【模倣は相手の身になること】【共感の形成】
・模倣性の基礎がもともとあり、そして、それを引き出す関りを家族や周りの人たちが行なっていれば、自然に、模倣性は向上し、子どもは模倣を通じて、人の様々な言葉や行動、考え方、そして、文化を獲得していきます。
・また、模倣するということは、「その人を自分に映す」ことであり、「その人になる」ことです。
・模倣するということは、その行動に伴う体の感覚や感情、時に行動の大変さや重苦しさを獲得していきます。そして、相手への共感が形成されます。
・しかし、模倣が活性化しないと、社会で生きていくために必要な、様々なスキル(技術)や文化の獲得が不十分になると共に、人に対する共感性も形成されなくなります。
・共感性が形成されないと、人を思いやることができません。
※共感とは、相手の身になって、相手の感情や考えを実感することであり、自分を相手に置き換えて感じ、考えることです。
※理屈や理論ではなく、実感です。
●自閉スペクトラム症の子どもたちは、発達初期から、そもそも人への関心が乏しく、乳幼児期の段階で模倣をほとんど起こさないため、共感性をスムーズに形成できず、「心の理論(サリーとアンの課題等)」を獲得できません。
※なお、自閉性がなくても、マルトリートメント(不適切な養育、虐待等)、及び、過保護、過干渉など、つまり、愛しすぎ、手をかけすぎ、口を出しすぎなどによって、で模倣的な発達をなしていない子どもも、共感性が十分に形成されず、「心の理論」を通過しません。
【不器用な運動】【逆行運動】【力加減が出来ない)】
※模倣的な発達の道のりを歩んでいる子は、滑らかな身体運動が可能で、力も柔軟にコントロールできますが、そうでない子は、運動は不器用でぎこちなく、力加減ができません。
・また、強いストレスがかかったり、緊張すると、逆行運動(意識とは正反対の行動)が現れやすいです。
…次回に続く… 但田たかゆき
【子どもの発達にとって大切なこと】Part3
教室の毎日
22/10/22 21:22