【児童発達支援・放課後等デイ(児発・放デイ)】障害児通所支援施設の探し方

児童発達支援(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)の利用を考えていて、「いつから、どうやって施設(事業所)を探したらいいのだろう?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

障害児通所支援を行う施設(事業所)は、増加傾向にあります。事業内容も多様化する中で、探す際のポイントや調べる方法を知ることで、効率的に子どもに合う施設(事業所)を探すことができるかもしれません。今回は児童通所支援の施設(事業所)を探すポイント、見つけ方を紹介します。


児童発達支援・放課後等デイ(児発・放デイ)などの障害児通所支援の施設、どう探す? 利用条件は?

児童発達支援(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)などの障害児通所支援の福祉サービスを利用するには、保護者が自分で通所できる施設(事業所)を探して契約する必要があります。

厚生労働省の調査によると、障害児通所支援を行う施設(事業所)は、年々増加しています。

全国にある施設(事業所)の数は、令和3年(2021)度の調査で児童発達支援事業で約10,000、放課後等デイサービス事業で約17,000でした。これは平成29年の調査と比べると、児童発達支援で約4,000、放課後等デイサービスでも約6,000増加していることになります。

施設(事業所)数が増加し、事業内容も多様化していることから、どうやって施設(事業所)を選んだらよいのか迷っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。また、せっかく調べてもいざ利用しようとすると施設(事業所)の定員に空きがなく、通えないというケースもあるようです。

ここでは、児童発達支援や放課後等デイサービスの施設(事業所)の情報を集める手段や流れについて紹介します。

出典:
社会福祉施設等調査の概況 | 厚生労働省
令和3年度社会福祉施設等調査の概況 | 厚生労働省

児童発達支援・放課後等デイ(児発・放デイ)の違いは? 障害児通所支援の種類

障害児通所支援の福祉サービスは、目的や対象によって分かれています。

児童発達支援(児発)…障害のある未就学児が対象。日常生活の自立のための療育や学習支援、運動プログラムなどが行われます。療育手帳などの障害者手帳、また医学的診断名がなくても、専門家の意見書などを提出して必要性が認められれば、利用することができます。

放課後等デイサービス(放デイ) …障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が学校の授業終了後や長期休暇中に利用することができます。原則18歳未満が対象です。
生活力向上のために専門的な療育を行う施設(事業所)もあれば、パソコン教室や運動など、子どもの得意なことや興味のあることに近い活動を行っている施設(事業所)などもあります。療育手帳などの障害者手帳、また医学的診断名がなくても、専門家の意見書などを提出して必要性が認められれば、利用することができます。

ほかにも、重度の障害などのため、外出することが困難な障害児を対象に居宅を訪問して発達支援をする 「居宅訪問型児童発達支援」、保育所など集団生活の適応のための専門的な支援を行う 「保育所等訪問支援」があります。

施設を利用するには?「障害児支援利用計画案」「受給者証(通所受給者証)」の準備

施設(事業所)を利用するためには、利用したい施設(事業所)を見つけることから、利用に必要な事前の手続き、施設(事業所)との契約まで保護者自身で行わなければいけません。

児童発達支援(児発)、放課後等デイサービス(放デイ)を行う施設(事業所)を利用するためには、お住まいの市区町村で発行される「通所受給者証」が必要です。福祉サービス利用のための証明書を広く「受給者証」というため、「障害児入所支援受給者証」や「自立支援医療受給者証」などさまざまな受給者証がありますが、ここでは、児童発達支援や放課後等デイサービスなどを利用する際に必要な受給者証は、「障害児通所受給者証」になります。

受給者証(通所受給者証)の申請に当たって「障害児支援利用計画案」も準備しましょう。保護者がセルフプランをつくることもできますが、障害児通所相談事業所や相談支援事業所を行っている各施設(事業所)で作成してもらえます。

参考:
【障害児通所・入所給付費】受給者証の取得方法、体験談まとめ

障害児通所支援の中で利用するサービスや対象について迷っていたり疑問があったりする場合は、最初にお住まいの自治体に相談しましょう。

利用したいサービスの種類が決まったら、受給者証(通所受給者証)の申請をする前に、通いたい施設を探しておくとよいでしょう。

その際、定員に空きがあるか、療育の内容はどんなことを行っているかなどもあわせて確認しましょう。気になる施設(事業所)を見つけたら、見学を申し込み、実際に訪れてみることが大事です。

子どもに合った施設を探す4つのチェックポイント

多くの施設(事業所)の中から、子どもにあったところを選ぶために、利用する目的や条件について、保護者自身が整理して理解しておくのは大切です。ここでは押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

チェックポイント1 支援の内容は子どもに合っているか?

1.受講スタイル

・個別で受けるか、集団で受けるか
発達支援のプログラムにもよりますが、個別療育では、一人ひとりに合わせた支援を受けられます。また、集団では、子ども同士でコミュニケーションや集団のルールを学べます。

・親子一緒に受けるか、子どもだけで受けるか
親子の関わり方を学べたり、親がいることで安心して受講できたりすることを優先したいときは、親子一緒に通うことができるところがよいでしょう。子どもだけで受講するのは、子どもの自立心を養えるでしょう。また、保護者にとっては、育児から離れる時間ができます。

2.療育のプログラム

学習支援、預かり支援、ソーシャルスキルトレーニング(SST)など、施設(事業所)ごとに力を入れているプログラムはさまざまなので事前にチェックしましょう。

チェックポイント2 通いやすいか

1. 曜日・日時
子どもと家族のスケジュールを考え、無理なく通えるかどうか考えます。土日祝や長期休み中の対応なども確認しましょう。

2.場所
自宅や学校、駅からの距離も考慮して、無理なく通える距離の施設(事業所)がおすすめです。

3.送迎の有無
学校・自宅から送り迎えを行ってくれる施設(事業所)もあります。送迎の有無や範囲を確認してみましょう。

チェックポイント3 定員に空きがあるか

各施設(事業所)には利用者の定員があるので、空きがないと契約できません。定員に空きがあるか、これから空く予定があるかどうかも大切なポイントです。空き状況については直接施設(事業所)に問い合わせてみましょう。

チェックポイント4 施設の雰囲気は?

1.施設(事業所)のWebサイトを見る
具体的に気になる施設(事業所)があれば、直接WebサイトやSNSをチェックするのも一つの方法です。日々の活動の様子や最新情報が見られるかもしれません。

2.利用者の口コミ
直接聞くのもいいですが、身近に施設(事業所)の利用者がいない場合、口コミが見られるWebサイトもあります。LITALICO発達ナビの施設情報ページにも「利用者の声」があるので、チェックしてみてください。

3.見学・体験する
多くの施設(事業所)では見学や体験授業の対応をしています。実際に施設(事業所)の中を見ることで、より雰囲気も分かりますし、子どもが楽しんでいるかといったこともチェックすることが可能です。

施設情報

以上のポイントを参考に、利用したい施設(事業所)の候補を集めていきましょう。

利用する施設の候補を集める

施設(事業所)について調べて、利用する候補を集めるには、次のような方法があります。

LITALICO発達ナビの「施設情報」から探す

発達ナビの「施設情報」ページ

LITALICO発達ナビでは、障害児通所施設などの情報を掲載しています。

現在地から探すこともできますし、都道府県・市区町村を選択すれば、児童発達支援(児発)・放課後等デイ(放デイ)の施設(事業所)一覧が表示されます。市区町村だけでなく、路線や駅から探すことも可能です。

都道府県・現在地・駅等から探すページ

さらに「受け入れ年齢」や「支援プログラム」、「在籍する専門スタッフ」「送迎有無」「土日祝営業」など詳細条件を選択して絞り込むことも可能です。

さまざまな条件から施設(事業所)を探すことができるので、ぜひ活用してみてください。

都道府県から施設を探す

市区町村の窓口で聞く

市区町村の福祉窓口・子育て支援窓口では、地域の施設(事業所)リストや、情報を提供してくれることもあります。直接窓口に行けない場合も、市区町村のWebサイトで施設(事業所)一覧が公開されているところもあります。

この場合、見ることができる情報は、サービスの種類や施設(事業所)名、住所、電話・FAX番号と必要最低限の場合が多いようです。療育内容や雰囲気などを知るためには、保護者自身が個別にWebサイトを探したり、電話をかけたりすることになります。

インターネットで探す

インターネットで、「児童発達支援センター 地名」「放課後等デイサービス 地名」といったキーワードで、目的の福祉サービスを行っている地域の施設(事業所)が検索できます。お住まいの地域と近隣の地域の中から、似た条件の施設(事業所)を探すことができそうです。

また、以下のサイトで、地域からの検索ができます。

WAM NET「障害福祉サービス等情報検索」 https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/COP000100E0000.do

そのほか、施設(事業所)によってはSNSなどで情報発信していることもありますので、そちらも参考にしてみるとよいでしょう。

保護者間の口コミ

すでに施設(事業所)を利用している保護者に、地域にある施設(事業所)や通っている施設(事業所)を聞いてみるのもいいでしょう。

契約前に施設を見学しよう!

利用する候補となる施設(事業所)が絞れてきたら、実際に見学に行ってみましょう。教室を体験できるところもあります。子どもと一緒に足を運んで、楽しく過ごせそうかなどを確かめて契約へと進めましょう。

見学の方法などについてはこちら。

【児童発達支援・放課後等デイ(児発・放デイ)】障害児通所支援施設の申し込み方法や時期、見学のポイント

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