身近なノーマライゼーション 商品などのユニバーサルデザインって?

身のまわりには、ノーマライゼーションの考えを含んだ製品や施設が数多くあります。ユニバーサルデザインと呼ばれている製品もその一つです。

ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインは、障害の有無や年齢、性別、人種などにかかわらず、たくさんの人々が利用しやすいように製品やサービス、環境をデザインする考え方です。

例えば自動ドアは、特別な道具や動作をすることなく、子どもからお年寄り、車いすに乗っている人や両手に荷物を抱えた人など多くの人が利用することができるデザインになっており、ユニバーサルデザインの代表的な例であるといえます。

他にも、カラーユニバーサルデザインやユニバーサルデザインフードという考え方もあります。

◇カラーユニバーサルデザイン
人間は、生まれつきの色の感じ方(色覚)に異なる特徴があります。また色覚は病気や老いによって変わることもあります。こうした人間の色覚の多様性に配慮し、より多くの人に利用しやすい配色を行った製品や施設・建築物、環境、サービス、情報を提供するという考え方を「カラーユニバーサルデザイン(略称CUD)」と呼んでいます。

◇ユニバーサルデザインフード
ユニバーサルデザインフードとは、日常の食事から介護食まで幅広く使うことができる、食べやすさに配慮した食品を言います。

日本介護食品協議会はユニバーサルデザインフードについて自主規格を定めており、これに適合する食品のパッケージには、必ずマークが記載されています。

◇教育でのユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインな教育とは、障害のある子にとって「ないと困る」支援であり、どの子どもにも「あると便利」な支援を増やすことと言えます。

例えば、落ち着いて授業が受けられるよう、黒板周りの装飾を最低限にしたり、学級内のルールを明文化して決めたり、それを目につくところに掲示したりすることなどが、ユニバーサルデザインを意識した教育の工夫として考えられます。

◇家のなかのユニバーサルデザイン
家族とともに暮らす家のなかのユニバーサルデザインは、障害のある人だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんや小さな子どもにとっても住みやすい家になります。

例えば、階段に丈夫な手すりをつけたり、洗面台の高さを工夫したり、開け閉めが楽な引き戸にしたりすることです。

誰にとっても住みやすい住宅の推進のために、助成金を出したり、ノーマライゼーションの啓発のために広報誌「WITH LIFE ~共に生きる」を発行したりしている団体もあります。
公益財団法人ノーマライゼーション住宅財団
http://normalize.or.jp/
ユニバーサルデザインの製品やサービスが増えれば、障害のある人でもない人と同じように、社会で生活することができます。これは、まさにノーマライゼーションが目指している社会でもあります。
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まとめ

ノーマライゼーションは、障害の有無を意識しなくても生活できる社会の実現を目指す考え方です。ノーマライゼーションは、今では世界共通の考え方になってきており、今後さらに広がっていくことが予想されます。

日本でも、教育や就労において、少しずつノーマライゼーションの考えに基づいた対策が行われつつあります。身のまわりの製品のなかにも、一見ノーマライゼーションに関係がないように思われても、実はノーマライゼーションの考えに基づいている製品が見られるようになりました。

ノーマライゼーションが目指す社会実現のために、ノーマライゼーションについて正しく理解したり、ユニバーサルデザインの商品を使ったりしていきましょう。
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