通信制高校3年、自閉症娘の大学選び。オープンキャンパスの個別相談で卒業要件や配慮を聞いてみた!
ライター:寺島ヒロ
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うちの娘、いっちゃんは高校3年生。ASD(自閉スペクトラム症)に加え、非24時間性睡眠覚醒症候群と呼ばれる睡眠障害もあるため、日中登校することが難しく高校は通信制を選びました。大学に進学したいという希望のあるいっちゃんですが、まず通い続けることができそうな大学を探さねばなりません。今回はいっちゃんが大学のオープンキャンパスに参加した時のことをレポートします。
監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
春はオープンキャンパスの季節!
オープンキャンパスとは、大学がキャンパスを受験生などに開放し、入試説明会や体験授業などを行うイベントのこと。
わが家のASD(自閉スペクトラム症)娘いっちゃんも高校3年生になり、いよいよ志望校を決めなければならない時期になりました。高校2年の夏休みはコロナに罹ってしまって一校も回れなかったので、今年の4月は毎週のように大学のオープンキャンパスの予定を入れていました。
息子の時は予約制ではなく、大勢の学生が列をつくっていたものだですが……今ではほとんどの大学がインターネットで予約を入れての時間差入場、時代は変わったものです。
いっちゃんの志望は芸術系。先生の授業の進め方も知りたいというので、体験授業もびっしり入れました。いっちゃんは声が大きくて早口の先生が苦手なのです。「叱られている感じがして、話の中身が頭に入ってこない」と言います。
キャンパスツアーと体験授業
いざオープンキャンパスへ!
オープンキャンパスのメニューは学校説明会、受験説明会、入学相談会などの学校の制度について教えてもらえるプログラムと、実際に学校の施設を見て回るキャンパスツアーや、模擬授業を受けられる体験授業などがあります。
オープンキャンパスのメニューは学校説明会、受験説明会、入学相談会などの学校の制度について教えてもらえるプログラムと、実際に学校の施設を見て回るキャンパスツアーや、模擬授業を受けられる体験授業などがあります。
今回はいっちゃんの希望でキャンパスツアーと体験授業に参加することにしました。
キャンパスツアーでは、在校生のボランティアが、見学者を10名ほどずつに分けて三角の旗で引率しつつ、校内の部屋や機材を紹介してくれます。所用時間は40分ぐらいです。
キャンパスツアーでは、在校生のボランティアが、見学者を10名ほどずつに分けて三角の旗で引率しつつ、校内の部屋や機材を紹介してくれます。所用時間は40分ぐらいです。
体験授業では、漆芸の講座を選び、実際に授業でも使う素材を使って小さな螺鈿(らでん)の作品を作りました。
体験授業は実際の授業時間と同じ90分でした。高校の授業時間に比べるとかなり長いですが、授業に参加した皆さんは長時間の作業でも集中して取り組んでいたようです。
いっちゃんも終始真剣な表情で作業に取り組んでいました。
体験授業は実際の授業時間と同じ90分でした。高校の授業時間に比べるとかなり長いですが、授業に参加した皆さんは長時間の作業でも集中して取り組んでいたようです。
いっちゃんも終始真剣な表情で作業に取り組んでいました。
入学相談会は学部専攻ごとに
この学校では、特に個別で相談をしたいという人のために、体験授業の会場の一部を相談会場としてセッティングしており、それぞれの学部学科、専攻に合ったアドバイスを受けられます。
これはほかの大学ではあまりやっていないことなので大変好印象でした!
学生の生活時間帯や研究の内容、使う絵具や薬品(アレルギーがあるかも)など、学生課での相談ではフォローしていない、専門的な細かいところも教えてくれるのがありがたいと思いました。
学生の生活時間帯や研究の内容、使う絵具や薬品(アレルギーがあるかも)など、学生課での相談ではフォローしていない、専門的な細かいところも教えてくれるのがありがたいと思いました。
入学相談会には、娘と一緒に参加し「娘には障害があり、登校しての授業に全ては参加できない可能性があること」「現在は通信制の高校に通っていること」を伝え、「ここで学ばせていただくには、出席日数はどの程度必要でしょうか?」と聞いてみました。
すると、理由があればいつでも授業を欠席できること、卒業要件としては出席日数はそれほど厳しくない(作品の評価の割合が大きい)ことを教えていただきました。
しかし、その場に参加して作業をしないと面白くない授業が多そうだという印象も持ちました。
しかし、その場に参加して作業をしないと面白くない授業が多そうだという印象も持ちました。
この大学では、座学だけでなく実習を伴う授業も多くあり、チームでのプロジェクトを経験する事が重要視されています。そのため、最初からあまり登校しないで済むようにデザインされている同じ大学の通信部のほうが娘には都合がいいかもしれません。
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いくつかの大学を見て...
このあとも、1ヶ月半ほどかけて、週末ごとに行われるオープンキャンパスに参加しました。
同じ大学の違う学部学科の体験授業を受けたり、また、ほかの大学のキャンパスツアーに出かけたりもしました。
同じ大学の違う学部学科の体験授業を受けたり、また、ほかの大学のキャンパスツアーに出かけたりもしました。
芸術系の学部ばかりを見たので、やっていることはそれほど違いはないのですが、なんとなく校内にある雰囲気が、微妙に、しかし決定的に違うなと感じました。
特に学部の教授、講師の方の作品や研究、学生への接し方などは、入学すれば毎日一番影響を受けることなので、絶対見ておくべきポイント。個人的には偏差値や卒業生の就職率より大事だと思っています。
さて、いっちゃんの進路は...?
5月の中旬時点で、まだいくつか回ってみる予定の大学を残していますが、娘は最初に行った大学の通信部に、かなり心惹かれているようです。
通信部は講師の先生方もインターネットで参加するので、アッと驚くような現役作家が何人も参加しています。これは常駐の講師で全教科を担当している地方の単科大ではなかなかできないこと、インターネット時代の通信教育ならではでしょう。「あの先生知ってる!直接見てもらえるの!?」と娘も目を輝かせていました。
通信部は講師の先生方もインターネットで参加するので、アッと驚くような現役作家が何人も参加しています。これは常駐の講師で全教科を担当している地方の単科大ではなかなかできないこと、インターネット時代の通信教育ならではでしょう。「あの先生知ってる!直接見てもらえるの!?」と娘も目を輝かせていました。
娘の希望がある程度固まったら、今度は入学を検討している大学の学生支援課(※名称は大学によって違います)へ、6~8月の間に具体的な支援について相談に行くことになります。
まだまだやることは多いですが、娘が自分の可能性を最大限に発揮できる環境を見つけられるよう、私も暑さに負けず頑張りたいと思います。
まだまだやることは多いですが、娘が自分の可能性を最大限に発揮できる環境を見つけられるよう、私も暑さに負けず頑張りたいと思います。
執筆/寺島ヒロ
(監修:藤井先生より)
高校3年の4月からオープンキャンパスに参加し、これから具体的な支援についても相談されるのはとても良いですね。秋頃になってから相談も可能だとは思いますが、早い段階から見学をすると、先生方の雰囲気、学生への接し方など細やかなところもゆっくりと見られるのが良いですね。いっちゃんが大学進学を希望し、大学の見学・検討をすることで、将来への選択の幅が広がったり、自信をつける機会になると思いました。いっちゃんにとって良い学ぶ場所が見つかることを応援しています。
高校3年の4月からオープンキャンパスに参加し、これから具体的な支援についても相談されるのはとても良いですね。秋頃になってから相談も可能だとは思いますが、早い段階から見学をすると、先生方の雰囲気、学生への接し方など細やかなところもゆっくりと見られるのが良いですね。いっちゃんが大学進学を希望し、大学の見学・検討をすることで、将来への選択の幅が広がったり、自信をつける機会になると思いました。いっちゃんにとって良い学ぶ場所が見つかることを応援しています。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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