児童発達支援ではどのような支援を行うの?【児発の支援プログラム】
児童発達支援(児発)は未就学児を対象とした、障害児通所支援事業の一つです。子どもたちは施設(事業所)に通いながら、困りごとに合わせて日常生活や集団活動に関するさまざまなプログラムを受けることができます。ただ、なかなか具体的なプログラム内容が分からず、利用を悩んでいる保護者の方もいるのではないでしょうか。今回は児童発達支援(児発)で提供されている主なプログラムを紹介します。
児童発達支援でのプログラムの受講方法と通い方は?
児童発達支援(児発)のプログラムは集団や個別などいくつかの受講方法があり、利用する施設(事業所)や子どもの状況などによって変わってきます。また、通い方も一日通して通うか、特定のプログラムのみ受けに行くかなどいくつかパターンがあります。それぞれ紹介していきます。
児童発達支援(児発)の受講方法
プログラムの受講方法には主に、
- ・個別支援
- ・集団活動
- ・親子活動
などの種類があります。
個別支援
子どもと支援者が一対一でプログラムを受ける受講方法です。子どもの特性に合わせてきめ細かな指導ができるメリットがあります。
個別支援
複数の子どもが一緒にプログラムを受ける受講方法です。多くの子どもと関わるため、協調性やコミュニケーション能力を養うことができるメリットがあります。人数は施設(事業所)によってまちまちです。
親子活動
親(保護者)と子どもが一緒にプログラムを受ける受講方法です。親子一組だけの場合もあれば、多くの親子が一緒に参加する形式もあります。親が子どもの様子を把握しやすい点や、子どもとの関わりを学べるというメリットがあります。
児童発達支援(児発)の通い方
児童発達支援(児発)は通い方は、
- ・1日通う
- ・プログラムごとに通う
があります。また、送迎を行っている施設(事業所)もあるので合わせて紹介します。
1日通う
保育園や幼稚園のように、朝に施設(事業所)に通所し午後に帰宅する通い方です。
1日通う場合の流れの例
- ・9:30 通所
- ・10:00 朝の会・午前プログラム
- ・11:30 給食・自由時間
- ・13:00 午後プログラム
- ・14:00 おやつ
- ・14:30 帰りの会・帰宅
1日通う場合は、プログラム以外の時間にもほかの子どもや支援者と関わりを持つことができるという特徴があります。
プログラムごとに通う
受講するプログラムに合わせて通所する、習い事に近い通い方もあります。プログラムを受講したら帰宅するので、子どもの負担が少ないことや、ほかの子どもとのコミュニケーションが苦手な子どもにも通いやすくなっています。
送迎
子どもの送迎を行っている施設(事業所)もあります。スタッフが自宅や保育園まで迎えに来て、プログラム受講後は自宅まで送り届けてくれるため、保護者や子どもの移動の負担を軽減することができます。送迎の有無や送迎可能な範囲は施設(事業所)によって異なります。
支援プログラムの例
児童発達支援(児発)では子どもの発達の状態に合わせて支援計画が立てられ、それに沿ったプログラムが提供されます。プログラムは、5領域(「健康・生活」、「運動・感覚」、「認知・行動」、「言語・コミュニケーション」、「人間関係・社会性」)の評価に基づいて設定されています。お子さんの特性に合わせて選ぶことが必要です。なお、施設(事業所)ごとに提供する支援内容の特色は異なっており、集団での運動プログラムや創作活動がメインで提供される施設もあれば、個別や小集団が中心の施設もあります。
プログラムの種類としては、
- ・発語を促すトレーニング
- ・社会性・コミュニケーションスキルのトレーニング
- ・日常動作のトレーニング
- ・就学準備プログラム
- ・運動プログラム
- ・その他の支援 など
があります。
それぞれ概要と具体的なプログラムの例を紹介します。
発語を促すトレーニング
言葉の遅れがある子どもを対象に、特性や発達段階に合わせて発話を促すトレーニングを行うプログラムです。
具体的には、
- ・話す意欲を引き出すトレーニング
- ・おもちゃやイラストを使って言葉を引き出すトレーニング
- ・語彙力を増やすトレーニング
- ・言語聴覚士による構音指導
などのプログラムがあります。
社会性・コミュニケーションスキルのトレーニング
SST(ソーシャルスキルトレーニング)などを用いて、人との関わりや集団での活動に関するスキルを身につけていくためのプログラムです。
具体的には、
- ・あいさつの仕方のトレーニング
- ・人の話を聞くトレーニング
- ・ゲームを通してルールや協調性を学ぶトレーニング
- ・自分の気持ちを伝えるトレーニング
- ・感情をコントロールするトレーニング
などのプログラムがあります。
日常動作のトレーニング
食事や排せつ、着替えなどの日常動作を学ぶためのプログラムです。ADLトレーニングなどとも呼ばれることがあります。
具体的には、
- ・折り紙や工作など遊びを通して手先を使うトレーニング
- ・箸やハサミなどの道具を使うトレーニング
- ・歯磨きや靴を履くなど動作を学ぶトレーニング
- ・トランポリンなどの器具を使ってバランスを鍛えるトレーニング
- ・理学療法士や作業療法士による専門的なトレーニング
などのプログラムがあります。
就学準備プログラム
就学を控えた子どもを対象に、学習や学校のルールに慣れるためのプログラムを行っている場合もあります。
具体的には、
- ・集中して授業を受けるためのトレーニング
- ・授業のルールや発言の方法を学ぶトレーニング
- ・読み書きや数の概念を学ぶトレーニング
- ・給食当番など役割の疑似体験
- ・時間割や黒板の見方を学ぶトレーニング
などのプログラムがあります。
運動プログラム
遊びや器具を使ったトレーニングを通して、視覚や触覚、聴覚などの感覚を活用できるようにしたり、身体の使い方を学んでいくプログラムです。
具体的には、
- ・遊びを通して身体を使う意欲を伸ばすトレーニング
- ・トランポリン、平均台、跳び箱などの器具を使ったトレーニング
- ・集団でのゲームを通して身体の使い方を学ぶトレーニング
などがあります。また、室内だけでなく屋外に出て公園などで身体を動かすプログラムを提供している場合もあります。
その他の支援
ここまで児童発達支援(児発)で提供している主なプログラムを紹介しましたが、施設(事業所)によってはほかにもさまざまなプログラムを取り入れています。
例えば音楽を通じて感性などを育てるリトミックや、絵を描くなどの芸術を使ったアートプログラムなどを取り入れている施設(事業所)もあります。
また、場所によっては児童発達支援(児発)以外の施設(事業所)と連携して、老人や障害のある方と一緒にゲームなどに取り組むプログラムや、牧場と連携して乗馬など動物と触れ合うプログラムを提供している例もあります。
ほかにも、児童発達支援(児発)は子どもが施設(事業所)にいる間に保護者がリフレッシュするレスパイトケアの側面も持っています。
ここまで児童発達支援(児発)の支援プログラムについて紹介しました。児童発達支援(児発)のプログラムは受講方法も具体的な内容も施設(事業所)によって大きく異なります。施設(事業所)ごとのプログラム内容はサイトなどで確認できるほか、基本的に見学や体験を行うことも可能です。
施設(事業所)では、子どもの発達に合わせて支援がされますが、それぞれの特色に違いがあります。子どもの興味や特性、困りごとや保護者の負担なども考慮して、発達支援専門員とも話し合うなどし、子どもに合う施設を選べるとよいでしょう。
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