もあります。地域の福祉相談窓口などで相談してみてください。
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ポイントをつかんで、お子さんの良い部分を伸ばしましょう

今回、知的障害(知的発達症)の子どもに対する子育てのコツや困ったときの対処法をお伝えしました。知的障害(知的発達症)の子どもを目の前に、「どうしてうちの子はできないんだろう」と思ってしまうこともあるかもしれません。

できないことばかり目がいってしまう時も、できることを見つけて子どもに伝え、一緒によろこぶことから始めてみてはどうでしょうか。できることを増やすことは心の面でもとても大切で、不登校やうつ病など二次障害の予防にもつながるといわれています。

また、自分だけで考えるのが難しい場合は、療育指導などの専門家の支援を受けることも大切です。一人ひとりの個性や環境によって対処法も様々で、こうすれば必ず上手くいくという方法はありません。周りの力を借りたり、相談しながら進んでいけるとよいでしょう。
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