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(237件)

凸凹のある子どもの発達を「業の肯定」という見方で捉えると?

こんにちは!保育士のたくまです。今日は少し変わった切り口で、「子どもの発達の凸凹」を私の敬愛する“立川談志さん”という落語家の言葉を借りて考えてみたいと思います。 立川談志さんは、破天荒で個性的な生き方を貫いた人ですが、その根底には「人間の業(ごう)を肯定する」という哲学がありました。 業(ごう)とは、サンスクリット語のカルマに由来する仏教用語で、行為全般を意味します。善悪を問わず、身体、言葉、心による意志を伴うすべての行いを含み、その行いが将来に影響を及ぼすという「因果」の考え方と結びついています。 よく「業が深い」なんていう風に言ったりしますが、現代では主に「欲が深い」「運が悪い」といったネガティブな意味で使わることが多いと思います。なので、「業(ごう)」という言葉を聞いて、良いイメージを持つ方は少ないかもしれません。 この「業の肯定」というのは、「業」を「肯定」するということですから、すなわち「人間は完璧にはなれない。どうしても直らない部分や、弱さもひっくるめて“それがその人なんだ”と受け止めよう」という考え方です。 私たちが日々関わっている発達に凸凹のある子どもたちにも、それぞれ“業”のような部分があります。 たとえば、 ・こだわりが強くて、他のやり方を受け入れにくい ・切り替えが遅くて次の行動に移るのに時間がかかる ・空気が読めず、場を乱してしまう ・思ったことをすぐ口に出してしまう これらは一見「困った特性」に見えますが、見方を変えれば、 「自分の信念を貫く強さ」 「集中力があり丁寧でまじめ」 「正直で嘘をつけない純粋さ」 「空気よりも真実を大切にする誠実さ」 でもあります。 談志さんの言う「業の肯定」とは、まさにそうした「人間くささ」を丸ごと受け入れることなのだと私は解釈しています。 発達に凸凹がある子どもたちを育てていると、「どうしてうちの子は⋯」と落ち込む日もありますよね。けれど、“業”の視点から見ると、その「どうして⋯」の中にも、その子らしさがあると思っていて。 たとえば、泣いてばかりの子も「感受性が豊か」だからこそ泣くのかもしれません。自分の世界にこもる子も「心の中に豊かな宇宙」を持っているのかもしれません。目に映るもの全てに反応し、落ち着きがない子は「自分が生きているこの世界の素晴らしさを丸ごと受け入れている」だけかもしれません。 談志さんは晩年にこう言いました。「人間は業を背負って生きている。だから面白いんだ。」 子どもたちの凸凹も、「直すべき欠点」ではなく、「人としての味わい」のひとつとして捉えてみる。それを周りの大人が認め、笑って受け止めてあげられたら、きっとその子は、自分を嫌いにならずに、のびのびと生きていけるのだと思います。 いうなれば、子育ては「業」を見つめる旅みたいなもの。「うちの子のこの特性、ちょっと大変だけど、これがこの子ならではの味わいだな」そう思えたら、少し肩の力が抜けるかもしれませんね。 ユリシスでは今日も、子どもたちの“業”を、愛とユーモアで包みながら見守っていきたいと思います!

ユリシス・キッズTakabata/凸凹のある子どもの発達を「業の肯定」という見方で捉えると?
教室の毎日
25/11/14 19:25 公開

子どもの「やる気スイッチ」に火をつける一番の方法教えます!

こんにちは!保育士のたくまです。日々「やる気」と戦う47歳がここにいます。ベースが“めんどくさがり”なのが影響して、日々の生活において、なかなか「やる気スイッチ」が入りづらいと感じています。 一体なぜ「やる気が起きない」のか?簡単に分析すると、その理由は「やらないと後々困るのは重々承知だけど面倒だから」に尽きるのかなと。 例えば、毎年恒例の「年末調整の書類提出」。面倒だけど、やらないと後々困るのは自分自身だということは明らかなわけで。 自分の中でやらないといけないとわかっていても、何故だか「あと回し」にしちゃうんですよね。で、そうこうしているうちに期限が迫って、慌てて提出する羽目になるのです(汗) だって、面白くもなんともないじゃないですか。「面白い、面白くない」とか、そういう次元の話ではないと重々承知の上なのですが。 だから、子どもたちがすすんで宿題をやらない気持ちがすごく分かるんです。でも、「やらないと後々困る」からやるんですよね。将来のため?いえいえ、「やってないとママに怒られる」「提出しないと先生に叱られる」「みんなの前で恥ずかしい思いをする」それは困る。だから、渋々やる。 さてさて、今日はそんな子どもの「やる気」について、少し変わった角度からお話できたらいいなと思います。 毎日子育てをしていて、子どもが「やる気を出してくれない」「すぐ飽きちゃう」と感じたこと、ありませんか? 実は、そんなときに一番効果的なのは「親が楽しそうにやる姿を見せること」なんですよ。 脳の中には「ミラーニューロン」と呼ばれる神経細胞があります。これは、他人の行動を見ると、自分が同じことをしているかのように反応する「共感の神経」と言われています。 たとえば、誰かが楽しそうに笑っていると、つられて自分も笑ってしまうことがありますよね。目の前の相手が飲み物を飲むと、つられて自分も飲んだり。あれは、まさに脳の中のミラーニューロンが働いているからです。「子は親の鏡」なんてよく言いますが、科学的にもちゃんと根拠があったんですね。 つまり、「やってみよう!」という気持ちは、親や周りの大人の姿を見て自然に生まれるんですね。 子どもに「勉強しなさい」「片づけなさい」とストレートに言っても、なかなか動かない。そんなときこそ、声かけに変化球を投げてみてはいかがでしょうか。 「ママも片づけしようっと!」 「パパも一緒にやってみようかな?」 親が楽しそうに始めると、子どもは「なんか楽しそう」「自分もやってみようかな」と感じます。それが「やる気スイッチ」に火をつけるきっかけになるってことですね。 子どもに「もっと勉強してほしい」と願うなら、親が新聞や本を読んで勉強している姿を見せる。 子どもに「夢に向かって努力する人になってほしい」と願うなら、親が夢に向かって努力している姿を見せる。 マイナス5kgのダイエットを目指して、毎日欠かさずジョギングと筋トレで一生懸命に汗を流すパパを見て、子どもはきっと何かを感じとるはず。 子どもは言葉よりも「雰囲気」や「表情」から学ぶ名人です。「やりなさい」より、「一緒に楽しもう」。それが、ミラーニューロンの力を最大限に活かす魔法の言葉じゃないでしょうか。 今日も、お子さんの前で楽しそうに何かを始めてみませんか?あなたの笑顔が、きっとお子さんの「やる気のスイッチ」になりますよ。

ユリシス・キッズTakabata/子どもの「やる気スイッチ」に火をつける一番の方法教えます!
教室の毎日
25/11/10 10:03 公開

自閉スペクトラム症の子どもの「パターン学習」を理解しよう

こんにちは!保育士のたくまです。今日は、「自閉スペクトラム症(ASD)」の子どもたちがよく見せる「パターン学習」についてお話ししてみたいと思います。 自閉スペクトラム症の子どもたちは、「決まったやり方」「おなじ順番」「同じ道」など、一定の流れやルールの中で安心する傾向があります。これを支えているのが、いわゆる「パターン学習」と呼ばれるもの。 たとえば、 ・学校に行くときは必ず同じ道 ・朝は必ず右足から靴を履く ・宿題の前におやつを食べる ・スーパーでは必ずお菓子コーナーに寄る こうした「いつも通り」の行動が、子どもにとって「安心の型」なんですね。 どうして「いつも通り」にこだわるのか、というところですが、そもそも脳の情報処理の特徴として、「予測できることが安心」「突然の変化が不安」という傾向があります。 だから、同じパターンを繰り返すことで、「次に何が起きるか分かる」→「安心できる」→「落ち着いて行動できる」という、良いリズムを作っているんですね。 つまり、こだわりではなく、自分自身を安心させるための仕組みと言えます。 でも、これって何も自閉スペクトラム症の子どもに限ったことではなくて、私たちも多かれ少なかれそういう傾向にあると思います。 新しい環境、新しい生活、新しいクラス、新しい職場。そんな中では、わくわくとドキドキが押し寄せて「不安」な気持ちになりますよね。前日の夜は緊張で眠れなかったりして。 「友達ができなかったらどうしよう⋯」「授業中に先生に指されたらどうしよう⋯」「上司が怖い人だったらどうしよう⋯」などと、布団の中であらぬ妄想だけが膨らみます。 だからこそ、せめて日常のルーティンは守りたい。同じ服、同じごはん、同じ道。いつもと同じ風景を見て安心する。たとえ人から「こだわりすぎている」と言われようとも。 でも、それってある意味、人としてとても健全だと思っていて。不安があるからこそ人類は生き延びてきたし、ここまで発達して来られたのだと思います。 少し話が逸れましたが、要するに、結論としては「パターンに頼ることは悪いことではない」ということ。むしろ、うまく使えば「学びの力」に変わります。 たとえば、「同じ手順で練習する」。毎回おなじ順番で靴を履く練習をすると、体の動きがスムーズになります。 そして、視覚的に見える形にする。「①手を洗う→②タオルでふく→③席に座る」などを絵カードにしてあげると、子どもはパターンを理解しやすくなります。 そして、慣れた流れに少しだけ変化を入れることで、「変化も大丈夫」という経験を積めます。(例:お菓子コーナーに寄ったあと、今日は飲み物コーナーにも行ってみよう、など) 子どもが同じことを繰り返していると、「なんでいつも同じなの?」と感じることもありますよね。でもそれは、「自分の世界を安全に感じるための橋」を渡っている最中。「石橋を叩いて渡る」なんてことわざがありますが、まさにそんなイメージですかね。 その橋をいきなり壊すのではなく、少しずつ広げていくサポートが大切ではないかと思います。 ユリシスでも、日々の支援で「子どもが安心して変化に向き合える力」を育てていますよ。 子どもたちは、「パターンの中で生きて」「パターンの中で成長する」存在。その仕組みを理解してあげると、日々のこだわりが問題ではなく、個性の入り口に見えてきます。 おうちでも、「この子なりの安心の型、どんなパターンがあるかな?」と、少し観察してみると、その子がその子らしく輝けるはずですよ。

ユリシス・キッズTakabata/自閉スペクトラム症の子どもの「パターン学習」を理解しよう
教室の毎日
25/11/07 10:43 公開

高校球児の涙や有名漫画のラストから学ぶ「負けの美学」

こんにちは!保育士のたくまです。突然ですが、みなさんは「負けず嫌い」ですか? 私は負けても「まぁ、いいか〜」と割とすぐに立ち直れるタイプでして。まぁ、ジャンルにもよりますが、ゲームやスポーツにおいては、ほぼほぼそういうマインドでやり過ごせる自信があります。 だって、たかがゲーム、たかがスポーツ。負けたとて、命を落とすわけでもないし。敗者と勝者がいるのはある意味、自然の摂理なので。そもそも長い人生、ず〜っと勝ち続けるなんて無理な話で。「勝てばラッキー」くらいの気持ちが自分には丁度いいんです。 まぁ、この考え方自体には賛否両論ありそうですが、こと勝負ごとに関しては昔から私はそういうマインドです。「真剣味が足りない」「冷めている」と言われればそれまでですが。 さてさて話を戻して、子どもたちの中には、ゲームや競争で「絶対に負けたくない!」という強い気持ちを持つ子がいます。ユリシスにも、それはもう星の数ほどいます⋯。すみませんちょっと盛りました、在籍の5分の1くらいはそういう子たちです。 負けてしまうと泣いたり、怒ったり、時には物を投げてしまったり。そんな姿を見ると、「もう少し穏やかに楽しんでくれたらいいのにな」と思ってしまうこともあります。 でも実は、その「負けたくない」という強い気持ちは成長の芽でもあって。悔しさの裏には、「もっと上手になりたい」「認められたい」という心が隠れていたりするんですよね。 ここでちょっと例え話を。 毎年、甲子園で全力プレーを見せる高校球児たち。優勝したチームはもちろん素晴らしいですが、私たちの心を打つのは、実は涙を流して敗れたチームの姿ではないでしょうか。 試合が終わっても、負けた選手たちは相手チームに礼をし、仲間と抱き合いながら泣きます。その姿には「やり切った悔しさ」と同時に、「自分自身を超えようとした誇り」があります。そういう姿に観ている人は感動を憶えるんですよね。 ここにこそ、「負けの美学」があるのだと思います。負けを通して、自分を見つめ直し、次に進む力を育てる。これは、子どもが社会で生きていくうえで、とても大切な経験だと思っていて。 もう一つ例え話を。 少し昔の話になりますが、漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈は、勝ち続けるだけのヒーローではありません。(ご存知ない方はぜひ、「あしたのジョー」でググッてみて下さい) 彼は何度も負け、悩み、ボロボロになりながら、それでも「自分の信じる戦い方」を貫いたんです。(丹下段平の「立て⋯!立つんだジョ〜ッ!」はあまりに有名) 最後に彼が見せた「真っ白に燃え尽きた姿」は、まさに「負けの美学」の象徴。勝ち負けよりも大切なのは、自分の全力を出し切ったかどうか。その姿が、人の心を打つ。カッコいいんです。 負けるということは、次の挑戦へのスタートラインに立ったということ。勝った相手に拍手を送れる心を持てるようになれば、それはすでに大きな成長じゃないでしょうか。 私たち大人が子どもにできることは、「勝てたね」「負けちゃったね」と結果だけを評価するのではなく、「最後まであきらめなかったね」「工夫してたね」と努力の過程を認めること。 そして、負けてしまっても「次は、どんな工夫をしたら勝てるかな?」と、負けから学ぶ姿勢を持つこと。 そうすることで、子どもは少しずつ「勝つこと」よりも「自分らしく頑張ること」「負けから何を学ぶか」に価値を感じられるようになると思っていて。 ユリシスでも、運動遊びの中で「勝った・負けた」という場面は日常的にあります。でも、私たちが一番伝えたいのは、「勝ち方」ではなく「負け方」。 悔しさをバネにして、また前を向ける力こそが、社会で生きる本当の強さではないでしょうか。『あしたのジョー』の矢吹丈のように、倒れても立ち上がり、涙のつぶだけたくましく、傷ついてしなやかに(映画『明日のジョーの』主題歌“美しき狼たち”より引用) ご家庭では、お子さんが負けて泣いた時こそ、「それだけ一生懸命だったんだね」と抱きしめてあげて欲しい。その瞬間が、負けを成長に変える第一歩だと思っていて。 負けることを恐れずに挑戦できる子に。そんな優しくて、強い心を一緒に育てていけるといいですよね。

ユリシス・キッズTakabata/高校球児の涙や有名漫画のラストから学ぶ「負けの美学」
教室の毎日
25/11/04 10:27 公開

子どもの「睡眠リズム」を作るために必要な3つのポイント

こんにちは!保育士のたくまです。最近、お子さんの「寝つきが悪い」「朝起きられない」といったご相談をよく耳にします。 十分な睡眠が確保できないと日中はなんだかボーっとしたり、自律神経が乱れてイライラし、感情のコントロールが上手く出来なくなったり。じわじわと日常生活に支障をきたしはじめます。 「睡眠リズム」って、一度崩れるとなかなか立て直しが難しかったりしますよね。早く寝かせようと思っても、当の本人は眠くなくて、なかなか寝付けなかったり。 眠くなるまで待っていたら、気づくと日付けをまたいでいた、なんてことも。そしたらまた朝起きられない。このループにハマると抜け出すのは容易ではなかったりします。ご経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 「早寝早起き」を理解はしていても、実行に移すのって結構難しかったりします。「一流ホテルのモーニングビュッフェが食べられる」と分かっていたら早起きできそうなものですが、現実的に毎日は無理ゲーで。あわあわ、私もとても苦手です(汗) そんなわけで、今日はこの「睡眠リズム」について、お話ができたらいいなと思います。 そもそもこの「睡眠リズム」、生活のリズムや食生活とも深く関係しているってご存知ですか? 一番の「リセットスイッチ」は、朝、カーテンを開けて太陽の光を浴びること。光を浴びると、脳の中で「セロトニン」という幸せホルモンが分泌され、そのセロトニンが夜になると「メラトニン」という眠りのホルモンに変わると言われています。 つまり、朝の光が夜の眠りを作るということなんですね。朝はとにかくカーテンを開けて日光を浴びる。それだけで、睡眠リズムの土台ができるので、やってみる価値は大いにありそうですよ。 でもって、メラトニンやセロトニンは、実は「食べ物」から作られます。材料となるのがトリプトファンというアミノ酸。 トリプトファンを多く含む食材は、 ・納豆 ・豆腐 ・牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品 ・卵 ・鶏むね肉 など。 これらを毎日の食事にちょっとずつ取り入れることで、体が眠る準備を自然にできるようになりますよ。 そして、トリプトファンをセロトニンに変えるには、ビタミンB6(魚やバナナ)や炭水化物(ごはんやパン)も大切。いろんな食材をバランスよく食べることが、実は「心と眠りの安定」につながっているんですね。 そして、寝る前のスマホやタブレットの光はメラトニンの分泌をストップさせてしまうので要注意。脳が覚醒して、眠りを妨げてしまいます。寝る1時間前は「デジタルデトックス」がおすすめですよ。 夜は穏やかな音楽を流したり、絵本を読み聞かせしたり、親子で「今日の楽しかったこと」を話したり、心が落ち着く時間を作るのもおすすめ。(ちなみに私のおすすめは「虫の音BGM」。めちゃくちゃ癒されますよ♪) と、いうわけでこれが「安心して眠りにつけるリズム」を整える第一歩。睡眠リズムを作るために大切なのは、1.朝日を浴びてセロトニンを作る、2.食事でセロトニンを作る、3. 夜は光を減らして心を落ち着ける。この3つがそろうと、自然に「眠りのスイッチ」が入るようになります。 お子さんの眠りが整うと、日中の集中力や感情の安定もぐっと高まります。できることから、無理なく少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

ユリシス・キッズTakabata/子どもの「睡眠リズム」を作るために必要な3つのポイント
教室の毎日
25/10/31 10:44 公開
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