診断はどこで受けるの?

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)を疑ったら、まずは専門機関での相談を

医療機関で診断を受けるかどうか、決めるのは本人や家族の判断となります。ですが、上記で述べた症状や特徴が多く当てはまる場合や、気になることがある場合には、一度身近な専門機関で相談するとよいでしょう。

チェックポイントなどで、ある程度傾向をみることができますが、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)は診断が非常に難しい障害です。インターネットなどでもセルフチェックできるサイトもありますが、信頼しすぎて素人判断をしないようにしましょう。また、子どものことを思いすぎるあまり、偏った目でチェックしてしまう場合もあります。本人にとって適切な支援をするためにも、主観的な判断にならないよう自己判断をせず、きちんとした専門機関で診断してもらうことが大切です。
いきなり専門医に診てもらうことは難しいので、まずは無料で相談できる身近な専門機関の相談窓口を利用するのがおすすめです。子どもか大人かによって、行くべき機関が違うので、以下を参考にしてください。

【子どもの場合】
・保健センター
・子育て支援センター
・児童発達支援事業所 など

【大人の場合】
・発達障害者支援センター
・障害者就業・生活支援センター
・相談支援事業所 など
日本小児神経学会 「発達障害診療医師名簿」
https://service.kktcs.co.jp/smms2/c/jscn/ws/jscn/List.htm?t=https://www.childneuro.jp/themes/childneuro/relation/licenselist_dd.html

診断に際して行われることは?準備しておきたいことや、必要な持ち物も紹介

医師による問診

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の診断は医師の問診がメインとなります。問診で本人が自宅や学校でどのような日常を送っているのかを詳しく聞き取ったり、直接本人の様子を見たりして症状や特性などを判断します。また、親との面談の時にこれまでの生育歴・既往歴・家族歴などを聞かれます。子どもことを医師が正確に知るために親や担任にチェックリストを記入してもらうことがあります。それ以外にも必要な場合には心理テストや知能テストを行い、総合的に判断します。

大人の場合には、医師の問診でまず現状の確認をします。この時に日常的に困っていること、普段の生活の様子、得意なことや他の病院にかかっているかどうかを伝えるようにします。次にこれまでの経緯を聞かれます。(子どもの頃の様子、家族から見た印象やこれまでの病歴などについて)次に心理検査・生理学的検査などが行われます。そうしてひとまずの診断が下されます。

1回の受診で診断が下されることはありません。時間をかけて慎重に診断が下されます。

受診の際に必要な準備や持ち物

受診する医療機関によっても変わりますので、準備や持ち物については予約時に確認しましょう。

問診がありますので、分かりやすく説明できるよう、参考になる資料を用意しておくとスムーズでしょう。日常生活での行動や様子も診断する際に参考にします。専門機関を受診する前に、アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)の特性がどの程度あるか、本人の状態を把握しておくことが大切です。資料として役立つことがあるので、日常生活での行動や様子の具体的なメモを持参するとよいでしょう。

■診断までに把握しておきたいこと
・特徴を確認する
・本人をよく観察し、気になることや気が付いたことはメモをしておく
・本人と話をしてみて、本人が悩んでいることや気にしていることはないか聞いてみる

■当日の持ち物
把握した内容は具体的なメモにし、当日持参するとよいでしょう。

子どもの場合
・担任に記録してもらった学校での様子のメモなど
・母子手帳
・保育園や幼稚園時の連絡帳
・通知表
・子どもの自筆のノートなど

大人の場合
・家族に聞いた子どもの頃の様子のメモ
・小学校の通知表など子どもの頃が分かるもの など

問診に合わせて行われる検査

診断に際して、必要だと医師が考えた場合には、心理テストや知能テストを行うこともあります。問診やこれらの検査の結果を見て、総合的に判断します。テストにはいくつか種類がありますが、次のコラムで詳しく説明しています。
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また、こうしたテストの結果は、今後どのような支援が必要かを判断する際にも参考になります。

アスペルガー症候群(ASD/自閉スペクトラム症)についてのコラム集

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