家庭でできる言葉を育む2つのポイント

言葉を育む2つのポイント

日常生活の中でできる、言葉を育むための工夫をお伝えします。言葉が遅れている場合には、専門家の指導に頼るのも一つの方法ですが、毎日の関わりの中で、本来の力を伸ばしていけることも多くあります。

コミュニケーションを深める工夫をする

言葉の獲得は、大人とのコミュニケーションを通して、準備され促されるものです。子どもと養育者という二者間における気持ちのつながりや、気持ちを共有することへの心地よさ、また肯定的な応答を十分に感じて、「通じ合っている」という喜びを味わっていることが大切です。

具体的な働きかけとは、子どもの表情や行動や気持ちを察して、「まんま、おいしいね」「イヤだったのね」などと言葉にすることや、子どもの声や言葉をもう一度繰り返すなど、さまざまなものが挙げられます。
■子どもの興味関心に寄り添い、主体的な言葉を引きだす
子どもが自分から注意を向けた対象について話しかけましょう。視覚的な注意が向いているときに、耳から情報が伝わってきてくることで、情報を頭に取り入れることができます。

たとえば、走っている電車を見つめる子どもに対して、「電車だね」「速いね」などと、実物や経験に対して名称や状態を表す言葉をかけるなどの方法があります。

大人からの働きかけになかなか応じてくれない子どもに対して、大人が子どもの興味関心に合わせて話しかけることで、子どもの記憶に言葉を蓄積させることができます。

■やや高い声で、短くはっきりとした言葉でゆっくりと話す
大人同士で話すときに比べて、大人が子ども(乳児)に話しかけるときには「やや高い声」「短く、はっきりとした言葉」になることが多いと思います。

ある研究によると、大人が子ども(乳児)に話かけるときの「やや高い声」「短く、はっきりとした言葉」は、ほかの話し方よりも子ども(乳児)がより興味を持つということが分かっています。
子ども(乳児)自身が話し声に興味を持つ時間が増えることによって、言語の獲得につながるのではないかといわれています。
乳幼児における発話の視聴覚統合と言語発達―発達科学の立場から―今福 理博
https://doi.org/10.24602/sjpr.62.2_166

環境を整え、妨げになっている要因をなくす

子どもが、言葉で他者に何か伝えたいと思う気持ちが、自然と引きだされるような環境を整えることも大切です。

■豊かな体験や経験を味わう
言葉が出始める、あるいはまだ出ていない段階においては、子どもが外界の世界に興味関心をもって、自ら関わっていこうとする力を育てることが大切です。

そのためには、具体的にものにふれたり、身体を使った遊びや活動を行ったり、見たり、聞いたり、味わったりと、五感を十分に使って世界にふれあうことのできる環境をつくり、子どものやりとりや遊びを豊かで楽しいものにすることを意識します。豊かな生活体験の中で引き起こされる、他者に自身の感じていることを伝えたいという思いが生まれ、それが言葉を引き出していくきっかけになります。

■テレビや動画の時間を減らす
テレビからは、言葉や音楽が絶えず流れだしていて、言葉を学ぶ段階である子どもにとっては、とても刺激の強い存在です。テレビだけでなく動画サイトなどでも同様です。

テレビや動画サイトなどを見せることが、必ずしも言葉の遅れにつながるわけではありませんが、一方的に言葉や音楽が流れてくるメディアからは、会話に必要なコミュニケーションを身につけることはできません。テレビ番組や動画サイトなどは、大人と子どもが一緒に楽しく過ごすための道具のひとつなので、つけっぱなしにせず、適度に利用する程度に留めておきましょう。

■視覚的な手がかりを使う
子どもは、ひとつの対象に対して注意を向けにくく、また取り込んだ情報を頭に留めておくという力が未熟です。また、言葉の意味がまだよくわからない子どもの場合には、言葉だけでは説明や、意味が理解できないことがあります。

ですので、このような場合には、聴覚的な情報に加えて、視覚的な手がかりを使うことが有効です。たとえば、ジェスチャーや、指差し、絵を見せるなど、目で見て分かる情報を使い、子どもに情報が入りやすい工夫をしましょう。
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言葉の遅れに気づいたときには、専門機関に相談したほうがいいの?

乳児期の赤ちゃんの発達には大きな幅があるため、身体の成長などと共に、急に話し始めることは決して稀なことではありません。ですので、ゆったりとした気持ちで子どもとのやりとりを楽しみ、子どもの育ちを支えることが大切です。

しかし、専門家に相談してみることで、子どもとの関わり方が学べたり、利用できる支援の情報が得られたりする場合もあります。気になることがある方は、以下のような専門機関を訪れてみるとよいでしょう。

相談する前に…

子どもの言葉の遅れの相談については、言葉に関するものだけではなく、好きな遊びやコミュニケーションの様子を学校や幼稚園の先生から聞いてメモしておくとよいでしょう。

普段の子どもの様子を伝えることは、専門家が子どもの発達段階を把握するために役立ち、生活の中で取り入れられる工夫や気をつけるべきことについて教えてもらいやすくなります。

病院の小児科

小児科は子どもの病気の診療だけではなく、言葉の遅れなど子どもの発達に関する悩みごとの相談にも乗ってくれます。より子どもの発達に詳しい専門機関などの情報も持っているので、地元の専門機関を紹介してくれる場合もあります。

地域子育て支援センター

行政や自治体が実施主体となって行っている事業です。主に未就学児の子どものいる親子が気軽に集い、交流や子育ての不安・悩みを相談できる場を提供することを目的として各地域に設置されています。無料で相談をすることができます。

児童相談所

0~17歳の児童を対象として、育児の相談、健康の相談、発達の相談など、さまざまな相談を受け付けています。必要に応じて、発達検査を行う場合もあり、無料で医師や保健師、心理士、言語聴覚士などから支援やアドバイスをもらうことができます。相談は予約制の場所もありますので、あらかじめお住まいの市町村のホームページなどを見て確認するとよいでしょう。

乳幼児健康診査

乳幼児健診は、各市町村の保健センターなどで行われているもので、赤ちゃんの病気の早期発見や予防と早期発見、発達について確認するための検査です。保護者が普段の子育てで疑問に思っていることや、なかなか話す機会がない不安などを専門家に相談できる場でもあります。

また、乳幼児健康診査は、同じ月齢期の赤ちゃんを育てる保護者も来ており、子育てを同じくする人と情報交換できる場所でもあるので、上手に活用しましょう。
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児童発達支援

児童発達支援とは、障害児通所支援の一つで、小学校就学前の6歳までの障害のある子どもが主に通い、支援を受けるための制度です。

児童発達支援事業所では、日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供するなど障害児への支援を目的にしています。児童発達支援を利用するには自治体で発行する「受給者証」という証明書が必要になります。
児童発達支援事業所では、子どもの発達について言葉の面だけではなく、運動面やコミュニケーションの面についても総合的に判断して、発達を促す支援を行っています。また、子育てにおいての悩み事を相談することもできます。

言葉の遅れが気になる子どもに対して、言語聴覚療法というトレーニングを行っている施設もあります。詳しくは、施設にお問い合わせください。
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児童発達支援とは?サービスや費用、手続きの流れなど【専門家監修】

以下のリンクから、全国の子どもの発達支援を専門に行っている施設や機関を検索することができます。
発達障害のお子さんが利用出来る全国の施設一覧 | LITALICO(りたりこ)発達ナビ
https://h-navi.jp/support_facility

まとめ

「年齢に比べて言葉が遅いのでは?」と子どもの言葉の発達が気になっている方もいると思います。

言葉に限らず子どもの発達は停滞したり、急に進んだりと個々によってペースはさまざまです。発達の段階を知ることによって、適切な関わり方を知り、子どもの発達をサポートすることができます。

言葉を話す前の子どもは体や心の中で言葉を発するための準備をしている段階です。言葉が遅れていたり出なかった場合には、つい言葉を教え込む方法に目がゆきがちですが、子どもとのやりとりを楽しんだり、子どもの経験を豊かにする環境を整えることも大切です。
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