「息子さんがパニック」就労支援事業所からの電話に「家でも暴れるかも」と覚悟したけれど。まっすぐ帰宅しなかった息子の変化

ライター:立石美津子
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自閉症の息子は就労移行支援事業所に通所しています。支援員から「パニックになっている」と電話がありました。

今までの経験から、「家でもパニックを起こすだろう」と息子の帰りを恐る恐る待っていたのですが…。

就労移行支援事業所でのパニック

自閉症の息子は就労移行支援事業所に通所しています。先日、支援員から「パニックになっている」と電話がありました。支援員からの話の概要はこのようなものでした。

「パソコンの訓練中、データを消してしまいました。自分がやったことに対して、自分自身が許せなかったようで、『悔しい』と言いながら目に涙を浮かべ、手をワナワナさせていました。

クールダウンする小部屋があるので、そこでの休憩を伝えました。部屋で手をブラブラ揺すっていましたが、自傷せず冷静にしようと努力していました。紙に書く、音楽を聴く、裏紙をびりびり破く、プチプチを潰すなどの対処法を薦めても『大丈夫です』と答えました。

感情のコントロールやイライラなどの課題に取り組む機会が少なかったため、貴重な時間となりました」

ワンクッションを息子自らおく

丁度その日は、事業所からの帰りに毎週楽しみにしている“放課後等デイサービスの卒業生の集まり”があったのですが…

その施設から「立石君から電話がありました。気分が優れず銀座線を見て家に帰るので、欠席するとのことでした」という連絡が入りました。
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息子が描いた銀座線
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私は「好きな電車を見てから、直帰する?集会も気分転換になるのに…」と思いました。
と同時に「ワンクッション置かずに家に帰ってくると、家で暴れて、私に当たり散らして大変なことになるぞ」と予想し、携帯の位置情報を確認しつつも、息子の帰宅を恐る恐る待っていました。
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息子、帰宅しても暴れない…!

しばらくすると、息子がドアをバーーーーーーンと開けて、物凄い勢いで家に入ってきたのですが…物を壊すこともなく、私に暴言を吐くこともなく、自傷することもなく…

「今日は9時30分に寝る!」(←本当は9時55分に寝たい)
「今日はトイレの動画を見ない!」(←本当は見たくて仕方がない)

と自分が一番望んでいない言葉を叫びました。これも一種の自傷で、身体を傷つけるのではなく、気持ちを傷つけているのです。
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