
放課後等デイサービス、中学生、高校生でも利用できる?支援内容や活動例をご紹介
中学生、高校生も放課後等デイサービスを利用可能
放課後等デイサービスは障害のある就学児への福祉サービスです。就学児とはここでは小学校~高等学校までの学校に通っている人を指しており、幼稚園や大学に通っている場合は対象となりません。
また、該当する学校に在籍していれば不登校の状態でも利用可能ですが、退学した場合は対象外となります。
なお、令和6年4月からは専修学校に通っている場合も対象に含まれると明記されました。
放課後等デイサービスというと小学生が通うものとイメージする方もいるかもしれませんが、中学生や高校生の利用者も多くいます。厚生労働省が実施した令和元年度障害者総合福祉推進事業の調査では、1ヶ月の平均利用者で小学生が約18人に対し、中学生は約5人、高校生は約4人という割合で利用しているというデータもあり、決して少ない人数ではありません。
参考:厚生労働省|令和元年度障害者総合福祉推進事業放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究報告書 令和2年3月 みずほ情報総研株式会社
中学生や高校生で放課後等デイサービスを利用する理由はさまざまですが、小学校では表面化しなかった困りごとが、中学生、高校生と環境が変わったために顕在化したことで利用を検討したという方もいます。また、不登校の状況で放課後等デイサービスを居場所として利用するという場合もあるようです。
どのような支援内容がある?
放課後等デイサービスでは障害のある子どもの日常生活や学校生活での困りごとを解消するために、一人ひとりに合わせてコミュニケーション、学習の進め方、身体の使い方、自己管理などに関するさまざまな支援が行われています。
大まかな支援の考え方はどの年齢でも共通ですが、具体的な困りごとは中学生、高校生と学年が上がるにしたがって変わってきて、それによって支援内容も変わってきます。
例えば、中学生になってから定期テストのためにスケジュールを組んで勉強することが難しいという困りごとが出てきた場合に、その人の特性に合わせたスケジュール管理方法を身につけるための支援が行われる、といった具合です。
中学生、高校生向けの支援として特徴的なものに、自立支援と就労支援があります。
自立支援は社会生活を送るうえで必要になるスキルの取得などの支援です。
主なものとして、
・生活全般のスケジュール管理
・思春期に合わせた人との付き合い方
・お金の管理
・交通機関の使い方
・SNSやゲームとの付き合い方
などがあります。
就労支援は社会に出ることを見越したさまざまな支援です。
主なものとして、
・職場体験実習
・業務スキルの訓練
・就職準備
・ストレスコントロール方法の取得
などがあります。
このあとは、中学生、高校生で自立支援と就労支援がどのように行われているのか紹介します。
中学生
中学生になると関わる生徒、先生が変わるほか、思春期になり異性を意識するなど内面的な変化もある時期です。それに従って、人との距離感がわからなくなるなどの困りごとも出てくるため、コミュニケーションの支援も思春期を想定した内容が加わります。
また、定期テストが実施されるなど自主性が求められることが増えるため、タスク管理、スケジュール管理方法を身につけるための支援も行われます。行動範囲も広がり友だちと街に遊びに行く機会も増えてくるため、金銭管理やバスや電車の乗り方などの方法を学ぶ支援を行っている事業所も多いようです。
ほかにも、スマートフォンやゲーム機を持つようになり、SNSやゲームにのめりこんでしまうという場合は、適度に楽しめるようにするための支援などもあります。
高校生
高校生になると中学生までの支援に加えて、進路や就労を意識した支援が多くなっている傾向があるようです。
仕事をイメージする機会として、さまざまな職場に出向いて実際の仕事を体験させてもらう職場体験実習や、事業所内でパソコンを使った模擬業務などの支援を実施している事業所があります。
また、仕事のスキルだけでなく名刺交換や上司や同僚への言葉遣いなど、ビジネスマナーを学ぶプログラムなどの支援もあります。
それと同時に、社会に出た後のことも想定して、家事やストレスコントロール、余暇の過ごし方などを学ぶワークなどを提供している事業所もあるようです。
不登校への支援
放課後等デイサービスでは不登校児の支援も行っています。
不登校児への支援としては、自己肯定感を高めていくことが大事とされており、放課後等デイサービスでの活動を通して成功体験を積んでいけるように意識して行われます。支援は不登校になった背景を踏まえて学校、家庭とも連携しながら計画を作成して実施されます。
具体的には、学習やコミュニケーションなど不登校になった要因を解消する支援や、居場所や同年代との交流の場として放課後等デイサービスで過ごせるようにするなどの支援があります。
本人だけでなく保護者向けの支援もあり、子どもが不登校になった要因の分析や社会参加へのステップの把握、子どもとの関わり方、活用できる支援などが学べるプログラムを提供している事業所もあるようです。
また、放課後等デイサービスの利用が在籍校の出席扱いとなる場合もありますが、その可否については放課後等デイサービスでの活動内容や各学校の裁量によって判断されます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
参考:不登校の子どもも放課後等デイサービスを利用できる?支援内容は?【放課後等デイ(放デイ)】
ここまで放課後等デイサービスで行われる中学生、高校生向けの支援内容について紹介してきました。支援内容は学年で決まっているわけではなく、子どもの特性や置かれている状況、今後の希望などでも変わってきます。
また、放課後等デイサービスは中学生、高校生も対象に含まれていますが、実際の利用判断は自治体が行います。利用を検討している方は自治体の障害福祉窓口や障害児相談支援事業所などに相談することから始めるとよいでしょう。
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