学習障害の症状・困難の理由を理解しよう
学習障害の症状や困難の理由は一人ひとり異なるため、個人の特性に合わせて支援方法を考えていく必要があります。以下に例を示します。
見え方に偏りがある「視覚認知」の問題
見た情報を脳が処理する視覚認知の機能が弱く、文字を認識するのが難しいこともあります。また、文字をじっと見つめたり、視線を動かすことが困難で、行を飛ばして読んだり黒板の文字を写すのが苦手な場合もあります。見え方に特性があり、文字がぼやける、黒いかたまりになって見える、逆さまに見える、歪んで見えるなど違った見え方になってしまう場合もあります。
音韻認識が苦手
音韻認識とは、言葉の音韻構造を把握し、操作する能力のことです。音韻認識が弱いと、文字と音を結びつけるのが難しいため、音声を聞いて文字を書いたり、文字を見て即座に読み上げるのが難しいことがあります。
書く動作が苦手
文字を書くという動作自体が苦手なために、文字を揃えて書く、バランスを考える、筆圧を調整する、文字間の距離感を取るなどが難しい場合もあります。書く動作が苦手な場合、筆算の際に桁がずれることもあります。これは、脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだといわれています。
ワーキングメモリーの弱さ
ワーキングメモリーとは作業に必要な情報を一時的に記憶したり処理したりする能力のことです。ワーキングメモリーが弱いと、一度にいろいろなことをするのが苦手で、聞きながら書く、読みながら意味を考えるなどが難しいこともあります。また、記憶するのが苦手で、漢字の形や読み方をなかなか覚えられなかったりすることもあります。
記憶や推論が苦手な場合、数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識することや、文章題の意味を理解すること、グラフや表、図形などからイメージすることが難しいために、算数障害につながることもあります。
記憶や推論が苦手な場合、数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識することや、文章題の意味を理解すること、グラフや表、図形などからイメージすることが難しいために、算数障害につながることもあります。
感覚過敏・鈍麻がある
白い紙と黒い文字の強いコントラストが眩しく見えるなど、視覚過敏があるために文字が見えづらいケースや、聴覚過敏・鈍麻のために話が聞き取りづらかったり、集中できなかったりするケースもあります。
その子の困難の背景を考え、寄り添ってサポートを
学習の困難さの理由や原因は一人ひとり違います。その子がどこに困難を感じているのか、またその理由はどこにあるのかを観察してみるとよいでしょう。環境を調整したり、学習方法や使用する道具を工夫したりすることで対処法が見つかることがあります。
現在は、見分けやすいチョークやユニバーサルフォント、音声読み上げ機能のある電子教科書、タブレットやキーボードなど、学習障害のある子をサポートする道具や機器もあります。その子が学習しやすい方法があれば、学校での合理的配慮を求めることもできます。ぜひ、学習障害について理解を深め、サポートしていきましょう。
現在は、見分けやすいチョークやユニバーサルフォント、音声読み上げ機能のある電子教科書、タブレットやキーボードなど、学習障害のある子をサポートする道具や機器もあります。その子が学習しやすい方法があれば、学校での合理的配慮を求めることもできます。ぜひ、学習障害について理解を深め、サポートしていきましょう。
学習障害をもっと知るためのリンク集
発達障害についてもっとくわしく知る
発達障害を図解つきで分かりやすく説明!分類や原因や相談先、診断など【専門家監修】
LD・SLD(限局性学習症)とは?症状や特徴、診断方法について【専門家監修】
LD・SLD(限局性学習症)とは?診断や検査内容、他の発達障害との関係は?【専門家監修】
学習障害のある人が受けられる支援・サポートを知る
子育ての対処法やヒントを知る
参考資料
発達障害の子どもの心と行動がわかる本
西東社
Amazonで詳しく見る
LD(学習障害)のある子を理解して育てる本
学研プラス
Amazonで詳しく見る
子どもの癇癪(かんしゃく)とは?癇癪の原因や発達障害との関連は?癇癪を起こす前の対策と対処法、相談先まとめ【専門家監修】
- 1
- 2