普段からの対策で子どもの癇癪を予防できる?

いったん始まってしまうと、癇癪を鎮めるのは難しいので、癇癪を治していくには、普段の生活から子どもが癇癪を起こさなくて済むように工夫していくことが大切です。

癇癪の起きにくい環境を整える(環境調整)

◆刺激の過敏性に対する配慮
気になるものをなくす、不快な刺激を生み出すものを遠ざける、違うものに変更するなど

◆見通しの立てられるような言葉がけを
気持ちの切り替えを行うことは子どもにとっては難しいことです。いきなり遊びを中断されたりすることは子どもにとって大変ストレスなことなので、癇癪を起こす要因の1つとなります。

次の行動に移るためには、気持ちの準備をする時間が必要です。「〇〇したら、ご飯にしようね」など、次の行動が予測できるような声掛けを行うことで、子どもは行動を切り替えるための心の準備をすることができます。

視覚的に分かりやすくすることで、伝わりやすくなることもあります。スケジュールの変更を文字や絵、写真などで見せる理解しやすくなる場合もあります。スマートフォンやゲーム、テレビなどの利用時間を制限したい場合には、タイマーなどを使用して終わりの時間を視覚化するのもおすすめです。

このほかにも、感覚過敏の場合、苦手な環境や状況を避ける、こだわりが強くおもちゃの取り合いになるときはおもちゃの数を増やすなど、癇癪の背景にある特性に合わせて、癇癪が起きにくい環境を整えることが大切です。
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タイマーを見ると怒り出す息子、発想の転換で「切り替え上手」に!

◆気持ちを伝えるツールを使う
「今、自分はこんな気持ちだ」ということが周囲に知ってもらうだけでも、気持ちが楽になっていくこともあります。言葉で気持ちを伝えるのが難しい場合、絵カードやコミュニケーション支援アプリを使って視覚的に気持ちを伝える方法を教えるとよいでしょう。

ここでは、ツールの例を1つご紹介します。癇癪は徐々にいらだちが募り、爆発を起こすというパターンが多くなります。ですので、爆発を起こしてしまう前のイライラしているという状態を視覚的に示すカードを用意します。「落ち着いている」「少しイライラしている」「とてもイライラしている」「我慢できない」などとカードに感情を表す絵を描いて子どもの目に見える場所に置いておきます。

簡単なことですが「困ったらどうしたらいいか」を教えてあげることも、子どもが、癇癪を起さないための1つの方法です。というのも子どもの場合には、ネガティブな感情をもったときにそれをどのように処理したり扱ったりしたらよいか分からないことがあります。例えば、「どうしたらいいか分からないときには『困った』って言うんだよ」などと、困ったときに口に出すべき具体的なセリフを教えてあげることで、「困ったときには人に頼ってもいいんだ」という安心感が生まれます。
感情の状態を視覚的に示すカード(いかりおんどけい)には怒っている、イライラしている、落ち着いているといった感情がイラストで分かりやすく描かれています
感情の状態を視覚的に示すカードの例
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◆対処法やルールを決めておく
・ルールを一緒に決める
言葉を理解し、話すことができるくらいの年齢の子どもに対して有効な方法です。一番になれないときに、癇癪を起こしてしまう場合やおもちゃの取り合いでトラブルになってしまう場合、癇癪が起きていないときに子どもと一緒にルールを決めておくと良いでしょう。

・対処法を子どもと考える
怒りの真っただ中にいるときには大人でさえ、冷静さを取り戻すのは大変難しいものです。
このようなコントロールの難しい心理状態でも、あらかじめ対処方法について大人と子どもが一緒に考えることで備えることができます。普段穏やかな状態のときに「怒っちゃったときにはどうするのがいいかな?」と子どもと大人で話し合っておくのです。

例えば、以下のような方法が考えられます。子どもによって、落ち着くことのできる方法はさまざまなので子どもに合わせた方法を選びましょう。
・子どもが好きな匂い袋を嗅ぐ
・つぶやくと落ち着く言葉を覚える(魔法のことば)
・新聞紙を破る
・(家庭/園/学校などの場合)特定の落ち着く場所を決め、不安になったときに行くようにする
・布団や毛布にくるまる など

以下のコラムでは、「景色を見ながら、そこにあるものを読み上げ」て、自らの怒りを抑えることを子ども自身が編み出したエピソードが掲載されています。
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大人にもおススメ!すぐキレる6歳の息子が考えたイライラ対処法

このように対処方法をルール化することで、怒りの感情から抜け出すための「いつもの方法」をもつことができ、癇癪が起こったときに子どもが自分で冷静さを取り戻すことも可能となります。

不適切な対処は、癇癪をエスカレートさせてしまう

子どもの癇癪に引きずられないように身を守る

先に述べたように子どもが激しい癇癪を起こしている様子に周囲の大人が感情的に引きずられないように注意しましょう。親自身も子どもの隣にいるだけでイライラしたり、気分が乱れてしまいます。

保護者の方の心が乱れていては、子どもに冷静に対応することはできません。

物が飛んできたり、殴りかかってきたりと怒りの矛先が自分に向いたときには距離をとることも大切です。許しがたい暴言に言い返したくなったり、心が傷つけられたりしそうなこともあるかもしれません。癇癪中の子どもの暴言の多くは深い意味はありません。そのような言葉は「この子は苦しいっていっているんだ」のように捉えるようにしてみましょう。

感情的な叱責は逆効果

・感情的に叱るのはNG
頭ごなしに叱りつけたり、暴力をふるったりすると、子どもは混乱して癇癪をエスカレートさせてしまいます。気持ちが不安定になったり、感情的な人の前でだけ自分を抑えるなどの問題にもつながりやすくなります。

・モノでその場をおさめると繰り返しやすくなる
おもちゃやお菓子を与えると、子どもの癇癪が止むこともあるので、癇癪の対応方法として一見効果的に思われますが、子どもに「癇癪を起こすとなにかいいことがある」と思わせてしまう要因となります。また、要求を通さないと最初に子どもに言ったならば、その態度を貫き一貫性をもって接することが大切です。

ただ、乳児期の子どもの泣きやぐずりについては、子どもと保護者の信頼関係を築くための大切なコミュニケーション手段となり、その後の子どもの気持ちの発達の基礎となるので、子どもの要求に合わせて応対するという姿勢が必要です。

子どもの癇癪に悩んだら、早めに相談を

子どもがたびたび過剰に癇癪を起こす場合、保護者が一人で継続して向き合うことは簡単ではありません。また、癇癪が起こる場面を予測し、予防の方法を考えるには、専門性が求められることがあります。特にプランを見直しながら継続するのは負担が大きいので、専門家と連携しながら取り組むとよいでしょう。

もし現在子どもとの関わり方や、癇癪への対応に一人で悩まれているのでしたら、なるべく早く相談できる味方を見つけることをおすすめします。

子育て支援センター

子育て支援センターは、乳幼児の子どもと子どもをもつ親が交流を深める場です。市区町村ごとに、公共施設や保育所、児童館などの地域の身近な場所で、乳幼児のいる親子の交流や育児相談、情報提供などを行っています。子育てをしている家庭の支援活動を行う施設であり、保護者にとっては、育児に関する不安の相談に総合的に応じてくれる心強い施設です。

くわしくは、お住いの市区町村のHP内の子育て・育児のページをご覧ください。
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子育て支援センターとは?サービス内容や活用方法/専門家監修

児童発達支援事業所・放課後等デイサービス

子どもの特性や困りごとに応じた支援を行う、いわゆる療育プログラムを提供している福祉施設です。事業所によっては相談支援事業も行っており、保護者からの子育ての相談にも乗ってもらえます。

また施設にもよりますが、言語聴覚士や理学療法士、 作業療法士などの専門家による支援を受けられる場合もあります。利用までにはお住まいの自治体の福祉担当窓口への申請が必要となりますが「通所受給者証」を取得することで、低い自己負担額で利用できます。
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発達障害者支援センター

発達障害の当事者、及びその周囲の関係者(保護者や教師など)を支援する機関です。大人の発達障害や、その関係者の支援が充実している施設ですが、基本的に年齢に関わりなく相談できる場所です。子どもの問題行動について機能分析の知識をもつ発達支援の専門家がいることもあります。
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医療機関

癇癪があまりに強すぎると、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)や重篤気分調節症 、行為障害(素行症)として診断される場合があります。そのようなときには何らかの医療・福祉的な配慮によってトラブルを解決できることもあります。

あまりに高頻度で長時間の癇癪が続いたり、自傷行動を行うなど身体的、精神的にダメージが大きいときや、解決に緊急性が求められるときには医療機関への相談も選択肢の1つです。医療機関に相談する場合、「発達外来」や「小児神経科」「児童精神科」が専門となります。
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発達ナビPLUS

臨床心理士など発達の専門家に相談ができる有料会員サービス「発達ナビPLUS」では、すべての相談に対し、専門家がケース検討を行い、お子さまの行動の課題分析や家庭でできる適切な手立てをご提案します。
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